この記事を読んでいるあなたは
- 九種九牌とは何か知りたい
- 九種九牌の詳しい成立条件が知りたい
- 九種九牌の状態で狙える役が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀ルールのひとつである「九種九牌」についてお伝えしていきます。
九種九牌とは
はじめに、九種九牌とはどのようなルールなのか、解説していきます。
配牌時にヤオチュー牌が9種9枚以上で流局にできるルール
九種九牌とは、配牌時にヤオチュー牌が9種類以上あった場合に、流局にできるというルールです。
九種九牌のプレイヤーが宣言して手牌を公開し、その場の全員で九種九牌であることが確認できたら、成立となります。
字牌と1・9牌のバランスにもよりますが、ほぼ孤立牌、という配牌が九種九牌です。
「ここまで配牌が偏っていると可哀想だから、流局可能にしよう」という救済措置ですね。
宣言するかどうかは、九種九牌のプレイヤーに委ねられており、必ず流局させなくてはいけないわけではありません。
正式名称は「九種ヤオ九牌倒牌」
正式名称は「九種ヤオ九牌倒牌(キュウシュヤオチューハイトウハイ)」ですが、これだと長いので、現在の呼び方になったと言われています。
- 九種=9種類の
- ヤオ九牌=1・9・字牌があった場合
- 倒牌=手牌を公開して宣言できる
九種九牌と聞くと「9種類+9枚」のように感じますが、正式名称から読み解くと「9種類のヤオチュー牌」という意味だとわかりますね。
ヤオチュー牌が9種類10枚ある状態を指して、九種十牌などと呼ぶケースがありますが、由来から言えば誤った使い方です。
ただ、わりと定着した誤用なので、本来の意味と現在使われている意味合い両方を知っておくと良いでしょう。
採用状況はルールによる
九種九牌はメジャーなルールではあるものの、必ずしも採用されているわけではありません。
印象としては、競技麻雀では採用率が低めですね。
麻雀プロ団体では、日本プロ麻雀連盟は九種九牌あり、最高位戦日本プロ麻雀協会・日本プロ麻雀協会・Mリーグは九種九牌なし、となっています。
ネット麻雀での九種九牌採用率は比較的高く、ジャンナビ、天鳳、じゃんたま、雀龍門、麻雀格闘倶楽部など、多くのゲームで九種九牌が採用されています。
フリー雀荘で採用しているかどうかはバラつきがあるので、ルール確認を怠らないようにしましょう。
九種九牌が成立しないケースに注意
九種九牌の成立条件は、以下のとおりです。
- 配牌時点で、ヤオチュー牌が9種類以上あること
- 鳴きのない、純粋な1巡目で宣言すること
ヤオチュー牌がたくさんあったとしても、8種類9枚など、9種類という条件を満たしていない場合は不成立となります。
そして、宣言できるのは1巡目のみ。
宣言が、自身のツモ前かツモ後かについては定義揺れがあるので、その場のルールに従いましょう。
自分の順番が来る前に他家が鳴いたケースでは、九種九牌不成立となるので注意が必要です。
なお、自分のツモ番が巡ってくる前に宣言するのは、マナー違反です。
九種九牌のときに狙える役
九種九牌は、いわゆる悪配牌ですが、うまく使えば役満レベルの高い手に育つ可能性も秘めています。
ここでは、九種九牌のときに狙える麻雀役を4つ紹介します。
国士無双
国士無双は、ヤオチュー牌すべてを1枚ずつ揃え、そのうちの1種類を対子(雀頭)にすると成立する役満です。
九種九牌は、4面子1雀頭形を目指す場合には悪配牌ですが、国士無双を狙うには好配牌と言えます。
ただ、九種九牌が起こっている時点で、配牌にはかなりの偏りがあります。
中張牌ばかりのプレイヤーがいて、断ヤオでのスピードアガリに持ち込まれる可能性なども考慮した上で、国士無双を狙いましょう。
ちなみに、ヤオチュー牌が9種類9枚のときに国士無双をアガれる確率は、3%程度と言われています。
