この記事を読んでいるあなたは
- 麻雀のカンチャンとは何か知りたい
- カンチャンを活かした戦術が知りたい
- 他家のカンチャン待ちを見極める方法が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀用語「カンチャン」についてお伝えしていきます。
カンチャンとは
カンチャンとは、麻雀における待ちの種類です。
「カンチャン待ち」というと、テンパイ形に対して使われることが多いですが、「カンチャン」は塔子の状態を表しています。
はじめに、カンチャンがどのような待ちなのか解説していきます。
順子の真ん中を待っている状態のこと
カンチャンとは、「2・4」や「3・5」のように、順子の真ん中の牌を待っている状態です。
全部で7パターンあり、いずれの牌もリャンメンに変化する可能性を秘めています。
特に、「3・5」「4・6」「5・7」の3パターンは、隣り合う牌の内どちらを引いてきてもリャンメンになる、使い勝手の良い待ちです。
カンチャンには内と外がある
カンチャンには、内カンチャンと外カンチャンという区分けがあります。
外カンチャン | 「1・3」「7・9」 |
---|---|
内カンチャン | 「3・5」「4・6」「5・7」 |
外カンチャンは、チーやロンがしやすいというメリットがあります。
理由は、必要牌になりにくい2や8で待つためです。
内カンチャンは、手作りにスピード感が出るというメリットがあります。
理由は、両側の牌どちらを引いても、リャンメンへの変化が望めるからです。
どちらのほうが有利に働くかは状況によって変わりますが、同じカンチャンにも違いがある、ということを覚えておきましょう。
カンチャンはリャンメンの次に有利な待ち
麻雀の待ちには、タンキ・シャンポン・カンチャン・ペンチャン・リャンメンの5パターンが存在します。
この内、順子を構成する待ちは3種類です。
タンキ | 雀頭が足りない状態で、テンパイ時に発生する待ち |
---|---|
シャンポン | 対子が2組あり、どちらかの牌が来れば刻子と雀頭に育つ待ち |
カンチャン | 順子の真ん中の牌が抜けた状態の待ち |
ペンチャン | 1・2もしくは8・9での待ち |
リャンメン | 2~8のうち、隣り合う数字が2枚組になっている待ち |
最も有利な待ちと言われるのが、リャンメンです。
「2・3」のように数字が隣り合った塔子で、受け入れ牌が2種類計8枚あります。
そして、次に有利なのがカンチャンです。
受け入れ牌の枚数は、1種類4枚。ペンチャンと変わらないので、一見同等に見えますが、ペンチャンはリャンメンへの変化が望めません。
受け入れ牌の枚数が増える可能性を秘めている点で、カンチャンはペンチャンに勝ります。
カンチャンを使ったテクニック
カンチャンは、リャンメンにも匹敵する力を持っている待ちです。
使えるテクニックを2つ紹介しますので、カンチャンを落とすかどうかを迷ってしまう人は、ぜひ参考にしてください。
リャンカン待ち
カンチャンには「リャンカン」と呼ばれる陣形があります。
2つのカンチャンがつながった状態で、パターンは全部で5つです。
- 1・3・5
- 2・4・6
- 3・5・7
- 4・6・8
- 5・7・9
3枚の場所を取ってしまうという欠点はありますが、受け入れ牌が2種類ある状態なので、実質リャンメンと同じように扱えます。
特に、「3・5・7」のリャンカンは、
- 4・6を引けば面子ができる
- 2・8を引けばリャンメンに変化する
というように活用できる牌の種類が多いので、手元に残しておきましょう。
スジひっかけ
リャンメンの次にカンチャンが有利というのは、あくまで手変わりを見込んだ上での話です。
カンチャン待ちテンパイのアガれる確率は、ペンチャン待ちと大差ありません。
当然、多くのプレイヤーが目指すのはリャンメン待ちテンパイです。
しかし、それを逆手に取って他家の放銃を誘うテクニックがあります。
それが「スジひっかけ」です。
スジというのは、リャンメン待ちでテンパイしているプレイヤーの捨て牌から、安全牌を見極めるテクニックです。
例を上げると、「5を捨てているプレイヤーに対して2や8を捨てるのは安全」。この考え方が、スジを使った安全牌読みです。
5を捨てているプレイヤーが、「3・4」もしくは「6・7」のリャンメン待ちでテンパイしている場合、ロンアガリはフリテンになります。
そのため、他家は守備に回るほど、2や8を捨ててくれるのです。
「1・3・5」のリャンカンを持っていた場合は、5を打牌してテンパイしてみましょう。
