この記事を読んでいるあなたは
- ベタオリとは何か知りたい
- ベタオリの判断基準を知りたい
- ベタオリするときの打牌順を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀のオリ方のひとつ「ベタオリ」についてお伝えしていきます。
ベタオリとは
はじめに、ベタオリとはどのようなオリ方なのか解説していきます。
アガリを諦めて放銃回避に努めるオリ方
ベタオリとは、アガリを諦めて放銃回避に努めるオリ方です。
シャンテン数や役については、一切考慮しません。
放銃しないためならば、揃っている面子でも積極的に崩していきます。
オリとの違いはアガリを目指すかどうか
ベタオリと通常のオリの違いは、アガリへの道を完全に断つかどうかです。
通常のオリでは、基本的に面子を崩してまで、安全牌にはこだわりません。
チャンスが巡ってくれば再び勝負に出れるよう、不要牌の中から安全牌をピックアップして捨てていきます。
対義語は全ツッパ
ベタオリの対義語にあたるのは、全ツッパです。
全ツッパとは、守備のことは一切考えず、自身のアガリだけを目指して打つことを言います。
他家からリーチがかかっても、高い手の気配がしても、手を緩めることはありません。
たとえ危険牌であっても、不要牌なら捨てるのが全ツッパの考え方です。
ベタオリの具体的な手順
ベタオリには、正しい手順があります。
アガリを一切目指さないので、場の状況に合わせて優先順位を変える必要はありません。
安全度が高い順に捨てていき、他家の放銃もしくは流局まで耐え抜きましょう。
合わせ打ち
最も優先するべきなのは、合わせ打ちです。
合わせ打ちとは、上家が捨てた牌と同じ牌を捨てる行為を指す言葉です。
同巡内フリテンといって、「ロン牌を見逃した場合、次の巡目まではロンアガリできない」というルールがあります。
同巡内フリテンは、リーチをしているかどうかに関わらず成立するので、そのターンにおいて確実に安全です。
ただ、1周したあとはフリテン状態が解除されてしまうので、合わせ打ちができるタイミングで捨てましょう。
「放銃の危険性がゼロ」かつ「効力に期限がある」ため、優先順位が最も高くなります。
現物
合わせ打ちできる牌がない場合は、現物を捨てましょう。
現物とは、他家の河にある牌と同じ牌のことです。
「自分で捨てた牌ではロンアガリできない」というルールがあるため、現物での放銃はありえません。
また、リーチ後のロン牌見逃しは、永続的にフリテンとなります。
つまり、リーチ者の現物は、河にある牌だけではなく、リーチ後に他のプレイヤーが捨てた牌も含まれるということです。
ただ、プレイヤーAの現物が、BやCにとって現物ではない場合には注意しなければいけません。
Aからロンされる可能性はゼロですが、B・Cからはロンされてもおかしくないからです。
よって、自分以外全員からテンパイの気配がする場合には、使えません。
序盤にリーチが入ったときなど、放銃を避けたいプレイヤーが明確な場合に、現物を捨てるようにします。
完全安全牌
完全安全牌とは、自分以外のプレイヤー全員の現物のことです。
どのタイミングで捨てても、絶対にロンされることがありません。
安全度で言えば最も安全なのですが、貴重なため、この優先順位となります。
「合わせ打ちできる牌がない」かつ「どのプレイヤーに対しても放銃の危険性がある」というときに、完全安全牌を捨てましょう。
4枚目の字牌
場に3枚切れている字牌も、安全度が高い牌です。
字牌を1枚で使用できるのは国士無双だけなので、河の状況を見て、国士狙いのプレイヤーがいないようなら捨ててしまってOKです。
国士無双を見抜くコツとしては、打牌の順番が挙げられます。
通常は孤立したやオチュー牌から切っていくので、序盤から中張牌を捨てていると要注意ですね。