10種類で8%、11種類で20%なので、9種で国士無双を狙うのは、やや博打感が強いかもしれません。
混老頭
混老頭は、1・9・字牌のみで揃えると成立する2翻役です。
順子が使えないという特性上、対々和と七対子のどちらかが必ず複合し、実際は4翻以上でのアガリになります。
対子ゼロの九種九牌から目指すのはやや厳しいですが、
- 九種九牌で流局するか国士無双を狙うか悩んで、国士無双狙いを選択
- 対子が増えてきて混老頭に切り替え
という流れになることは、十分あります。
流し満貫
流し満貫とは、流局時に一定の条件を満たすと満貫アガリが成立する、というローカル役です。
成立条件は、以下のとおりです。
- 自身の捨て牌がすべてヤオチュー牌
- 自身の捨て牌を誰にも鳴かれていない
- 途中流局ではない
非常に難易度の高い役ですが、九種九牌の状態からなら9巡目の打牌までは、条件クリアが保証されています。
九種九牌の状態から、国士無双を捨ててまで狙いに行く必要があるか、と考えると微妙なところですが、覚えておいて損はないでしょう。
十三不塔
十三不塔も、流し満貫と同じくローカル役の一種です。
成立条件は、配牌時に雀頭が1つだけあり、残りがすべて孤立牌になっていること。
牌の種類に制限はなく、九種九牌のようにヤオチュー牌のみでなくても成立します。
2巡目以降にこの手牌になってもアガれないので、”狙いに行く”とは違いますが、十三不塔に気づかず「九種九牌で流局宣言」はもったいないです。
十三不塔を採用している場では、確認を怠らないようにしましょう。
九種九牌以外の流局ルール
麻雀には、九種九牌以外にも途中流局のルールが存在します。
ここでは、九種九牌以外の途中流局ルールを4つ紹介します。
ただし、採用状況はルールによりますので、注意してくださいね。
四風連打
四風連打は、一巡目ですべてのプレイヤーが同じ風牌を捨てた場合に、途中流局とするルールです。
鳴きが入った場合は不成立となり、この場合の鳴きには暗槓も含まれます。
ダブルリーチが入っている場合でも四風連打が優先されるので、配牌がよくないときに利用できます。
四開槓
四開槓は、2人以上のプレイヤーが合計4回カンした場合に、途中流局とするルールです。
1人のプレイヤーが4回カンをした場合は、四槓子という役満になるため、途中流局にはなりません。
また、四開槓と同時に槍槓や嶺上開花が成立した場合は、アガリが優先されるのが一般的です。
四家立直
四家立直は、プレイヤー全員がリーチをかけた場合に、途中流局とするルールです。
4人目のリーチ牌で誰かがアガった場合、ロンが優先されます。
三家和
三家和は、3人のプレイヤーが同時にロンした場合に、途中流局とするルールです。
九種九牌に対するよくある質問
最後に、九種九牌のよくある質問にお答えしていきます。
リーチと九種九牌はどちらが優先される?
1巡目にリーチがあった場合でも、九種九牌が優先されます。
ダブルリーチが発生する局で国士無双狙いは厳しいので、九種九牌のプレイヤーにとっては、流局にしたほうが得ですね。
九種九牌で流局した場合、供託はどうなる?
九種九牌による途中流局でも、通常の流局と同じように扱います。
リーチ棒や罰則による供託棒は、次局に持ち越しです。
本場も増えるので、積み棒を1本足して次局を開始します。
九種九牌で流局した場合、親番も流れる?
九種九牌成立時の親番が流れるかどうかは、ルールによります。
九種九牌を宣言したのが親であれば連荘、子であれば流れる、といったルールも存在するので、よく確認しておきましょう。
九種九牌は配牌が悪いときの救済措置
九種九牌は、配牌時にヤオチュー牌が9種類以上あった場合、途中流局にできるというルールです。
中国伝統のルールで、あまりに配牌が偏ってしまった場合の救済措置として、採用されています。
ただ、日本での採用状況は団体によってまちまちなので、事前にルールを確認しておいたほうが良いでしょう。