麻雀の「ペンチャン」とは?用語の意味や扱い方を徹底解説

この記事を読んでいるあなたは

  • 麻雀のペンチャンとは何か知りたい
  • ペンチャンを活かした戦術が知りたい
  • 他家のペンチャン待ちを見極める方法が知りたい

上記のように考えているかもしれません。

この記事では、麻雀用語「ペンチャン」についてお伝えしていきます。

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ペンチャンとは

ペンチャンとは、麻雀における待ちの種類です。
漢字で書くと「辺張」です。

「ペンチャン待ち」というと、テンパイ形に対して使われることが多いですが、「ペンチャン」は塔子の状態を表しています。

はじめに、ペンチャンがどのような待ちなのか解説していきます。

1・2もしくは8・9の塔子で待っている状態のこと

ペンチャンとは、「1・2」もしくは「8・9」の塔子が出来上がっている状態を指します。

順子の片側だけが欠けている状態=ペンチャンのため、1種類の数牌につき、2パターンしか当てはまりません。

一般的には不利な待ち

順子の待ちを表す言葉には、リャンメン、カンチャン、ペンチャンの3種類がありますが、その中でも一番不利だと言われる待ちがペンチャンです。

リャンメン3・4のように数字が隣り合った塔子で、受け入れ牌が2種類あるもの
カンチャン3・5のように真ん中の数字が抜けている塔子のこと。受け入れ牌は1種類
ペンチャン1・2のように数字は隣り合っているものの、受け入れ牌は1種類しかないもの

待ち牌の最大数だけで比べると、カンチャンとペンチャンは同じなのですが、変化のしやすさに違いがあります。

カンチャンが多い手牌

画像の構成なら、順子に育ちそうな面子の受け入れ牌は3種類。
どの数牌も4を待っている状態です。

ポイントは、2・6が来てもおいしいところです。
「2・3」「5・6」となり、一気に受け入れ牌の数が多い良形の待ちに移行できます。
すべての塔子をリャンメンにするのには、最短3巡です。

ペンチャンが多い手牌

画像の構成なら、順子に育ちそうな面子の受け入れ牌は3種類で、カンチャンと同じです。
しかし、3以外の牌をツモっても、特に変化がありません

リャンメン待ちを作りたいなら、一度カンチャン待ちを経由する必要があるので時間がかかります。
3種類の数牌すべてをリャンメン待ちにしようとすれば、最短でも6巡必要です。

しかも、4を引いてカンチャンにしたところで、結局欲しい牌は3のまま変わりません。
5が受け入れられるようにはなりますが、「4・5」の塔子にするのなら、はじめから1も2も必要なかったことになります。

尖張牌が足りていないこともマイナス要素

尖張牌が欠けているのも、ペンチャンが不利な待ちと言われる所以です。
尖張牌とは、数牌の3と7を指す言葉です。

ここで、順子の組み合わせを見てみましょう。

数牌の2は2パターンの構成がありますが、数牌の1は「1・2・3」の組み合わせでないと順子になりません。
そうやって見ていくと、3と7はそれぞれ3パターンの順子に組み込める有能な牌であることがわかるでしょう。

4・5・6も3パターンの順子に組み込める数牌ですが、3と7が優れている点は、絡む役が多いことです。
1・9牌を含めた順子は混全帯ヤオ九や純全帯ヤオ九に使えますし、中張牌と組み合わせた順子は断ヤオや平和に使えます。
3・7は、欲する人が多い数牌なのです。

欲する人が多いということは、捨てる人が少ないことと同義です。

ペンチャンは待ち牌の種類が少ない上に、チーできる可能性が低いのが痛手と言えるでしょう。

ペンチャンの扱い方

先述のとおり、ペンチャンは不利な待ち形なので、いつどのタイミングで捨てるか・内側の牌と外側の牌どちらから捨てるかといった「落とし方」が重要になってきます。

ここでは、落とし方に重点を置いて、ペンチャンの扱い方を解説していきます。

早めに落とすのが重要

混全帯ヤオ九・純全帯ヤオ九狙いのケースを除き、ペンチャンは序盤で落とすのがおすすめです。

早くテンパイするには、受け入れ牌が多い状態を作るのが重要。
特に、リャンメンや役牌の対子など、良形の待ちが多くできているなら、ペンチャン部分は不要です。

ペンチャンは内側から落とすのが基本

ペンチャンは、内側、つまり2や8から先に落とすのが基本です。

これは、放銃を避けるためです。
麻雀では、数牌の内側ほど放銃の危険度が高いと考えられています。
単純に面子が作りやすいのが内側の牌だからです。
特に中盤以降は、他家がテンパイしている可能性を考えて内側を先に落とします。

「どうせ両方落とすのだから、結局はロンされてしまうのでは?」と考えるかもしれませんが、1巡の差は大きいです。

実際に自分がテンパイしているとき、「あと1巡早くテンパイしていればあの牌でアガれたのに」と思うことはないでしょうか。
1手判断が違うだけで、ガラリと戦況が変わるのが麻雀の面白いところです。