さらに、鳴いていない、ダブったヤオチュー牌が場に切られているように見える、というケースでは、国士無双の疑いがあります。
上記の特徴があり、場に4枚見えているヤオチュー牌が1種類もないなら、字牌は危険牌です。
4枚目であろうと捨ててはいけません。
スジや壁を利用した安全牌読み
合わせ打ちできる牌も、現物も、4枚目の字牌もない、となったら、安全牌読みを利用しましょう。
ただし、スジや壁はリャンメン待ちにしか通用しない読みです。
読みが外れる可能性も十分にあるので、絶対に安全とは言い切れません。
むやみに切るよりは、活用したほうがマシ、というものですね。
ベタオリするかどうかの判断基準
麻雀は、1局~4局までの合計点で勝敗を決めるゲームです。
勝てる局で点数を稼ぎ、調子の悪い局ではマイナスを減らすように動く、という押し引きが大切になります。
ここでは、どんな局面でベタオリを選択するべきなのか解説していきます。
他家の状況
- リーチがかかっている
- 2回以上鳴いているプレイヤーがいる
- 点数が高そうなプレイヤーがいる
上記のような場面では、ベタオリを視野に入れましょう。
リーチはもちろん、2回以上鳴いている場合は基本的にテンパイと考えて良いです。
自分の進みや、テンパイが予想されるプレイヤーとの点数差を考えて、放銃のマイナスが大きそうならベタオリです。
自分の状況
- テンパイしていない
- 点数が低い
- 待ち牌が悪く、アガれる確率が低い
- 危険牌を2個以上捨てないとアガれない
- 放銃によって順位が下がる可能性が高い
他家からテンパイの気配がするにも関わらず、自分の状況が上記に当てはまるようなら、ベタオリを考えましょう。
他家の状況判断と同じく、リスクとリターンを比べて、リスクのほうが大きいならベタオリです。
ベタオリを開始するタイミング
つづいて、ベタオリを開始するタイミングを解説します。
他家のリーチがかかったとき
ベタオリするタイミングとして、もっともポピュラーと言えるのが、他家からリーチがかかったときです。
リーチをかけているということは、確実にテンパイしている状態です。
計算違いが起こり得ないため、押し引きの判断タイミングとしてはかんたんですね。
放銃率を下げたいと思ったら、まずはリーチ後のベタオリからできるようになりましょう。
ダマテンの気配を感じたとき
難易度が上がりますが、ダマテンの気配を感じた場合も、ベタオリの開始タイミングです。
ただ、リーチとは違って、感覚での判断が必要です。
当然、読み違いも発生するでしょう。
毎局ベタオリとなると、アガリのチャンスを逃すことになります。
ダマテンに対するベタオリは点数予想もセットで考え、放銃のリスクが高いときのみに絞ったほうが無難です。
配牌時に負けを悟ったとき
配牌時点で負けを悟ったときに、ベタオリを選択することもあります。
配牌オリと呼び分けられますが、アガリを諦めた打ち筋なので、ベタオリには変わりありません。
むやみなベタオリは勝率を下げてしまうので、上級者向けのテクニックですね。
1位を走っていて、放銃すると順位が下がってしまう場合や、3位・4位のプレイヤーが2位と戦ってくれそうなときには、効果的な手段です。
なお、この場合は捨て牌の手順が異なります。
他のプレイヤーの手が進んでいない序盤に、どんどん危険牌を捨てていきます。
そして、テンパイ者が増える中盤辺りから、手元に残しておいた安全牌を捨てる、という手順です。
ベタオリとはアガリを放棄して放銃を回避すること
ベタオリとは、アガリを放棄して、徹底的に放銃を回避するオリ方です。
守備に全振りした打牌と言って良いでしょう。
一度ベタオリすると決めたら、シャンテン数や役は無視します。
面子を崩したのに、「もしかしたらアガれるかも」と再びアガリを目指すようなどっちつかずの対応は、一番良くありません。
リスクとリターンを計算して、攻めるときは攻める、守るときは守る、とメリハリをつけましょう。