麻雀の「十二落抬(シーアルラオタイ)」とは?成立条件や複合する役を徹底解説

この記事を読んでいるあなたは

  • 十二落抬とは何かを知りたい
  • 十二落抬の成立条件が知りたい
  • 十二落抬がどんな役と複合するのか知りたい

上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀役のひとつである「十二落抬(シーアルラオタイ)」についてお伝えしていきます。

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十二落抬(シーアルラオタイ)とは

十二落抬は、麻雀のローカル役のひとつです。
落抬とは副露を意味する言葉で、十二落抬は「12枚副露した」という意味になります。
成立条件がそのまま役名になっているタイプです。

はじめに、十二落抬の成立条件や点数、出現率について解説していきます。

4回鳴いて裸単騎でアガると成立

十二落抬は、4回鳴いて裸単騎でアガると成立するローカル役です。

面子や雀頭に制限はなく、チー・ポン・カンいずれで揃えてもOKです。
ただし、暗槓が入っていると不成立となります。
門前清自摸和の真逆の成立条件だと覚えておくと良いでしょう。

ロンアガリでしか成立しないというルールも存在しますが、一般的にはアガリ方に制限はないことになっています。

中国から伝わった古役がローカル役として残ったもので、中国麻雀においては現在も「全求人」という名の正式役として採用されています。

十二落抬の別名

十二落抬には、数多くの別名が存在します。
下記はすべて十二落抬と同じ役ですので、覚えておきましょう。

  • 四副露単騎
  • 唯一単騎
  • 単騎受困
  • スッポンポン
  • 大吊車
  • 他力本願

アガリの見た目や過程から名付けられているものばかりですね。
「他家の牌をもらって揃えるから、他力本願」というのも、納得感のある面白いネーミングです。

点数

十二落抬の点数は、1翻です。
単体での点数は低いですね。

ただ、鳴いてさえいれば他に役がなくてもアガれる、というのが非常に強力。1位のまま逃げ切りたいとき、親の連荘を止めたいとき、配牌が悪いときなどに、「とりあえずでアガれる」のが十二落抬です。

わずか1翻のこの役を、いかに効果的に使えるかが勝敗の分かれ目になるでしょう。

出現率

十二落抬はローカル役なので、出現率は算出されていません。
ただ、条件は厳しくないので、そこそこの出現率になることが予想されます。

ちなみに、真逆の条件を持つ門前清自摸和の出現率は、18%です。

十二落抬のメリットは、門前清自摸和に比べてテンパイスピードが早いこと。
デメリットは、アガリ牌の数が少ないことや、晒した牌によって狙っている役がバレやすいことです。

いかに早くテンパイし、他家を突き放すかが、十二落抬成立の肝となるでしょう。

十二落抬と合わせて狙いたい複合役

十二落抬は、鳴きOKの役とであれば基本的に複合します。
ここでは、十二落抬と相性の良い役を3つ紹介します。

役牌

役牌は、特定の牌を刻子で揃えることで成立する1翻役です。
選択肢は、白・發・中・自風牌・場風牌の5種類。

面子を1つ揃えるごとに1翻加算されていくので、非常に使い勝手が良い役です。
自風牌と場風牌が一致している場合は複合が起こり、刻子1つで2翻を稼げます。

断ヤオ

断ヤオは、数牌の2~8のみで手牌を構成すると成立する1翻役です。
順子でも刻子でもOKなので、非常に使い勝手が良いです。

2~8のみを鳴いて面子を作り、さらに雀頭も2~8のいずれかで揃えれば、十二落抬と複合できます。
中張牌の対子や塔子が多くできたら、狙ってみましょう。

ただし、ルールによって、鳴いて作る断ヤオが認められないケースがあります。
その場合、十二落抬との複合は不可ですので、注意しましょう。

対々和

対々和は、面子のすべてを刻子で揃えると成立する2翻役です。
鳴いても食い下がりしないので、使いやすいです。

すべての刻子をポンで揃えれば、十二落抬と複合します。
配牌時点で対子が多くある場合に、複合を狙うと良いでしょう。

十二落抬を狙うべき場面

十二落抬が採用されている場合、断然鳴きが有利です。
いくら良い手を作っても門前ではスピード負けしがちなので、ほぼ全員が鳴いてきます。

そのため、「十二落抬を狙うべき場面は毎局」と言っても良いでしょう。
特に、嵌張や辺張などの愚形が多いとき、配牌時点で役が見えないときは、積極的に鳴いていきます。

暗刻や暗槓を抱えている場合を除き、鳴けるときに鳴いておくのがおすすめです。

十二落抬を狙う上での注意点

つづいて、十二落抬の注意点を解説していきます。

成立条件を決めておく

十二落抬には、アガリ方において定義の揺れがあります。

4面子すべてで鳴いてさえいれば、ツモアガリでも成立するのが一般的ですが、ロンでアガらないと不成立とするルールもあるのです。
面子だけではなく雀頭にも他家の牌が含まれていないとダメ、という考え方ですね。

