この記事を読んでいるあなたは
- 三元牌とは何か知りたい
- 三元牌と関係のある麻雀役が知りたい
- 三元牌の扱い方が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀の三元牌についてお伝えしていきます。
三元牌とは
麻雀牌には、字牌と数牌、ヤオチュー牌と中張牌といったように、いくつかのグループ分けが存在します。
三元牌も、そういったグループのひとつです。
はじめに、三元牌とはどの牌を指すのか、どういった特徴があるのかについて解説します。
字牌の「白・發・中」のこと
三元牌とは、字牌の「白・發・中」の総称です。
それぞれ「ハク」「ハツ」「チュン」と読みます。
中国での正式名称は、「白板(パイパン)」「緑發(リューファ)」「紅中(フォンチュン)」です。
それに倣って、牌の模様は下記のようになっています。
- 白→何の模様も凹凸もない白い牌
- 發→緑色で描かれた發の文字
- 中→赤色で描かれた中の文字
白は、その見た目から予備の牌として勘違いされることも珍しくありません。
白ポッチと呼ばれる、中心にダイヤのようなものが埋め込まれたデザインもありますが、これはオールマイティという特殊なルールで遊ぶときに使用する白牌です。
三元牌を雀頭にすると2符がつく
麻雀の符計算では、役牌を雀頭にすると2符が加算されます。
役牌となるのは、三元牌・自風牌・場風牌。
自家や場で内容が変わる風牌とは違って、三元牌はいつでも役牌なので、覚えやすいです。
刻子になれば1翻役がつきますし、対子のままでも雀頭にして2符稼ぐことができるので、三元牌が2枚揃ったらチャンスです。
ただし、ヤオチュー牌のみで構成しなくてはいけない断ヤオや、雀頭を役牌以外にしなければいけない平和を狙っている場合は使えないので注意しましょう。
三元牌という名称の由来
白發中が、なぜ「三元牌」呼ばれるのか不思議ですよね。
諸説ある由来の中から、代表的なものを3つ紹介します。
中国の出世に関する言葉が由来
ひとつめは、中国の出世に関する言葉が由来となっている説です。
中国には、科挙(カキョ)と呼ばれる官僚がいます。
試験は3段階あり、各段階の首席者の称号「解元」「会元」「状元」をまとめて、三元と呼んでいるそうです。
そして、官僚の出世段階として使われている用語が、「白身」「中拳」「發財」の3つ。
それらを麻雀牌に当てはめた結果、白發中=三元牌というわけです。
中国の社会風習が由来
ふたつめは、中国の社会風習が由来となっている説です。
中国には、「上元」「中元」「下元」、合わせて三元と呼ばれる行事があります。
その行事をもとに、三元牌というわけですね。
ただ、中はまだしも、白と發が何をもととしているのかはわかりません。
射的が由来
みっつめは、射的が由来となっている説です。
戦時中、中国兵の間では、的に向かって矢を投げ、命中率を競うという博打が流行っていたそうです。
その際の的を「白」、発射する動作を「發」、命中を「中」として、今の三元牌の構成になったと言われています。
ただ、上元中元下元の説とは反対に、三元牌と呼ばれるようになった経緯ははっきりしていません。
三元牌が絡む麻雀役
つづいて、三元牌が絡む役を5つ紹介します。
役牌
役牌は、三元牌・自風牌・場風牌のいずれか1種類を刻子で揃えた場合に成立する1翻役です。
役牌というのは総称なので、白3枚なら「ハク」、發3枚なら「ハツ」が正式名称ですね。
1種類1翻なので、2面子揃えば2翻の加算です。
雀頭や待ちに制限がなく、鳴いて揃えてもOKなので、出現率は非常に高いです。
大三元
大三元は、三元牌すべてを刻子で揃えたときに成立する役満です。
残りの1面子と雀頭に制限はなく、鳴いて揃えてもOKです。
小三元
小三元は、三元牌のうち2種類を刻子、1種類を雀頭にすると成立する2翻役です。
残りの2面子に制限はなく、鳴いて揃えてもOKです。
大三元の1枚足りないバージョンですが、点数には大きな差があるので、注意しましょう。
字一色
字一色は、字牌だけで手牌を構成すると成立する役満です。
白・發・中・東・南・西・北の中から、どの5種類を使っても構いません。
また、鳴いて揃えてもOKです。
役満同士の複合が認められていて、三元牌すべてを面子として使用した場合には、大三元との複合もありえます。
国士無双
国士無双は、ヤオチュー牌全種類を1枚ずつ揃え、そのうちの1つを雀頭にすると成立する役満です。
つまり、白・發・中・東・南・西・北・一萬・九萬・一索・九索・一筒・九筒の13枚+いずれか1種類をもう1枚の構成ですね。
