この記事を読んでいるあなたは
- 東風戦のルールが知りたい
- 半荘戦(東南戦)や一荘戦との違いが知りたい
- 東風戦で勝つためのコツが知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀のゲーム形式のひとつである「東風戦」についてお伝えしていきます。
東風戦とは
麻雀は、1回アガったから勝ち、別の人がアガってしまったから負け、というゲームではありません。
親が1周するまでを一区切りとし、親が何周するかによってゲーム単位が分けられています。
この記事で解説する「東風戦」も、ゲーム単位のひとつです。
はじめに、東風戦を含むゲーム単位の種類とそれぞれの違いを説明した上で、東風戦の特徴を解説していきます。
親番1周で終了の短期戦
麻雀の中でも特に短いゲーム単位が、親が1周したら終了の東風戦です。
東場のみの勝負のため、東風戦と呼ばれています。
東風戦の他には、半荘戦と一荘戦があります。それぞれの違いは以下のとおりです。
東風戦 | 親が1周したら終了 | 東場のみの勝負 (東1局~東4局まで) |
半荘戦 | 親が2周したら終了 | 東場・南場の勝負 (東1局~南4局まで) |
一荘戦 | 親が4周したら終了 | 東場・南場・西場・北場の勝負 (東1局~北4局まで) |
東風戦の対として、「東南戦」という名称が使われることがありますが、これは半荘戦を意味しています。
東風戦と南風戦をおこなうので、東南戦、というわけですね。
1ゲームにかかる時間は20~30分程度
東風戦1ゲームにかかる時間は、20~30分程度です。
最低でも1時間前後かかる半荘戦は、「麻雀のための時間を確保しないとプレイが難しい」というデメリットがあります。
これを解消しつつ、総合得点で勝負するというゲーム性も失わないのが、東風戦です。
30分程度で終わる東風戦であれば、通勤途中や昼休みといったスキマ時間にもプレイできますよね。
空いた時間にサクッとプレイできるのは、東風戦最大のメリットと言えるでしょう。
親の連荘があった場合は1時間近くかかるケースもある
短期決戦の東風戦ですが、親の連荘やトビがあった場合は、ゲームにかかる時間が大きく変動します。
麻雀では、「親のアガリ」もしくは「流局時親のテンパイ」で、親番が続きます。これが親の連荘です。
東風戦が、 東1局~東4局までの勝負というのは前述したとおりですが、各局で親の連荘が起きると「本場」という単位でゲーム数が増えていきます。
東1局の勝負で、親である東家がアガると、次のゲームは「東1局1本場」です。
これは、親が次の人に移行するまで、2本場、3本場と増えていきます。
つまり、親の連荘が起きると、東風戦でありながら、実際の対戦数は5試合、6試合と増える可能性があるということです。
そうなれば当然、ゲーム時間も40分、50分と伸びていきます。
トビ終了があった場合は5分で決着のケースもある
麻雀では一般的に、プレイヤーの誰かの点数がマイナスになったら、その場でゲーム終了するというルールが定められています。
このルールをハコシタ終了ルールと言い、点数がマイナスになったことを「トビ」「ハコシタ」「ドボン」などと表現します。
東風戦の持ち点は、一般的に20,000~25,000点。1試合目で役満あがりに放銃してしまうと一発アウトです。
その場合には、1局で勝負が終了してしまうので、1ゲーム5分前後で終わります。
局数が少ないぶん挽回が難しいのがデメリット
東風戦のデメリットとしては、「はじめに点が減ってしまうと挽回が難しい」ということが挙げられます。
親の連荘がなかった場合は、たった4回しか点数を獲得する場面がないので、逆転できずに終わってしまうのですね。
具体例を挙げてみましょう。
1試合目で6,000点のマイナスを取ってしまったシーンを想定します。
- 8試合ある場合、残り7試合の中で、6,000点以上を1回 もしくは 2,000点を3回でプラマイゼロ
- 4試合しかない場合、残り3試合の中で、6,000点以上を1回 もしくは 2,000点を3回でプラマイゼロ
東風戦の場合、安手アガリでは、全試合勝っても1位になれないのです。
そして、序盤に点数が減ってしまうと、マイナス分を挽回するために点数の高い役を狙うしかなくなります。
上の例だと、2,000点では1位になれないので、さらに上の点数ですね。
全試合勝つのは難しいことを考えると、6,000点以上でアガリたいところです。
しかし、点数がプラスになっているプレイヤーは、安手であってもアガり続けてしまえば勝ち逃げできます。
結果、スピード勝負に負けてラスのまま終わる…というケースが少なくありません。
東風戦のルール
東風戦の特徴はご理解いただけたかと思いますので、つづいて、東風戦のルールを解説していきます。
基本的なルールは一荘戦や半荘戦と変わらない
東風戦の基本ルールは、一荘線や半荘戦と変わりません。
ただ単に、試合数が違う、というだけです。
半荘戦では、東1局から始まって、反時計回りに親が巡り、東4局が終わると、南場に移行します。
同じように、南1局~南4局まで、反時計回りに親が巡って、ゲームセットです。
東風戦の場合は、東1局から始まって、反時計回りに親が巡り、東4局が終わるとゲームセット。
試合数が半分であっても、親の順番は平等に回ってきますし、親番で勝てば連荘で本場が積み上がります。
