この記事を読んでいるあなたは
- 麻雀のチョンボとはなにか知りたい
- チョンボの種類が知りたい
- チョンボをしてしまったときの支払い点数が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀の「チョンボ」についてお伝えしていきます。
他人のチョンボに気づいた場合の対処法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
チョンボとは
チョンボとは、麻雀における違反行為を指す言葉です。
一般的には、罰符が科されるほどの重大な違反行為のみを指してチョンボと言います。
チョンボが発生した場合には、違反者が他3人に指定額の点棒を支払い、チョンボがあった局を最初からやり直します。
やり直しの際、リーチ棒などの供託は元の持ち主に返し、本場も親も変わりません。
完全なる「ノーカウント」で、変化があるのはチョンボ分の点数の移動だけです。
他のプレイヤーのアガリを邪魔するとともに、時間も無駄にしてしまう行為ですから、やらないように注意しましょう。
また、不正行為を指す「イカサマ」と、違反行為を指す「チョンボ」は、意味は似ていますが、全くの別物です。
チョンボの種類
つづいて、チョンボの種類について細かく解説していきます。
ミスアガリ
ミスアガリはチョンボの対象です。
具体的には、下記のようなケースですね。
- テンパイしていないにも関わらず、ツモやロンなどのアガリ宣言をしてしまった場合
- テンパイはしていたものの、アガリ牌ではない牌に、ツモやロンなどのアガリ宣言をしてしまった場合
牌の見間違いや思い込みで起こります。
役無しアガリ
役がない状態でアガってしまうと、チョンボの対象です。
4面子1雀頭の形にはなっているものの、役がついていない状態とも言えますね。
役の種類や条件を理解しきれていない、初心者に多いミスです。
具体的には、下記のようなケースが挙げられます。
- 門前しか認めていない役を、鳴いて揃えてしまった場合
- 役牌に該当しない風牌を、役として数えてしまった場合
フリテンロン
フリテン状態でロンしてしまった場合は、チョンボの対象です。
フリテンとは、待ち牌を1種類でも捨ててしまっていたら、別の牌でもロンアガリできない、というルールのことです。
待ち牌を変更して、フリテンを解消していればOKですが、解消前のロン宣言はチョンボになります。
ロンと発声した時点でチョンボのケースと、手牌を倒してさえいなければアガリ放棄で済ますケースがあります。
ノーテンリーチ
テンパイしていない状態でリーチをかける「ノーテンリーチ」もチョンボの対象です。
ただ、ノーテンリーチについては扱いが他と違っていて、誰かがアガればチョンボを免れるというルールが一般的です。
流局すると、テンパイかノーテンかを確かめるために、全員が手牌をオープンにしますよね。
しかし、誰かがアガった場合、他3人は手牌を見せないのが通常です。
そのため、ノーテンリーチに至っては「発覚しなければチョンボにならない」という特別ルールになっています。
ただし、アガリ不可能な手牌でも他家に牽制をかけられる行為のため、競技麻雀ではノーテンリーチをかけた時点でチョンボとするケースもあります。
リーチ後に待ちが変わる暗槓
リーチ後の暗槓は、待ち牌や形が変わらないケースでのみ、認められています。
よって、下記3つはチョンボの対象です。
- 待ち牌が変わる暗槓
- 待ちの形が変わる暗槓
- アガリの形が変わる暗槓
それぞれ具体例を挙げて解説します。
ただし、これらはすべて、アガってから手牌を公開しないとわからないチョンボです。
ノーテンリーチと同じく、他家がアガった場合には、チョンボの支払いは必要ありません。
リーチ後に待ち牌が変わる暗槓
- 索子の「6・7・8」/筒子の「2・3・4」/「南・南・南」/萬子の「6・7・7・7」でリーチ
上記の手牌では、萬子の5・6・8待ちでテンパイしています。
萬子の7を引いた場合、暗槓してしまうと、待ちが6のみになりますね。
待ち牌が変わっているので、チョンボです。
上記の手牌でも、南を引いたケースではチョンボになりません。