スジを読めるプレイヤーほど、アガリ牌である2を切ってくれるでしょう。
他家のカンチャン待ちを読む方法
つづいては、他家のカンチャン待ちテンパイを見極める方法についてお伝えしていきます。
カンチャン待ちを読み切ることは不可能
大前提として、ピンポイントでカンチャン待ちを当てるのは不可能です。
あくまでも「カンチャン待ちの可能性がある」程度の精度だと考えておきましょう。
さらに言えば、他家からリーチが飛んできた後に考えても遅いです。
河や鳴きから判断することは出来ますが、精度が下がってしまいます。
対局中に、鳴きを入れるか悩んだタイミングや、ツモ切りか手牌切りかを悩んだタイミングなど、微細な動きを読み取って総合的に判断することが大切です。
カンチャン待ちを否定できる盤面はある
カンチャン待ちを完全に読み切ることは不可能と言いましたが、捨て牌の順番からカンチャン待ちを否定できる盤面はあります。
たとえば、上記のような河の様子で、五萬・六萬が手牌から切られている場合、カンチャン待ちは否定できるでしょう。
これは、リャンメンとカンチャンが手牌にある場合に、優先的にリャンメンを落とすことはないだろう、という考えです。
カンチャン落としを見逃さないことも大切
つづいて、他家のカンチャン落としを読んで、放銃を避けるテクニックを紹介します。
数巡あけてカンチャン塔子が手牌切りされた状況では、スジが危険になるケースが多いです。
例を挙げて解説します。
四萬が捨てられた後、しばらく六萬を残していますね。
この場合、以下のような経緯があった可能性が考えられます。
ケース1.カンチャン落としからのリャンメン待ち
- 「4・6・6・7」と持っている状態から4を打牌
- 「6・6・7」で、5・6・8待ち
- 3面子1雀頭が揃ったので、6を打牌してリーチ
- 「6・7」のリャンメン待ちテンパイ
つまり、5・8を捨ててしまうと放銃です。
5・8は、6のまたぎスジです。
数巡遅れて捨てられるカンチャン塔子のまたぎスジは、危険牌になるケースがあります。
ケース2.リャンカン落としからのカンチャン待ち
- 「2・4・4・6」と持っている状態から4を打牌
- 「2・4・6」で、リャンカン待ち
- 3面子1雀頭が揃ったので、6を打牌してリーチ
- 「2・4」のカンチャン待ちテンパイ
つまり、3を捨ててしまうと放銃です。
3は、6の表スジです。
リャンメン待ちを想定して、3は安全牌と判断してしまうと危険です。
数巡遅れて捨てられるカンチャン塔子の表スジは、危険牌になるケースがあります。
カンチャンに対するよくある質問
最後に、カンチャンに関するよくある質問をまとめました。
リャンメンには振り込まないのにカンチャンに放銃してしまうのはなんで?
考えられるのは、スジ読みだけで危険牌を避けている可能性です。
リャンメンとカンチャンで放銃率にあきらかな差がある場合、スジ読みは問題なくできているはずです。
しかし、その分スジひっかけに弱く、6切りのカンチャン待ちテンパイなどに放銃してしまっているのではないでしょうか。
対策としては、スジ読み以外の危険牌避けテクニックを学ぶことです。
覚えやすくて実用性が高いテクニックとして、「リーチ宣言牌の表スジは捨てない」というものがあります。
- 4でのリーチなら、1・7は捨てない
- 5でのリーチなら、2・8は捨てない
- 6でのリーチなら、3・9は捨てない
といった具合ですね。
通常は安全牌として考える表スジですが、リーチ宣言牌になっているときには少し注意してみましょう。
カンチャン待ちはリーチをしたほうが得?
6巡目までに3・7以外の待ち牌でテンパイできたなら、即リーチで良いです。
なぜ待ち牌が3・7ではいけないかというと、この2つは尖張牌といって、順子の要になる牌だからです。
欲しがるプレイヤーが多くいるため、他家の手牌に組み込まれてしまって最後まで河に出てこない、なんてことも考えられます。
「2・4」や「6・8」のカンチャン待ちは、5をツモれれば1巡でリャンメン待ちに変化します。
尖張牌での待ちを確定してしまうくらいなら、ダマテンにしておいて手変わりを期待しましょう。
カンチャンは順子の真ん中が足りない待ちの形のこと
カンチャンとは、順子の真ん中が足りない待ちのことです。
数字が離れているので一見不利な待ちに見えるかもしれませんが、実はリャンメンの次に優秀な塔子です。
ペンチャンとカンチャンで落とすほうを悩んだら、カンチャン残しでいきましょう。
リャンメンに変化させることができれば、一気に受け入れ牌の枚数が大きくなります。