点数計算や使用牌、役の取り決めにも変動はありません。
勝負がつかなかった場合のみ「南入」
東風戦は東場のみの勝負、とお伝えしましたが、「東4局終了時点で、1位のプレイヤーの持ち点が30,000点以下」の場合に、南入することがあります。
南入とは、南場に移行することを指す言葉です。
半荘戦で南入、と言われれば単に南場に移行した(親が1周した)ことを意味しますが、東風戦の南入はいわゆる「延長戦」ですね。
南入後南4局まで丸々勝負をおこなうケースと、1位の持ち点が30,000点を上回るまでで終了のケースがあります。
ただ、南入はあくまでイレギュラーであり、南入なしルールを採用している雀荘も多いです。
場風牌は基本的に「東」のみ
東場のみのゲームなので当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが、東風戦の場風牌は東のみです。
プレイヤー全員にとって、東は常に役牌になります。
「東を3枚集めれば絶対に役がつく」と覚えられるので、場風牌が変化する半荘戦や一荘戦よりもわかりやすいですね。
親番の東はダブ東
東風戦に限った話ではありませんが、自身が親(東)のときに、東を刻子で揃えると、場風牌1翻と自風牌1翻の両方がつきます。
これを「ダブ東」と言います。刻子1つで2翻になるのは美味しいので、親番のときは狙いたい役牌です。
東風戦であっても南入すれば場風牌は南
南入した場合には、場風牌が南になります。
1位の点数が30,000点を超えた時点でゲームが終了するケースだと、ダブ南が付く人と付かない人が出てくるので、起家(※)がやや有利ですね。
※対局時、一番はじめに親になる人
東風戦で勝つためのコツ
東風戦の基本的なルールは、半荘戦と変わらないものの、局数が半分である以上同じ戦略では勝てません。
最後に、東風戦で勝つためのコツを3つお伝えします。
3つの共通点は、「半荘戦で培った点数感覚を捨てる」ということ。半荘戦であれば「たった1,000点」でも、東風戦では「勝敗を分ける1,000点」になり得ます。
「半荘戦での勝率は悪くないのに、東風戦になると負け続き」
「東風戦は結局、配牌時の運勝負なのでは」
と感じている人は、ぜひこの項目を参考に、戦略を立ててみてください。
打点よりスピードを意識
東風戦では、打点よりもスピードを意識しましょう。
最低4試合しかない東風戦では、点数よりも回数の価値が高くなります。
門前の高得点役を狙って手が遅くなってしまうくらいなら、鳴きを入れてサクッとアガってしまいましょう。
また、スピードを意識する上で外せないのが、牌効率です。
「1・2」「5・6」の並びがあった場合、どちらも順子で揃いそうですよね。
では、他の面子が揃ってきて、4枚のうちどれかを捨てなくてはいけない場合、どちらの順子を崩すでしょうか。
待ち牌が1枚も場に出ていないならば、揃う確率が高いのは「5・6」のほうです。
「1・2」の待ち牌は3のみで、「5・6」の待ち牌は4・7の2種類ですよね。
このように、どの手牌を捨てたら一番有効牌を掴む可能性が高いかを考えるのが、牌効率です。
両面待ちテンパイの考え方を毎ターンおこなうようなものですね。
東風戦はスピードが命。一番効率の良い手順でアガリに持っていきましょう。
とにかく失点を避ける
東風戦においては、最後まで4人の点数が横ばい状態になることも多々あり、1,000点の差が大きくなります。
ですから、半荘戦よりも、ノーテン罰符やリーチ棒分の失点に敏感になるべきです。
流局になりそうならば、アガリを諦めて形式テンパイ(※)に持っていくのもテクニックです。
※形式テンパイ:役なしのテンパイ、4面子1雀頭の形にはなっているものの1つも役が付かない手牌のこと
放銃をしない
東風戦において、放銃は致命的です。
特に、1試合目で放銃してしまった場合は、放銃した点数分を取り返さないと、2・3位にも追いつけません。
そうなってくると、安手でもとりあえずアガってしまえと考える3人と、〇点以上じゃないとアガれないと考える自分。差を埋めるのが難しいことは容易に想像できますね。
危険牌を読む技術を身につけることはもちろん、アガるチャンスがないとわかったら早々に勝ちを諦めることも大切です。
配牌が悪い時、無理にアガろうとして安全牌が少なくなってしまうよりは、ベタ降りしやすいよう手牌を構成していきましょう。
東風戦はサクッと遊びたい人におすすめの短期決戦
東風戦は、半荘戦の半分の対局数で終わる短期決戦です。
東場のみの勝負となり、親が1周した時点でゲームが終了します。
基本的なルールは半荘戦や一荘戦と変わりませんが、試合数が少ない分、とるべき戦略は変わってきます。
アガリ回数重視のスピード勝負に発展しやすいので、半荘戦に慣れた人が東風戦に移行すると、「高い役作りが楽しめない」とつまらなく感じることもあるでしょう。
しかし、麻雀のゲーム性が損なわれているかというと、そんな事はありません。
半荘戦でいうところの「点数が横ばい状態の南場スタート」が毎回楽しめるのが東風戦です。
戦略を立てて立ち回れば、運を覆す勝利も可能でしょう。
時間がないときに楽しめる、緊張感のある対局であることは、東風戦のメリットと言えます。
麻雀は半荘戦オンリーという人も、ぜひ一度は東風戦をプレイしてみてください。