この記事を読んでいるあなたは
- 人和とは何かを知りたい
- 人和の成立条件が知りたい
- 競技麻雀やアプリゲームでの人和の採用率が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀役のひとつである「人和(レンホウ)」についてお伝えしていきます。
人和(レンホウ)とは
人和は、麻雀のローカル役のひとつです。
正式役として知られている天和・地和と合わせて「天地人」と呼ばれます。
はじめに、人和の成立条件や点数、出現率について解説していきます。
自身の第一ツモの前にロンアガリすると成立
人和とは、自身の第一ツモの前にロンアガリすると成立する役です。
ローカル役の一種ですが、知名度が高いので、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
条件を満たすには、配牌時にテンパイしている必要があるため、成立は完全な運任せです。
いわゆる「偶然役」に分類されます。
待ちの形や、面子・雀頭に制限はなく、4面子1雀頭のほか、七対子や国士無双の形でもアガれます。
ただし、途中で鳴きが入ってしまうと不成立になるので、注意しましょう。
また、親には条件を満たせないので、子限定の役でもあります。
人和と非常によく似た麻雀役には、地和と天和があります。
それぞれの成立条件を解説していきますので、人和との違いを確認しておきましょう。
地和との違い
地和は、子が自身の第一ツモでアガった場合に成立する役満です。
ロンアガリなら人和、ツモアガリなら地和、と覚えると良いでしょう。
人和がローカル役なのに対し、地和は正式役という違いがあります。
天和との違い
天和は、親が配牌時点でアガっていた場合に成立する役満です。
地和の親バージョンとも言えます。
地和と同じく、こちらも正式役のひとつです。
点数
人和の点数は、地和や天和と同じく役満とするのが一般的です。
子限定の役なので、32,000点ですね。
ただ、ロンアガリなので、32,000点の直撃です。
理不尽、ゲーム性が崩壊する、という理由から、人和を役満としないケースも見受けられます。
その場合の点数は、満貫・跳満・倍満のいずれか。
さらに、他の役との複合を認めるかどうかも、その場の取り決めによって変わります。
三倍満を採用するケースは稀なようです。
出現率
人和はローカル役なので、出現率は算出されていません。
地和と天和の出現率は以下のようになっているので、人和もこの辺りの出現率に落ち着くと考えて良いでしょう。
- 地和:0.002%
- 天和:0.0003%
ただ、「自身の第一ツモの前」というのは、席順によって回数が異なります。
南家には東家の打牌でしかアガれるチャンスがありませんが、北家なら東・南・西と3回チャンスがありますよね。
単純に考えれば、人和の出現率は席順によって3倍の開きがあります。
人和の歴史
人和は、今でこそローカル役のひとつに収まっていますが、もともとは正式な役で、成立条件も異なっていました。
ここでは、人和という役の移り変わりについて、解説していきます。
中国の古典麻雀では人和=河底撈魚
もともと人和は、中国の古典麻雀で使われていた役でした。
そのときの成立条件は、最後の牌でロンアガリすること。つまり、現在で言う河底撈魚が人和という名で使われていたことになります。
大正末期~昭和初期にかけて河のルールが整備された際に河底撈魚が生まれ、人和は最後の牌でロンアガリする役ではなくなってしまいました。
昭和の日本では人和=1巡目のアガリ
昭和の日本では、まだ地和のルールが曖昧でした。
一巡目のツモアガリを人和と呼ぶケース、一巡目のロンアガリを地和と呼ぶケース、親が一巡目のツモでアガることを地和と呼ぶケースなど、定義の揺れが大きかったとされています。
そして、時代の流れとともにルールが明確化され、現在の人和・地和・天和の定義に落ちつきました。
なぜ、地和と天和だけが公式の役になり、人和だけがローカル役として残されてしまったのかはわかっていません。
人和の採用率
ローカル役の中では有名な部類に入る人和ですが、その採用率はどのくらいなのでしょうか。
競技麻雀とアプリゲーム、それぞれの採用率について解説していきます。
競技麻雀での人和
競技麻雀での人和の採用率は、以下のとおりです。
最高位戦日本プロ麻雀協会 | 不採用 |
---|---|
日本プロ麻雀協会 | 不採用 |
日本プロ麻雀連盟 | 満貫で採用(役の複合なし) |
麻将連合 | 不採用 |
RMU | 不採用 |
Mリーグ | 不採用 |
全国麻雀段位審査会 | 4翻役として採用(役の複合なし) |
アプリゲームでの人和
アプリゲームでの人和の採用率は、以下のとおりです。
ジャンナビ | 役満として採用 |
---|---|
天鳳 | 不採用 |
MJ | 倍満として採用(役の複合なし) |
じゃんたま | 役満として採用 |
Maru-Jan | 役満として採用 |