三元牌を各1枚だけで使用できる唯一の役です。
三元牌の切り順
つづいては、三元牌を捨てるときの順番について解説していきます。
序盤など、場に見えている枚数に違いがないケースでは、捨てる順番に迷うこともあるでしょう。
あくまで、同条件の場合ですが、参考にしてください。
三元牌の優劣
三元牌は、どの牌でも刻子にすれば役がつくため、優劣はありません。
同じ枚数が場に見えている状態であれば、どの牌から切っていっても良いでしょう。
ただ、「白・中に比べて發は使われにくいので、發を残したほうが良い」という説もあります。
理由は、發よりも白や中のほうが色味が強く、無意識に強い色を残すから。
オカルト的な論ではありますが、迷ったら發を残してみても良いかもしれません。
また、緑色の牌のみで構成する役満「緑一色」には、發を使います。
三元牌の中から特定の種類を指定されている役は、標準役では緑一色のみです。
緑一色を狙う人はもちろん、他家の緑一色を防ぐ意味でも、發を手元に残すのは有効だと言えるでしょう。
重要なのは自分ルールを決めておくこと
三元牌の切り順に迷ってしまう人は、自分の中での順番を決めておきましょう。
麻雀は、考えることが多いゲームです。
微々たる差しかない場面では、少しでも迷うことを減らしたほうが得だと言えるでしょう。
同条件の場合は、この順番と決めてしまいます。
「白→發→中」でも「中→白→發」でも、自分が納得できる順番でOKです。
大切なのは、いつでも一定のルールにしてしまうことですね。
切り順を決めたからといって、手の内を読まれる心配はありません。
むしろ、悩む時間を減らしたり、打牌のリズムを乱さないようにしたりするほうが大切です。
三元牌を使うときの注意点
三元牌を使うときの注意点として、断ヤオや平和がつかなくなることが挙げられます。
特に、雀頭として使う場合にはよく考えましょう。
三元牌を雀頭として使うと、符計算で2符が加算されてお得です。
しかし、優先するべきは符よりも翻の加算です。
雀頭以外で断ヤオや平和の条件が揃う場合、雀頭を別の牌に入れ替えることを検討しましょう。
三元牌に対するよくある質問
最後に、三元牌に対するよくある質問にお答えしていきます。
ドラ表示牌が三元牌のときの順番は?
ドラ表示牌の順番は、「白→發→中→白」のループです。
同じ字牌である風牌は含まれません。
三元牌は「白発中」で揃えてもOK?
三元牌を面子にする場合は、刻子としてしか使用できません。
「きれいに3種類だから順子になるのでは?」と勘違いしないようにしましょう。
対局終盤、三元牌は安全牌として使える?
「場に何枚見えているか」によって、安全牌にも危険牌にもなります。
自分の手牌を含め、場に3枚見えている場合は、ほぼ安全です。
国士無双を狙っているプレイヤーがいない限り放銃はありえません。
一方で、中盤になっても河に1枚も捨てられない、というケースでは非常に危険です。
他家が捨ててこない=孤立牌ではないから、と考えられます。
こちらが対子で持っていたとして、他家も対子で持っている可能性が高いです。
三元牌すべてが場に少ない場合、小三元や大三元を成立させてしまうリスクもあるので、捨ててはいけません。
全体の流れを見て、中盤に差し掛かるまでに、捨てるか残すかの決断をしたほうが良いですね。
三元牌はポンしてでも揃えるべき?
三元牌のポンは、狙っている役によります。
三元牌が2種類以上ある場面では、混一色や小三元、大三元が見えるので、鳴いて揃えたほうが良いでしょう。
しかし、1種類しか三元牌がなく、残りが数牌というケースでは、断ヤオや平和とどちらを取るか、という話になってきます。
三元牌の鳴きは、役なしになる心配はありませんが、それでもむやみな鳴きはおすすめできませんね。
また、鳴きのタイミングとして一般的に言われているのは、1枚目は見逃して2枚目が捨てられたら鳴く、というものです。
自分が対子として持っていて、河に1枚切れている状態だと、残り1枚は自分以外3人にとっては不要牌。
いずれ捨てられるので、早々に手の内を明かすよりもツモに賭けて見逃す、という理論ですね。
ただ、上記はテンパイまでのスピードを遅くする行為でもあるので、ポンすればテンパイという場面では、1枚目で鳴いてしまっても良いでしょう。
三元牌とは白・發・中のこと
三元牌とは、麻雀牌の「白・發・中」の総称です。
刻子としてしか使用できませんが、刻子にすると必ず役がつくため、風牌よりも使い勝手が良いと言えるでしょう。
また、三元牌が絡む役は意外に多いので、他家の狙いを防ぐ意味でも、白發中の扱いは慎重におこないましょう。