外側のほうが危険牌なら外側から落とす

ペンチャンを落とすときは内側からが一般的だとお伝えしましたが、時には外側からのほうが良いこともあります。

内側を優先的に落とすのは、危険牌を先に処理するという考えに基づいていました。
つまり、外側のほうが危険牌ならば、外側の牌から落とすのが正解です。

また、手を進めるために外側から落とす戦略もあります。
たとえば、断ヤオ狙いでまだ雀頭が揃っていないケース。二萬や八萬が重なれば断ヤオのアタマとして使えるので、外側を先に落とします。

孤立牌とペンチャンは見極めが大事

「孤立牌とペンチャンだとどちらを落とすか悩む」という人もいるでしょう。

孤立牌とペンチャンのどちらを落とすべきかは、孤立牌のランクによって変動します。

たとえば、「1・2」のペンチャン塔子と「8」の孤立牌で、どちらを落とすかという問題。
「8」は、7が来ればリャンメンになりますが、9が来たらペンチャン塔子になるだけです。
「1・2」を残しておけば、運良く3が来れば1巡で面子になりますね。
このように、2または8の数牌を引いた場合は、孤立牌を捨てるのが正解です。

今度は、「1・2」のペンチャン塔子と「7」の孤立牌で、どちらを落とすかという問題。
「7」は、6か8を引ければリャンメン待ちに育ちますね。
このように、3~7の数牌を引いた場合は、孤立牌を残し、ペンチャンを捨てましょう。

ペンチャンを活かしたい場面

「ペンチャンは捨てるもの」と解説してきましたが、ペンチャンが有利に働く場面もあります。
ペンチャンを活かすべき場面を2パターンお伝えしますので、参考にしてください。

序盤でテンパイできる場合

ひとつめが、序盤でテンパイできる場合です。

ペンチャン待ちテンパイは、あまり有利な形ではありません。
リャンメン待ちでテンパイして、受け入れ牌を広げるのが基本形と言えるでしょう。

しかし、だからこそペンチャン待ちは読まれづらいというメリットがあります。
牌の残数が多い序盤でのテンパイなら、ペンチャン待ちでもアガれるチャンスは十分です。

あえてリーチをかけて、他家にテンパイであることを知らせるのもひとつの手です。
ペンチャン待ちにはスジ読みが通用しないので、アガリ牌を安全牌と読み違えて捨ててくれるケースもあります。

ペンチャン待ちでアガると、2符の加算が得られるのも嬉しいポイントです。

断ヤオや平和よりも良い役が狙える場合

ペンチャンは1か9が入る塔子なので、手元にある以上断ヤオや平和が付きません。
断ヤオや平和は揃えやすい役の代表です。
それを捨ててまで、ペンチャンを残す意味があるのかを考えましょう。

ペンチャンを使った代表的な役といえば2翻役の混全帯ヤオ九ですが、鳴くことで1翻になるというデメリットを抱えています。
アガリまでの速度を落として、なおかつ断ヤオや平和と同等の点数しか稼げないときは無理にペンチャンを残す必要はありません。

反対に、断ヤオや平和を狙うよりも高い手が望めそうなときは、ペンチャンを残す判断を下しましょう。

具体的に言うと、満貫以上、つまり4翻40符以上でのアガリが目指せるケースです。
序盤でペンチャン塔子が複数あり、門前で混全帯ヤオ九+三色が作れれば、満貫アガリが達成できます。

ペンチャンに対するよくある質問

最後に、ペンチャンに関するよくある質問をまとめました。

ドラが絡むペンチャンは残す?

ドラが絡むペンチャンの扱いは、手牌構成や手の進み具合によって変わります。
平和や断ヤオでのアガリが望めそうなら、ドラが絡んでいてもペンチャンを落としましょう。

ドラによる得点アップは強力ですが、アガれなかったら意味がありません。
また、ドラ単体で役にはならないので、ドラを温存することによって消えてしまう役があるなら無理して持ち続ける必要はないのです。

ただ、断ヤオや平和も狙えない、チャンタ系も狙えない、といういわゆる悪配牌の時はドラを手元に残しておきます
これは、自分が得点アップをするためではなく、チーやポンで他家にドラが渡ってしまうのを防ぐためです。

他家のペンチャン待ちを見極める方法はある?

基本的に、見極める方法はありません。
ただ、ペンチャン待ちに放銃しない方法はあります

ペンチャン待ちは、3待ちと7待ちの2パターンしかありません。
そして、3・7というのは、ペンチャン以外のすべての待ちにおいても、待たれている可能性が消しきれない牌です。

「リャンメン待ちには放銃しないのに、ペンチャン待ちには放銃してしまう…」という人は、スジ読みなどのテクニックは身につけているものの、尖張牌の扱いが雑なのかもしれません。

ペンチャンは順子の片側が足りない待ちの形のこと

ペンチャンとは、順子の片側が足りない待ちです。
「1・2」「8・9」のように構えているので、受け入れ牌が1種類しかありません。

リャンメン待ちへの変化が望めないため、基本的には落とす方向で進めていきます。
数字が連続しているので一見良さそうな待ちですが、実際は一番不利な待ちです。
時には孤立牌よりも優先的に捨てていきましょう。