この記事を読んでいるあなたは
- 競技麻雀とはなにか知りたい
- 競技麻雀特有のルールが知りたい
- 競技麻雀で有効な戦術が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、競技麻雀の特徴やルール、効果的な戦術についてお伝えしていきます。
競技麻雀とは
競技麻雀とは、ギャンブルとしてではなく、知的競技として点数や順位を競う麻雀のことです。
競技麻雀がおこなえる場所としては、ノーレート雀荘や麻雀団体が開催するリーグ戦等が挙げられます。
一般的なフリー麻雀は賭け金が発生するため、競技麻雀ではありません。
また、純粋に勝利だけを目指す麻雀が競技麻雀で、人それぞれ違う楽しみ方ができるのがフリー麻雀という考え方もあるようです。
ちなみに、競技麻雀と同じく金銭を賭けない麻雀に、ノーレート麻雀と健康麻雀がありますが、それぞれの定義は若干異なります。
ノーレート麻雀は、「金銭を賭けない」ということだけを意味するので、ルールに明確な決まりはありません。
健康麻雀は、「金銭を賭けない・お酒を飲まない・タバコを吸わない」という意味で、こちらもルールに決まりはありません。
競技麻雀の特徴
では、競技麻雀の特徴について、詳しく解説していきます。
金銭を賭けない
最も重要なのが、競技麻雀は金銭を賭けないということです。
競技麻雀が生まれた背景に、「麻雀をクリーンなイメージにする」「オリンピックの種目として認められる競技にする」といった目的があるため、博打要素はご法度となっています。
他の特徴は、プロ団体ごとや大会ごとに若干差がありますが、金銭についてだけはどこも一貫して禁止しています。
他の要素がすべて競技麻雀のルール・仕様だったとしても、金銭を賭けた時点でフリー麻雀となるため、覚えておきましょう。
ただし、上位入賞者に贈られる賞金は賭け金扱いにはならず、実際にいくつかの競技麻雀大会では賞金付きがデフォルトになっています。
運要素を極力減らしたルールでおこなう
団体によって違いはあるものの、一般的に競技麻雀は運要素を減らしたルールでおこなわれます。
というのも、一般的なフリー麻雀は「プロと素人が対局した場合にプロが勝つとは限らない」と言われるほど、運の要素が強いルールになっているのです。
麻雀は70%が運で構成されているという説もあるほどです。
麻雀が運によって決まるゲームと言われているのには、以下のような理由があります
- 一発、天和、地和、海底撈月、河底撈魚など偶然成立する役がある
- 配牌とツモの運で大幅に点数が変わるドラ牌の存在がある
- 裏ドラ、槓裏ドラなど対局終了後にしか判明しない加点要素がある
- 他家の手牌や王牌などが最後まで見えない不完全情報ゲーム
しかし、競技麻雀の目的は、知的ゲームとして互いの技を競い合うことです。
あまりに運要素が強いと、根底が崩れてしまいます。
そこで、一部の競技麻雀大会では、偶然役なし・赤ドラなし・裏ドラ槓ドラ槓裏ドラなしというルールを採用しています。
これは、単純に手役が持つ力を大きくし、「立直+一発+裏ドラ」といった偶然高得点になるケースを排除しようと考えられた結果です。
打牌に時間制限がない
競技麻雀では、基本的に打牌の制限時間は設けていません。
「常識の範囲内で」という一応の基準があるのみで、オンライン麻雀での自動ツモ切りや、フリー雀荘での無言の圧力といった要素がないのが特徴です。
知的ゲーム全般に言えることですが、考える時間が長いほど正確に盤面整理ができ、ベストを尽くした選択ができます。
反対に、時間制限のある麻雀だと、焦りからプレイングミスが起こりやすいです。
それでは実力が測れないため、競技麻雀は打牌時間に制限を設けていないのです。
プロ団体ごとの競技麻雀ルール
「金銭を賭けない」というルールだけは一貫しているものの、偶然役やドラについては、プロ団体によって独自の取り決めがあります。
ここでは、主要5団体の競技麻雀ルールを紹介していきます。