雀龍門 | 役満として採用 |
麻雀格闘倶楽部 | 役満として採用 |
競技麻雀とは違い、アプリゲームでの採用率は高いですね。
採用時、ほとんどが役満になっている点にも注目です。
人和と複合する役・しない役
人和と複合する役は、ルールによって異なります。
人和成立時には、役の複合を認めないというケースもあるため、注意しましょう。
ここでは、他の役との複合を認めるルールで解説していきます。
人和の点数が満貫~倍満の場合
役満を除く、ほとんどの役と複合する可能性があります。
ただし、嶺上開花や立直など、自身の順番が訪れる必要がある役とは複合しません。
人和の点数が役満の場合
理論上は、四槓子・天和・地和以外の役満と複合します。
ただ、配牌時で役満をテンパっており、さらに自身の順番が来るまでに他家がアタリ牌を捨ててくれる確率、と考えると、実現は現実的ではありません。
人和を狙う上での注意点
人和を狙う場合には、いくつかの注意点があります。
対局開始前におこなうべき行動もあるので、きちんと確認しておきましょう。
人和が採用されているかどうかは事前に確認が必要
人和は、ローカル役です。
その場のルールによって、採用状況が変わります。
役なし4面子1雀頭でのアガリ宣言はチョンボになりますので、人和が役として認められているかどうかは事前に確認しましょう。
アプリゲームの場合は、アガリ宣言ボタンが出るかどうかで判断できますが、対面麻雀ではそうもいきませんからね。
人和の点数も事前に確認が必要
人和が採用されている場合、点数について確認しておきましょう。
一般的には役満ですが、満貫や跳満に設定されるケースもあります。
- 人和の点数(役満/倍満/跳満/満貫)
- 他の役との複合を認めるかどうか
- 複合を認める場合の人和単体の飜数
必ず、上記3点をあわせて確認しておきます。
特に確認が必要なのは、人和が役満以外かつ役の複合を認めるケースです。
満貫は3~5翻、跳満は6・7翻、倍満は8~10翻。人和単体の飜数を決めておかないと、他の役との複合で合計何翻になるのかがわかりません。
一巡目のロンアガリの定義にバラつきがある
実は、人和の「一巡目のロンアガリ」の定義にも、バラつきがあります。
一般的な条件は、第一巡目、自分がツモする前までに他家の捨てた牌でロンアガリすることです。
しかし、その条件だと、南家にはチャンスが1回しかなく、北家には3回のチャンスがあります。
この不公平さを減らすために、
- 親の第一打でロンアガリできた場合のみ人和成立
- 自身のツモ後であっても、他家の第一打でロンアガリすれば人和成立
という2パターンの定義が存在します。
後々トラブルを起こさないためには、人和の成立条件の詳細も確認しておいたほうが良さそうです。
初心者は見逃しやすい
最後の注意点は、人和の見逃しです。
人和は、第一巡目のロンアガリが条件の役です。
配牌後、自身の理牌が終わらないうちに対局が開始してしまい、人和に気づいたときには自分のツモ順が来ていた、というケースも考えられます。
特に、初心者は注意が必要ですので、素早く理牌を済ませることとテンパイ形ができているかどうかの確認を意識しておこないましょう。
人和に対するよくある質問
最後に、人和に対するよくある質問に答えていきます。
人和のみでアガれる?
人和を採用している場合、人和以外に役がなくてもアガれます。
ただ、人和を採用していない場で、役なしのアガリ宣言はNGです。
チョンボの対象になり、逆に点数がマイナスになってしまいます。
槍槓での人和アガリは成立する?
ルールによって、成立する場合としない場合があります。
槍槓は、他家が加槓した牌でロンアガリする役です。
鳴きが入ると人和が成立しないため、通常は成立しません。
しかし、国士無双に至っては、暗槓への槍槓アガリが認められるケースがあります。
その場合、一巡目の槍槓アガリが可能なので、人和と複合する可能性があります。
ただ、暗槓も鳴きと捉えるか、暗槓は他家の捨て牌を使っていないから鳴きではないと捉えるか、といった問題も出てきます。
暗槓が鳴きというルールのもとでは、人和と槍槓は複合しません。
抜きドラでの人和アガリは成立する?
ルールによって、成立する場合としない場合があります。
抜きドラとは、三麻において使用されるローカルルールです。
北牌や華牌を抜きドラとするのが一般的ですが、華牌はロン牌にならないので、考えるべきは北の抜きドラがアガリ牌のケースですね。
抜きドラを鳴きと見なす場合は、人和は成立しません。
人和は第一ツモの前にロンアガリすると成立するローカル役
人和は、第一ツモの前にロンアガリすると成立するローカル役満です。
正式役の地和・天和に条件が似ていますが、なぜか人和はローカル役に位置しています。
知名度は高いので、アプリゲームではアガリ役として採用されているケースも多いです。
狙って出せる役ではありませんが、人和でアガってみたいという人は、ぜひ遊んでみてください。