萬子の5・6・8待ちのまま、変化がないからです。
リーチ後に待ちの形が変わる暗槓
- 索子の「6・7・8」/筒子の「2・3・4」/萬子の「1・1・1」/萬子の「2・4・4・4」でリーチ
上記の手牌では、萬子の2・3待ちでテンパイしています。
待ちの形では、「1・2・3」の辺張待ち、「2・3・4」の間張待ち、「2・2」の単騎待ちが複合していますね。
萬子の1を引いた場合に暗槓してしまうと、「1・2・3」の辺張待ちが消えてしまうので、チョンボです。
同じく、萬子の4も暗槓できません。間張待ちが消えてしまうからです。
待ち牌に変化がない分わかりにくいですが、このようにアガリの形が変化または消失してしまう暗槓はNGです。
リーチ後にアガリの形が変わる暗槓
- 萬子の「4・5・6」/索子の「5・5・5」/索子の「6・7・8」/索子の「8・8」/筒子の「5・6」でリーチ
上記の手牌では、筒子の4・7待ちでテンパイしています。
3面子1雀頭は確定し、最後の面子を両面待ちで構えている状態ですね。
索子の5を引いたときに暗槓してしまうと、チョンボです。
なぜなら、上記のケースでは、索子が連番になっており、「5・5」を雀頭にした順子・刻子型にもとれますよね。
暗槓してしまうと、そのアガリ形が消えてしまうため、NGです。
リーチ後にツモ牌以外を使用した暗槓
リーチ後に手牌の中にある槓子を出すことは禁止されています。
たとえば、下記のようなケースです。
- 索子の「5・5・5」/索子の「5・6・7」/「南・南」/筒子の「5・6・7」/萬子の「5・6」でリーチ
索子の8を引いてきた場合、もともと持っている「6・7」と組み合わせて順子にし、索子の5をカンしたいところですよね。
しかし、リーチ後のカンはツモ牌を使用してしかできません。
手牌の中から槓子を出した時点で他家にバレますので、どのような場合でもチョンボは免れません。
アガリ後手牌を公開せずに崩す行為
アガリ後、手牌を公開せずに崩す行為もチョンボです。
和了者は、点数申告とともに手牌の公開をする義務があります。
他3人の確認が終わる前に手牌を崩してしまえば、役の確認はおろか、テンパイしていたかどうかすら確かめられなくなってしまいます。
同じように、流局の際に手牌を崩すことも、チョンボの扱いになりますので注意しましょう。
こちらは、ノーテンとテンパイの確認が取れなくなり、後述するノーテン罰符の対象者が判別できなくなるからです。
特にリーチをかけていた場合、きちんと手牌を公開して、ノーテンリーチでないことを証明する必要があります。
その他ゲームの続行を不可能にする行為
ゲームの続行を不可能にする行為は、すべてチョンボになると覚えておきましょう。
たとえば、以下のような行為は、故意であれ事故であれチョンボになります。
- 牌山を崩す
- 他家の手牌を崩す
- 自動卓のボタンを押して牌が落ちた
- 河にある牌を混ぜた
チョンボ以外の罰則
麻雀では、チョンボの罰符以外にも複数の罰則が存在します。
アガリ放棄、供託、ノーテン罰符の3つです。
罪の重さとしては、チョンボ>供託>アガリ放棄の順です。
ノーテン罰符だけは条件が特殊なので、単純に比較することはできません。
各3つの罰則内容と、当てはまるケースについて解説していきますので、参考にしてください。
アガリ放棄
アガリ放棄は、違反者の手牌のみに不具合が生じ、他3人のプレイヤーについては試合の続行が可能なケースに適用される罰則です。
違反者は、その局においてアガることが許されず、鳴きも不可能とされます。
雀荘によっては、ツモ切りのみしか許されない場合もありますが、このあたりは取り決め次第ですね。
アガリ放棄が適用される違反行為は、以下のとおりです。
- 多牌
- 少牌
- 誤鳴き
- 食い替え
中でも多牌は厳しく取り締まられることが多く、雀荘によってはチョンボ扱いになるケースがあります。
多牌は他の行為に比べて得が大きく、バレなければ試合を有利に進められるためです。
多牌がバレたときの様子にもよりますが、勘違いというよりは、故意に見られるケースが多いということを覚えておきましょう。
供託
供託自体は罰則を示す言葉ではなく、「場に1,000点棒を預けること」を意味します。
