この記事を読んでいるあなたは
- 王牌とはなにか知りたい
- 王牌の決め方について知りたい
- 三麻における王牌のルールについて知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀の「王牌」についてお伝えしていきます。
王牌とは
王牌とは、対局中にツモることのできない14枚の牌のことです。王牌と書いて「ワンパイ」と読みます。
麻雀では、牌山をすべてツモりきることはなく、最後の14枚は残したままで対局が終了します。
王牌に含まれる牌はツモもロンもできないので、アガリ牌が王牌に含まれていた時点でアガれないテンパイをしていた、ということになります。
とはいえ、対局終了後も王牌をオープンすることはないので、全員テンパイで流局にでもならない限り、アガリ牌が王牌に入っていたのか他家が持っていたのかの判別はつきません。
最後まで開示されない情報があるというのが、麻雀の面白さでもあります。
王牌に含まれる牌
王牌はツモられることのない14枚の牌とお伝えしましたが、ただ裏返しのまま積んでおくわけではありません。
王牌は、ドラ表示牌1枚・裏ドラ表示牌1枚・槓ドラ表示牌4枚・槓ウラ表示牌4枚・嶺上牌4枚で構成されており、一定の条件を満たすことでめくられていきます。
ここでは、それぞれの牌の説明とめくられるタイミングについて解説していきます。
※左右の表現は、目の前の牌山に王牌があるプレイヤー視点です。対面から見ると左右は逆転するので注意しましょう。
ドラ表示牌
王牌の左から3列目上段が、ドラ表示牌です。
ドラ表示牌は対局開始前にめくられ、出た牌の次の牌がその局の表ドラとして扱われます。
ドラ表示牌の見方は、後述する裏ドラや槓ドラ、槓ウラでも共通なので覚えておきましょう。
数牌 | 1→2→3→4→5→6→7→8→9→1…のループ |
---|---|
風牌 | 東→南→西→北→東…のループ |
三元牌 | 白→發→中→白…のループ |
ドラ表示牌は必ずめくられるので、王牌のうち14枚全ての中身がわからないという対局は存在しません。
裏ドラ表示牌
ドラ表示牌の真下が、裏ドラ表示牌です。
裏ドラ表示牌は、リーチをかけたプレイヤーがアガったときにめくることができます。
対局中にめくられることはないので、アガリ牌が裏ドラ表示牌に含まれているかどうかは最後までわかりません。
槓ドラ表示牌
王牌の4~7列目、ドラ表示牌の右側にある上段4枚が槓ドラ表示牌です。
1回目のカンでドラ表示牌の右隣をめくり、その後もカンが起きる度に右隣を1枚ずつめくっていきます。
カンが発生しなければ、最後までめくられることはありません。
槓ウラ表示牌
槓ドラ表示牌の真下が、槓ウラ表示牌です。
槓ウラ表示牌は、槓ドラがめくられている状態でリーチをかけたプレイヤーがアガったときにめくることができます。
めくれるのは、対局中に表になった槓ドラ表示牌の真下の牌のみなので、槓ドラは1枚なら槓ウラも1枚です。
裏ドラと同じく対局中に明らかになることはありません。
嶺上牌
王牌の1・2列目、ドラ表示牌の左側にある上下4枚が嶺上牌です。
カンをすると、4枚1組の面子ができることによって、残りの手牌で3面子1雀頭を作ることができなくなってしまいます。そのため、嶺上牌から1枚ツモって、枚数調整をおこなうのです。
ただ、王牌は最後まで14枚でなければいけないというルールがあるので、嶺上牌を1枚ツモることに海底牌を王牌に加えます。
つまり、カンをしたときは、
- 嶺上牌をツモる
- 槓ドラをめくる
- 海底牌を王牌に加える
というように王牌に3つの動きが生じるわけです。
嶺上牌はカンをすれば中身が明らかになりますが、それによって海底牌が王牌に組み込まれることになるので、どんな対局でも王牌14枚中4枚は対局終了後も謎のままです。
王牌の位置を決める方法
王牌は、毎回固定の場所があるわけではなく、対局開始時に振るサイコロの目によって位置が変わります。
ここでは、王牌の位置の決め方を解説します。
まずは配牌場所を決める
手積み麻雀では、4つの牌山を作り終えたら親が2つのサイコロを振り、出た目によって配牌を取りはじめる山と場所を決めます。
配牌を取りはじめる山は、親を1として反時計回りに2、3、4、5…と数えて、サイコロの出た目と一致した牌山です。