十二落抬を採用する場合には、アガリ方に制限をつけるかどうか、事前に決めておきましょう。
ただ、ロンアガリ限定にすると難易度が跳ね上がるので、採用には注意が必要です。

守備力の低下を理解しておく

十二落抬の成立条件は、さほど難しくありません。
しかし、裸単騎に向かっていく以上、守備力の低下は避けられません。

手が進むごとに放銃の危険性が高まりますので、他家のほうが手が早いと感じた場合、十二落抬を諦めることも必要です。

十二落抬と関わりが深いローカル役

ローカル役の中には、十二落抬と似た条件を持つものも存在します。
いずれも知名度は高くありませんが、十二落抬と一緒に採用すると戦略に変化が出て面白いです。
ここでは、2つの役を紹介しますので、興味があれば取り入れてみてください。

金鶏独立(チンチートーリー)

金鶏独立は、十二落抬を一索でアガった場合に成立するローカル役です。

十二落抬でアガった場合の手牌が一索のみになることから、「金鶏独立」と名付けられました。
一索を鶏に見立てているというわけですね。

十二落抬の雀頭部分に制限を加えた役と言いかえられます。
面子には制限がありませんが、やはり暗槓があると不成立となります。

点数は満貫で、十二落抬とは複合しません。
そもそもこの役は十二落抬が生まれる前に使われていたもので、現在ではほぼ見ることのない過去の役になっています。

独釣寒江雪(トウチュエハンチャンシュエ)

独釣寒江雪は、十二落抬を白でアガった場合に成立するローカル役です。

白を雪に見立てており、白のみの裸単騎で待つ様子を「一人で釣りをしている情景」としています。

面子に制限はありませんが、暗槓があると成立しません
金鶏独立の一索が白に変わっただけの役ですが、なぜか独釣寒江雪の点数には定義揺れがあります。

4翻・満貫・役満と、複数の説がありますので、もし採用する場合には事前に決めておきましょう。

とはいえ、この役が生まれた中国ですら現在は採用されておらず、セット麻雀以外でこの役を見る機会はないでしょう。

十二落抬と名前が似ているローカル役

十二落抬と似た名前のローカル役が2つ存在します。
成立条件はまったく異なるのですが、字の並びを見て混同しやすいので、違いを把握しておきましょう。

十三不塔(シーサンプーター・シーサンプトウ)

十三不塔は、第一巡目のツモで雀頭だけが完成し、残りすべてが孤立牌のときに成立するローカル役です。

雀頭以外は、塔子・対子・刻子・順子・槓子のいずれもない状態でなければいけません。
親の場合は配牌時、子の場合は第一ツモ時の手牌で判断します。
天和や地和と同じように、途中で鳴きが入ると不成立となります。

雀頭がアガリ牌である必要はありません。
対子1つ+バラバラの手牌の状態で、塔子や刻子にならない牌をツモってきたら、十三不塔成立でアガれます。

不塔が「塔子が1つもない状態」を意味しており、13枚の手牌に塔子がゼロの役なので十三不塔、と名付けられました。
由来を知ると、名前どおりの役ですね。

点数は役満が一般的ですが、満貫とするケースや流局扱いとするケースもあります。

十三無靠(シーサンウーシー)

十三無靠は、第一巡目のツモですべての牌が孤立しているときに成立するローカル役です。
十三不塔の雀頭なしバージョンなので、十四不塔と呼ばれることもあります。

親の場合は配牌時、子の場合は第一ツモ時の手牌で判断し、途中で鳴きが入ると不成立となります。

無靠は、「孤立している状態」を表す言葉です。
不塔とほぼ同じ意味と捉えて良いでしょう。

点数は、役満が一般的です。

十二落抬は4回鳴いてからアガると成立するローカル役

十二落抬は、面子すべてを鳴いて揃え、裸単騎でアガると成立するローカル役です。
飜数は1翻で、リスクの割に点数が低いですが、他に役が作れないときの打開策として使えます。

フリー雀荘やアプリゲームでの採用率は低いので、興味がある人は仲間内で採用して遊んでみてください。