この記事を読んでいるあなたは
- 嶺上牌とはなにか知りたい
- 嶺上開花、四開槓について知りたい
- 三麻での嶺上牌の枚数について知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀の「嶺上牌」についてお伝えしていきます。
嶺上牌とは
嶺上牌とは、カンをしたときに足りなくなる手牌分を補充するために用意された牌のことです。
嶺上牌は王牌の中に含まれており、王牌にはほかにドラ表示牌・裏ドラ表示牌・槓ドラ表示牌・槓ウラ表示牌なども含まれます。位置としては、ドラ表示牌の左隣2列で、上下合わせて計4枚です。
嶺上牌はカンをする度に1枚ずつツモられていきますが、嶺上牌をツモった場合には槓ドラ表示牌側に位置している海底牌が王牌に組み込まれることになるので、嶺上牌がゼロになっても王牌全体の数は減りません。
対局中の嶺上牌の動き
つづいて、対局中に起こる嶺上牌の扱いについて解説していきます。
ドラ表示牌をめくる前に嶺上牌を1枚下ろす
ドラ表示牌をめくる前に嶺上牌を1枚下ろすのが、対局における嶺上牌のはじめの動きです。
麻雀では対局開始前にドラ表示牌をめくりますが、ドラ表示牌の場所は王牌の左から3列目です。
2段に重ねられている牌山の真ん中をめくることになるため、そのままめくると隣の牌が押されて嶺上牌が落ち、牌が見えてしまうケースがあります。
そういったトラブルを防ぐために、はじめから一番左端にある嶺上牌の上端を横に降ろして、ドラ表示牌の隣の牌が押し出されても牌山が崩れないようにするのです。
やり忘れたからといって罰則等はありませんが、嶺上牌が見えてしまった場合、牌のかき混ぜと牌山の設置からやり直すことになるので、余計な時間がかかってしまいます。
フリー雀荘でも、守ってほしいマナーとして書かれていることなので、必ず覚えておきましょう。
カンが起こるごと嶺上牌の端からツモっていく
対局中にカンが起こったら、カンをしたプレイヤーは嶺上牌を1枚ツモります。ツモる順番は、一番左端の上段→下段→ドラ表示牌のすぐ左隣の上段→下段です。
嶺上牌をツモる理由は、カンをして4枚1組の面子ができると、残りの手牌は10枚となって3面子1雀頭が作れなくなるからですね。
1人で4回カンをした場合は、4枚1組の面子×4+雀頭で、18枚の手牌を持つことになります。
嶺上牌をツモったあとは海底牌を王牌に補充する
嶺上牌をツモると、王牌は13枚に減ってしまいます。
王牌は必ず14枚という決まりがあるため、嶺上牌をツモったあとは海底牌を王牌に補充して14枚に戻す作業が必要です。
つまり、海底牌というのはカンが起こる度に王牌に吸収され、海底牌のひとつ前の牌が新しく海底牌になるというように「変動する牌」であることがわかります。
通常狙ってできるものではありませんが、麻雀漫画「咲 -Saki-」では、カンをして他家の海底摸月を防ごうとするシーンがありました。嶺上牌と海底牌は関係が深い牌なのでセットで覚えておくと良いです。
なお、嶺上牌のツモは通常の牌山からツモするときと同じように上段→下段の順番でおこないますが、海底牌は一番最後にツモる牌なので、下段→上段の順番になります。海底牌を補充する際に上段から移さないように注意しましょう。
カンをしたときは、嶺上牌をツモる・槓ドラ表示杯をめくる・海底牌を王牌に補充するという3つの動作が必要となり、他の鳴きと比べてかなり複雑化するので抜けがないようにしたいものです。
嶺上牌と嶺上開花
嶺上牌と関係性が深い役として、嶺上開花が挙げられます。ここでは、嶺上開花について解説していきます。
嶺上開花とは
嶺上開花とは、カンによってテンパイして、ツモってきた嶺上牌がアガリ牌だった場合に成立する1翻役です。