配牌を取りはじめる場所は、対象の牌山が目の前にあるプレイヤーから見て、右からサイコロの出た目と同じ数の列になります。サイコロの目が12なら、右から12列目です。
サイコロの出た目と配牌を取りはじめる山の関係は親視点で常に同じなので、次のような語呂合わせで覚えられます。
サイコロの目 | 親から見た牌山の位置 | 語呂合わせ |
---|---|---|
2 | 右 | うに |
3 | 対面 | といさん |
4 | 左 | さし |
5 | 自分 | じご |
6 | 右 | うろく |
7 | 対面 | といしち(といなな) |
8 | 左 | ひだりっぱ(さっぱ) |
9 | 自分 | じく |
10 | 右 | うじゅう |
11 | 対面 | といじゅういち |
12 | 左 | ひだりじゅうに |
毎回数えても大丈夫ですが、覚えておくと配牌がスムーズに始められますので余裕があれば暗記してしまいましょう。
配牌を開始した列の右側14枚が王牌
王牌の場所は、配牌を開始した列の右隣から数えて14枚です。
サイコロの出た目が8以上なら配牌をはじめた山だけで王牌が完成しますが、7以下の場合は枚数が足りないので右隣(下家)の牌山を移動してきて7列14枚にします。
三麻における王牌のルール
三麻の場合、採用するルールによっては王牌の枚数と位置の決め方が変わります。ここでは、三麻における王牌のルールについて解説していきます。
北を抜きドラとする場合の王牌の枚数
北を抜きドラとする場合、カンしたときと同じように、北をツモったときに手牌が1枚足りなくなります。
その時は嶺上牌から足りない牌を補充することになるため、北を抜きドラとするルールでははじめから嶺上牌を8枚用意するのが一般的です。
つまり、王牌の枚数はプラス4枚の18枚。ドラ表示牌は左から5列目となり、それより左が嶺上牌、右が槓ドラ表示牌となります。
3つの牌山でプレイするときの王牌の決め方
手積み麻雀で三麻をする場合、牌山を3つしか作らないケースが一般的です。
その場合、配牌を開始する山の語呂合わせは使えないため、いちいち数えるのが面倒な人は、空席と一致する4・8・12が出た場合は振り直すというルールで王牌の位置を決めます。
ただ、親を1として、右を2、対面を3、自分を4、右を5…というように、単純に3人にサイコロの目を割り振って配牌開始地点を選ぶケースもあるので、このあたりは集まっている面子で擦り合わせておきましょう。
王牌に関するよくある質問
最後に、王牌に関するよくある質問に回答していきます。
なぜ王の牌と書くの?
諸説ありますが、プレイヤーとしては含まれない架空の5人目である王=神様の手牌だから王牌、という由来があります。
1人のプレイヤーの手牌だと考えると、最後まで全容が明かされないのにも納得できますね。
王牌はなぜ14枚なの?
王牌の由来と併せて、1人のプレイヤーの手牌だから他4人と同じ14枚で構成されているといわれています。
一部の競技麻雀ルールにおいて嶺上開花の際にツモ符がつかないのも、王牌からのロンアガリと考えられるからでは?という話もあります。
王牌に赤牌すべてが入る確率は?
ドラ表示牌が赤牌でないときに、残り13枚の王牌に3枚の赤牌がすべて入る確率は、約0.07%です。
確率的には配牌時に一人のプレイヤーが赤牌をすべて抱えているのと同じですが、放送対局では流局しない限り判明しない・フリー雀荘では全員テンパイで流局しないと判明しない現象なので、実際に目にする機会は相当少ないです。
実際に2020年のMリーグで赤ドラが3枚とも王牌に入っていた試合がありましたが、かなり珍しいことだと話題になりました。
王牌はドラ表示牌や嶺上牌が含まれる14枚の集まりのこと
王牌とは、ドラ表示牌・裏ドラ表示牌・槓ドラ表示牌・槓ウラ表示牌・嶺上牌で構成される14枚の牌の集まりのことです。
王牌の位置は親のサイコロの出た目によって変わります。
カンをして嶺上牌をツモった場合でも海底牌からの補充をおこなうため、王牌が14枚を下回ることはありません。
ネット麻雀ではあまり意識することのない部分ですが、対局中の動きが大きく、リアル麻雀ではルールを知っておかないと困るのでしっかり覚えておきましょう。