この記事を読んでいるあなたは
- 麻雀の差し込みとはなにか知りたい
- どんなときに有効な戦術なのか知りたい
- 安全に差し込むためのコツが知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀の戦術のひとつである「差し込み」についてお伝えしていきます。
差し込みとは
はじめに、差し込みという用語の意味を解説します。
わざと放銃すること
差し込みとは、アガリ牌だと予測した牌を捨てて、わざと放銃することを指す言葉です。
他家が鳴ける牌をわざと捨てる「アシスト」とセットで語られることが多いので、覚えておきましょう。
差し込み・アシストの目的としては、安手のプレイヤーに振り込んで自分のトップを確定させたい、1位のプレイヤーがアガることを阻止したい、などが挙げられます。
いずれも、放銃したほうが得である場合にとられる戦術です。
コンビ打ちの差し込みは禁止
差し込み自体は合法な戦術ですが、あらかじめ特定のプレイヤーと共謀して、相方を勝たせるために差し込みをする行為は禁止です。
これはコンビ打ちと呼ばれるイカサマ行為にあたり、フリー雀荘でおこなうと出禁や罰金といったペナルティが課せられる可能性があります。
仲間内で打っている場合も、あらかじめイカサマOKの場合を除き、トラブルに発展する危険性があるので絶対にやめましょう。
差し込みが効果的な場面
つづいて、差し込みが有効な場面について詳しく解説していきます。
他家の役満アガリを防ぐ
ひとつめは、他家の役満など高得点でのアガリを防ぎたいときです。
役満は、子32,000点、親48,000点。放銃した場合のダメージはもちろん、ツモアガリだとしても、8,000点もしくは16,000点の支払いになってしまいます。
河を見て役満を狙っていそうなプレイヤーがいた場合、早々に別の安手プレイヤーに支払ってしまったほうが得なこともあります。
他家の連荘を防ぐ
ふたつめは、他家の連荘を防ぎたいときです。
麻雀は、親でアガるともらえる点数が1.5倍になります。親の連荘があまりに続くと点差が開きすぎて挽回が難しくなるので、安手の子に差し込んで連荘ストップを狙います。
子3人で同じ考えに至れば、アシストも望める展開です。
オーラストップの逃げ切り
みっつめは、自分がオーラストップでそのまま逃げ切りたいときです。
2位との点差がある程度開いていて、4位のプレイヤーになら振り込んでも痛くない、という場面では差し込みが有効になってきます。
安手アガリすら難しい配牌で、2位にアガられるとまずい場面なら、積極的に活用していきましょう。
4位にアシストしてからの差し込み、という流れも有効です。
安全に差し込むためのコツ
つづいて、安全に差し込むためのコツを3つお伝えします。
リーチをかけていない
まず、差し込む相手がリーチをかけていないことが条件になります。
リーチをかけてアガると裏ドラがめくれますが、ここで裏ドラが乗ってしまうと予測した点数と実際の点数に差が出てしまいます。
特に、カンが入って裏ドラが乗る確率が高くなっているときはリスクが大きすぎます。
場に見えているドラの数が多い
次に、場に見えているドラの数もチェックしておきましょう。
場に見えているドラが0~1枚の場合は、危険度が高いです。
差し込みたい相手がドラの刻子を持っていた場合、3翻プラス。満貫手以上になって、わざわざ差し込みを選んだメリットが無くなってしまいます。
見えているドラの枚数を確認して、最大でドラが乗った場合でも差し込んだほうが得なのかどうか、よく検討しましょう。
赤ドラが入っている場合は、赤牌と通常のドラが重複していないかどうかも要チェックです。
役の検討がついている
最後に、差し込みたい相手が揃えている役の検討がついていること。これが最も重要です。
点数がわかっていない相手に差し込むのは、自ら負けに行っているようなものです。
鳴きや河を見て、断ヤオのみ、役牌のみ、といった具合に、安手であることがわかってから差し込みましょう。
差し込みする際の注意点
つづいて、差し込みをおこなうときの注意点を3つ解説します。
他のプレイヤーに放銃する危険性はないか
差し込みは、狙った相手に放銃するからこそ成り立ちます。
複数のプレイヤーがテンパイしている場合は、狙っていないプレイヤーへの放銃に注意しましょう。
ダブロンが採用されている場合は支払いが2倍になるので、共通の危険牌は避けなくてはいけません。
また、ダブロンなしでも席順によっては狙っていない方にアガリを取られてしまうので、注意してください。
自分の順位を落とす危険性はないか
差し込みは、自分より下の順位のプレイヤーと点差があり、差し込みで失点しても自分の順位が落ちない場合に効果を発揮します。
何点まで振り込み可能なのか、差し込もうとしている相手はその点数以内に収まるアガリなのか、きちんと精査する必要があります。
自身がアガれる可能性はないのか
差し込みをする前に、まずは自分がアガれる可能性について考えましょう。
たとえ1,000点の安手であっても、自力でアガれるのであればそれに越したことはありません。
手牌がバラバラでどうしてもアガリが厳しい、自分がアガるまでの時間でアガられたくない相手の手が揃ってしまう可能性が高い、となってはじめて差し込みを考えます。
差し込みにおけるマナー
最後に、差し込みにおけるマナーについて解説します。
差し込みは麻雀プロもおこなう立派な戦術なのですが、状況によってはコンビ打ちなどを疑われかねません。
トラブルを避けるためにも、残りの2人に誤解を与えるようなプレイはやめましょう。
自分にとってメリットがない差し込みはマナー違反
基本的に、自分にとってメリットがない差し込みはマナー違反です。
例を挙げると、以下のような具合です。
- 自分の順位が下がる
- 自分のラスが確定する
- 自分の順位は変わらず、差し込み相手の順位が上がる
いずれも、自分の差し込みが他家のサポートにつながっています。
自分が勝負から降りている上に、他家から挽回のチャンス・逃げ切りのチャンスを奪っていますよね。
また、「Aさんのことが嫌いだから、Aさんに放銃するくらいならBさんに差し込もう」といった行動もトラブルのもとになるので注意しましょう。
差し込みを促す発言はご法度
他家に差し込みを促す発言はマナー違反です。
たとえば、「自分の手は1,000点だから差し込んで大丈夫」「一緒に親の連荘を流しましょう」というような発言ですね。
麻雀は不確定要素が残る中で推測し、駆け引きをおこなうのが楽しいゲームです。
たとえお互いにメリットがあるとしても、手の内をバラすようなことがあればゲーム性が崩壊してしまいます。
そもそも口に出してしまえば、コンビ打ちと変わらないですよね。
差し込んでもらいたい場合には、ドラを切る、鳴きによって役を透かす、という無言のアピールに留めておきましょう。
差し込みは麻雀プロもおこなう上級者向けの戦術
差し込みは、特定のプレイヤーのアガリ牌を推測し、あえて放銃する戦術です。
一部ではマナー違反と言われることもありますが、麻雀プロが公式の試合で活用することもある、合法の麻雀戦術です。
特定のプレイヤーのアガリを阻止したいときや、オーラストップで逃げ切りたいときなど、マイナスを負ってでもその局を早く終わらせたほうが有利な場合に活用します。
点数を読み間違えると逆に順位を落とすことになるため、上級者向けのテクニックですが、うまくハマると強いです。
オーラスで配牌が悪かったときの打開策として、頭に入れておきましょう。