狙って出せるものではないので、麻雀役の区分としては偶然役にあたります。
面子や雀頭に制限はないので、4面子1雀頭の形にさえなっていれば、嶺上開花のみでもアガることが可能です。
嶺上開花の出現率
嶺上開花の出現率は、0.25%です。
偶然役の中でも出現率が低く、同じく1翻である一発や河底撈魚、海底摸月と比べると二分の一以下の確率です。
人気麻雀漫画「咲 -Saki-」では主人公の得意技として描かれ、ほぼ毎局嶺上開花での和了シーンがありますが、本来頻発するような役ではありません。
嶺上開花と複合する役・しない役
嶺上開花は手牌に制限がないので、ほとんどの役と複合可能です。
複合しないのは、一発・平和・河底撈魚・海底摸月・槍槓・七対子・二盃口・流し満貫と役満だけです。
一発はカンした時点で権利が消えるので複合不可、平和・七対子・二盃口は手牌に槓子が含まれると成立しないため複合不可、河底撈魚・槍槓はロンアガリする役なので複合不可、流し満貫は流局した場合に発生する役なので複合不可となっています。
役満は、そもそも1~6翻の通常役とは複合しないため、嶺上開花が成立していても役満でのアガリが優先されます。
嶺上牌と四開槓
嶺上牌と関係性が深いルールに、四開槓があります。ここでは、四開槓について解説していきます。
四開槓とは
四開槓とは、1局の間に2人以上のプレイヤーが合わせて4回カンをすると途中流局になるというルールです。
四開槓と書いて「スーカイカン」と読み、別名「四槓流れ(スーカンながれ)」「四槓散了(スーカンサンラ)」とも呼ばれます。
棺桶を意味する「死棺」の発音と「四槓」の発音が同じで縁起が悪いことから四開槓が生まれた、という説と、そもそも麻雀では嶺上牌が4枚しか用意されておらず5回目の槓が不可能なため、4枚全てがめくられた時点で終了することにしたという説があります。
採用をしていない雀荘や競技麻雀団体もあるので、対局前にルールをよく確認するようにしましょう。
四開槓が成立するタイミング
四開槓を採用している場合、4回目のカンを宣言した人が嶺上牌をツモり、打牌を済ませたタイミングで四槓子が成立します。
- 4回目のカンを宣言したタイミングでの槍槓
- 嶺上牌をツモって嶺上開花
- 打牌した牌で誰かがロン
のいずれかによって和了者が発生した場合は、アガリが優先されます。
四開槓が成立しないケース
1人のプレイヤーが4回カンをしたケースでは四開槓は成立せず、カンをしたプレイヤーがアガれば、四槓子という役満になります。
一般的には5回目のカンはできないというルールで試合が続行されますが、中には、他のプレイヤーが5回目のカンを宣言したらその時点で流局とするルールもあるため注意が必要です。
三麻における嶺上牌
北を抜きドラとする三麻ルールでは、ドラを抜いた際にも手牌が足りなくなるため、嶺上牌から補充するケースがあります。
カンが4回までできて、北が4枚入っていることを考えると、必要な嶺上牌は8枚です。
ということで、抜きドラありの三麻では、はじめから王牌を9列18枚でとっておき、左から数えて5列目がドラ表示牌、それより左の4列はすべて嶺上牌という構成ではじめます。
また、このケースでは、抜きドラによる嶺上牌ツモでも嶺上開花が成立する場合があるので、事前にルールを確認しておきましょう。
嶺上牌はカンをしたときにツモるための4枚の牌
嶺上牌は、王牌の中に含まれる、カンをしたときにツモるための4枚の牌のことです。
位置はドラ表示牌の左隣2列。真ん中に位置するドラ表示牌をめくるときに嶺上牌が落ちて表になってしまうことがあるので、ドラ表示牌をめくる前に一番端の嶺上牌を降ろしておくのがマナーとなっています。
嶺上牌は対局中の動きがやや複雑で、海底牌や嶺上開花、四開槓など関連する麻雀用語も多いため、セットで覚えておきましょう。