この記事を読んでいるあなたは
- 八連荘とは何かを知りたい
- 八連荘の成立条件が知りたい
- 競技麻雀やアプリゲームでの八連荘の採用率が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀役のひとつである「八連荘(パーレンチャン)」についてお伝えしていきます。
八連荘(パーレンチャン)とは
八連荘は、麻雀のローカル役のひとつです。
麻雀のルールのひとつである「連荘」が成立条件に入っていることから、役名がつけられています。
はじめに、八連荘の成立条件や点数、出現率について解説していきます。
8回連荘すると成立
八連荘は、その名のとおり8回連荘をすると成立するローカル役です。
8連荘目のアガリが何の役であっても、八連荘でのアガリに昇華されます。
連荘とは「親が続くこと」です。
連荘が成立すると、「東一局1本場」「東一局2本場」といったように、局は変わらずに本場が増えていきます。
通常1回しか親番が来ないはずの東風戦でも、2回、3回と親のチャンスがあるのが、連荘というシステムです。
連荘は通常ルールなので、八連荘という役が採用されていない場合でも適用されます。
連荘の条件は、アガリ連荘とテンパイ連荘の2種類です。
アガリ連荘 | 親がアガった場合のみ、連荘が起こる |
---|---|
テンパイ連荘 | 親がアガった場合と、流局時に親がテンパイしていた場合に、連荘が起こる |
八連荘成立の難易度は、連荘の条件によって大きく変わるので、採用時にはよく確認しておいたほうが良いでしょう。
成立条件の定義には揺れがある
8回連荘をすることが八連荘の成立条件ですが、定義には揺れがあります。
一般的に知られる成立条件は、以下の3パターンです。
- 1人の親番が8連荘
- 1人が8連続でアガる
- 8本場で親がアガる
それぞれ詳しく解説していきます。
1人の親番が8連荘すると成立
一番シンプルで、役名どおりの意味を持っているのが、「1人の親番が8連荘すると成立」という条件です。
アガリ連荘かテンパイ連荘かが非常に重要になるルールですね。
アガリ連荘の場合は、自身の親番に8回連続でアガらなくてはいけません。
他家がアガることだけではなく流局も許されないので、テクニックだけではなく運も重要になってきます。
この定義を採用する場合、8本場=八連荘とは言い切れません。
流局による本場数を引き継いだまま親が8連荘するパターンでは、9本場・10本場で八連荘が確定するからです。
親・子に限らず1人が8連続でアガれば成立
つづいては、「親・子に限らず1人が8連続でアガれば成立」という条件です。
親になってから8連続でアガるのではなく、子でのアガリ回数も換算します。
つまり、子のときに2連続和了、自身の親番が回ってきてから6連続和了という内訳でも、八連荘と捉えるわけですね。
自身が子のときから八連荘を狙えるのがポイントです。
ただ、実際に八連荘が成立するときには自身の親番になっています。
テンパイ・ノーテンに関わらず、流局を挟むとカウントがゼロに戻るのが一般的です。
この定義を採用する場合も、8本場=八連荘とは言い切れません。
8本場で親がアガれば成立
難易度がやや下がるのが「8本場で親がアガれば成立」という条件です。
連続アガリ回数ではなく、積み棒の数が8本の状態で親がアガると成立します。
流局によって引き継がれた積み棒もカウントするので、必ずしも8連続和了する必要はありません。
点数
八連荘は、役満として扱われます。
親番でしかアガれない役なので、点数は48,000点です。
出現率
八連荘はローカル役なので、出現率は算出されていません。
ただ、確率計算によって、おおよその数値を出すことは可能です。
自身がアガれる確率を4分の1(25%)とした場合の、8連続和了の確率は以下のとおりです。
連続和了回数 | 確率(%) | 確率(1/n) |
---|---|---|
1 | 25 | 1/4 |
2 | 6.25 | 1/16 |
3 | 1.56 | 1/64 |
4 | 0.39 | 1/256 |
5 | 0.09 | 1/1,024 |
6 | 0.02 | 1/4,096 |
7 | 0.006 | 1/16,384 |
8 | 0.001 | 1/65,536 |
単純計算ですら、この難易度です。
実際には、八連荘を阻止しようとスピード勝負を仕掛けてくる他家の存在があります。
さらに、配牌の偏りによって、どう考えても和了率が25%とは言えない回も出てくるでしょう。
八連荘の採用率
八連荘は、競技麻雀・フリー雀荘・アプリゲームのいずれにおいても、ほとんど採用されていません。
いくつかのローカル役を採用している雀龍門シリーズでも不採用、さらに以前は八連荘を取り入れていたMJシリーズにおいても、役として廃止されてしまいました。
八連荘を役として取り入れたい場合には、仲間内で麻雀を打つのが手っ取り早いでしょう。
八連荘を成立させるコツ
八連荘を役として採用し、なおかつ成立させるには、以下の2点が重要です。
- 箱割れなしのルールで対局すること
- アガリだけを目指してスピード勝負に持ち込むこと
それぞれ詳しく解説していきます。
トビなしのルールを採用する