リーチ棒を場に出す行為も、供託のひとつです。
罰則として供託が適用されるのは、チョンボやアガリ放棄にするほどではないけれど、何かしらの違反を起こしているケース。罰則の中では、最も軽微なものです。
具体的にこの行為が供託扱い、と決まっているわけではなく、その場の状況に応じて判決が下されます。
たとえば、牌山を崩してしまうと一般的にはチョンボですが、崩れたのが一部のみで、試合の続行自体は可能なケース。ほかにも、誤鳴きをしたものの、牌を晒す前に間違いに気づいたケースなどです。
その場にいるプレイヤーや従業員の判断で、「そこまで重大なミスではない」と判断されれば、供託で済むと考えておきましょう。
違反者は局の途中で1,000点減ってしまいますが、その局でアガることができれば、供託点を取り戻すことができます。
ノーテン罰符
ノーテン罰符とは、流局時にテンパイしていなかったプレイヤーが、テンパイしているプレイヤーに支払う罰則です。
これまでと異なり、反則行為に伴う支払いではありません。
移動する点数はいずれも3,000点で固定ですが、テンパイ者の人数によって、1人あたりの支払い点数と受け取り点数が異なります。
全員がノーテンの場合には支払い義務は生じません。
1人ノーテン |
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2人ノーテン |
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3人ノーテン |
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チョンボに関するQ&A
最後に、チョンボに関する「よくある質問」に答えていきます。
いくら払う?
チョンボの罰符は、一般的に満貫分(子8,000点、親12,000点)と決められています。
支払いの内訳は以下のとおりです。
親がチョンボした場合 | 他の3人に4,000点ずつ |
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子がチョンボした場合 | 親に4,000点、子に2,000点ずつ |
ただし、競技麻雀では、より高い罰金にしたり子のチョンボでも12,000点取られたりするケースもあるため、注意が必要です。
どのタイミングで払う?
チョンボか供託かで、支払いタイミングが異なります。
チョンボの場合は、発覚時点でその局が終了なので、支払いタイミングは局終了後です。
供託は、発覚した時点で点棒を場に出し、勝負を続行します。
指摘されなかった場合は?
チョンボの種類によっては、違反をしていてもすぐにはバレないケースがあります。
しかし、発覚が遅れるほど故意による違反として罰則が重くなりますし、発覚までの時間を伸ばしただけ他者の時間を奪ってしまいます。
チョンボと判断されれば、局のやり直しは免れませんので、気づいた時点で自己申告をしましょう。
ただし、ノーテンリーチやリーチ後の暗槓については、局の終了後にチョンボが確定するため、申告しなくて構いません。
他人のチョンボに気づいた場合は?
他人のチョンボに気づいた場合は、声を荒げることなく、冷静にチョンボであることを伝えましょう。
相手のプライドを傷つけるような言い回しは避け、チョンボをしていない2人にお伺いを立てるようにすると、トラブルになりにくいです。
また、フリー雀荘の場合、直接の指摘はトラブルに発展することもあります。
できればメンバーに伝えて、「個人の判断ではなく、店側の判断」としてもらうと良いです。
チョンボは罰則が発生する禁止行為
チョンボとは、麻雀における違反行為を指す言葉です。
一般的には、勝負の続行が難しくなるような重大なミスを指してチョンボと言います。
罰則の金額は、子8,000点、親12,000点です。
人間である以上、勘違いでチョンボ相当のミスをしてしまうことは、誰にでもあります。
自分がチョンボをしてしまった場合には素直に謝り、他人のチョンボには冷静に対応しましょう。
声を荒げてその場の空気を悪くする行為は、ご法度です。