まず第一に、トビなしのルールを採用することが重要になります。
麻雀では、親がアガった場合の点数は子の1.5倍。
さらに、8連続でアガるとなれば、八連荘成立の前に誰かが飛ぶケースが想像できます。
八連荘が達成できそうな場面でも、泣く泣くゲームセットになってしまいますから、八連荘とトビなしはセットで採用しましょう。
安手でも良いのでとにかくアガリを目指す
八連荘を目指す場合は、とにかく連続でアガることが大切です。
2連荘、3連荘と回数を重ねるごとに、他家は点数より流れを止めることを重視してきます。
その状況で高い手を狙っていては、スピード勝負で負けてしまいますので、逃げ切ることだけを意識しましょう。
断ヤオや平和、役牌といった、アガりやすい役を狙っていくのが連荘のコツです。
鳴きも活用しながら、最速でのアガリを目指しましょう。
八連荘と複合する役・しない役
八連荘は、基本的にどの役とも複合しません。
八連荘の成立条件を満たした段階で、そのときのアガリ役は八連荘という役満に昇華されるからです。
8連荘目のアガリが役満だった場合も、一般的にダブル役満にはなりません。
ただ、八連荘自体がローカル役で、遊ぶ場面と言えばほぼセット麻雀になるでしょうから、仲間内で話し合って役満との複合ありにするのも良いでしょう。
とはいえ、無理して役満を作るよりも、安手アガリで八連荘を成立させたほうが遥かにコスパが良いです。
八連荘と他の役満の複合を狙うメリットは、ほぼありません。
八連荘と関わりが深いローカルルール
つづいて、八連荘と関わりが深いローカルルールを2つ紹介します。
八連荘を採用する場合、ここで紹介するルールについても、事前に決めておく必要があります。
思わぬトラブルに発展させないためにも、知識として入れておきましょう。
破回八連荘(ポーホイパーレンチャン)
破回八連荘は、八連荘ありのルールでのみ生きる役です。
成立条件は、「親がアガれば八連荘成立という対局において、子がアガること」。
つまり、親の八連荘を阻止した子のアガリ役が、破回八連荘に昇華するというルールです。
子はその局1回だけアガれば良いため、条件は全く難しくありません。
にもかかわらず、破回八連荘の点数は、八連荘と同じ役満という滅茶苦茶なルールになっています。
破回八連荘を採用するメリットは、八連荘が起こる局では、誰がアガっても役満になることです。
局面をひっくり返せる可能性があるので、親の一人勝ち状態でもモチベーションを維持できるでしょう。
二翻縛り(リャンハンシバリ)
二翻縛りは、二翻以上ないとアガることができないというルールです。
アガリ条件に制限をつけるためのものであり、役名ではありません。
- 全局において、二翻以上の役がないとアガれない
- 5本場以降、二翻以上の役がないとアガれない
というように、複数の解釈があります。
断ヤオのみ、役牌のみ、といった1翻役単体でのアガリができなくなるので、八連荘の難易度が跳ね上がります。
八連荘を狙う上での注意点
八連荘を狙う上で、注意点が2つあります。
曖昧な状態でゲームを始めると後々トラブルになりやすいですから、参加者全員でルールを統一させておきましょう。
八連荘の成立条件を確認しておく
先述したとおり、八連荘の成立条件には定義揺れがあります。
採用する場合には、細かなすり合わせをしておくと安心です。
あわせて、八連荘成立後の対局についても、話し合っておきましょう。
一般的なのは以下の3パターンです。
- 9連荘以降も、連荘が続く限り八連荘成立
- 9連荘目を1連荘とカウントし、16連荘目で2度目の八連荘成立
- 9連荘以降は、八連荘は発生しない(親番1回につき八連荘1回)
八連荘後も連荘が続くことはそうそうありませんが、稀だからこそ揉めやすい部分でもあります。
勝負の最中に話し合うと親と子で意見が割れますので、必ず先に決めておきましょう。
二翻縛りがあるかどうかを確認しておく
八連荘を目指す上で、二翻縛りがあるかどうかが非常に重要です。
二翻縛りを採用する場合、八連荘を諦めて高い手を狙いに行くことも大切になります。
全局二翻縛りなのか、特定の条件下において二翻縛りに移行するのか、という点も含めて、事前に確認しておきましょう。
八連荘に対するよくある質問
最後に、八連荘に対するよくある質問に答えていきます。
8回目の和了は役なしでも大丈夫?
八連荘は、役なしでは成立しません。
何かしらの役でアガり、アガった時点で八連荘に昇華、という流れです。
安手アガリでも役満になる?
アガリ役が出来てさえいれば、飜数や符は関係ありません。
どの役でも、八連荘が成立すれば役満です。
ただし、二翻縛りが採用されている場合、1翻役単体でのアガリは認められませんので注意しましょう。
八連荘は連続してアガると成立する特殊な役
八連荘は、連続してアガることが条件になっている特殊なローカル役です。
成立するまでに少なくとも8戦を要しますが、どんな役でアガってもOKという自由度の高さも併せ持っています。
フリー雀荘やアプリゲームで採用されるケースは少ないので、八連荘でアガってみたい場合には、仲間内でルールを設定して遊びましょう。
成立条件に定義揺れが見られるので、詳細まですり合わせてからおこなうのがおすすめです。