最高位戦日本プロ麻雀協会
偶然役 |
|
---|---|
ドラ |
※両方とも赤ドラはなし |
最高位戦日本プロ麻雀協会は、大会によって2つのルールを使い分けている団体です。
正反対の2つのルールが存在しているのには、団体の歴史が関係しています。
実は、創設初期にはじまったタイトル戦が「最高位戦」で、この大会こそが一発・裏ドラ・槓ドラなしをルールとするものでした。
しかし、1997年、一般に広く受け入れられるためにはルール改定が必要と考えられ、現行ルールに変更。代わりに誕生したのが、旧最高位戦ルールでおこなうタイトル戦「最高位戦Classic」なのです。
共通する特徴的なルールとしては、途中流局制度なし・責任払いなし・役満の複合なしといったものが挙げられます。
日本プロ麻雀協会
偶然役 | 一発あり |
---|---|
ドラ | ドラ・裏ドラ・槓ドラあり |
日本プロ麻雀協会は、偶然役もドラも採用している団体です。
特徴としては、満貫の基準が厳しいことが挙げられます。
通常競技麻雀では5翻から満貫とするケースが多いのですが、日本プロ麻雀協会では「30符以上の6翻と20符以上の7翻が満貫、8・9翻が跳満、10~12翻が倍満、13翻以上が三倍満」という条件を提示しています。
赤ドラ以外のすべてのドラと一発が採用されており、点数のインフレが起こりやすいため、満貫のボーダーラインを上げていると考えられますね。
「役満同士の複合があり、数え役満はない」というルールを見ても、高い手役が恩恵を受ける作りになっているのは問題ありません。
日本プロ麻雀連盟
偶然役 | 一発なし |
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ドラ | 裏ドラ・槓ドラ・赤ドラなし |
日本プロ麻雀連盟では、競技麻雀らしい一発なし・ドラ表示牌は一局1枚というルールを採用しています。
また、九種九牌・四風子連打・四人立直・四槓流れを採用。九種九牌での途中流局が認められているのは、配牌が悪いときの保険となるので、非常に良いですね。
また、三元牌と大四喜だけではなく、四槓子にも責任払いが発生します。鳴き牌はもちろん、生牌も気をつける必要があるので、より広い視野が重要となります。
麻将連合
偶然役 | 一発なし |
---|---|
ドラ | 裏ドラ・槓ドラ・赤ドラなし |
麻将連合は、全体を通して点数のインフレが起きにくいルールになっているのが特徴の団体です。
役満同士の複合がなく、いくつ複合しても役満1つ分の点数で計算する上に、切り上げ満貫なし。加えて、一発・裏ドラ・槓ドラ・赤ドラなしです。
明確な天井があるので、一局だけ運が良かったとしても意味がありません。
- 最低点は1,000点で、聴牌時以上の加点がされることはなし
- 1局で稼げる最大点数は、親48,000点・子32,000点
という制限の中で戦うので、いかに高額な振り込みを避けられるか、好配牌時に点数を稼げるか、という実力が如実に出るゲームになっています。
RMU
偶然役 |
|
---|---|
ドラ |
|
RMUは、特性の異なる3つのルールを用意しているのが特徴です。
Aルールを基準とし、Bルールが運要素を排除したルール、Cルールが点数の振り幅が大きいルールとなっています。
Cルールにのみ、オカ20,000点がつくところもポイントですね。
上記以外の特徴として、途中流局がない・喰い替えができない・責任払いはないといったルールがあります。
競技麻雀の基本戦術
最後に、競技麻雀における基本戦術を紹介します。
想定ルールは、以下のとおりです。
- 一発なし
- 赤ドラなし
- 裏ドラ・槓ドラ・槓裏ドラなし
ドラの枚数によって攻め方を変える
競技麻雀ルールは、136枚中4枚しかドラが入っていないため、ドラを持っている人とそうでない人に点差が生まれやすいです。
ドラの枚数によって、攻めと守りの割合を変えてみましょう。
あくまでざっくりとした方向性ですが、下記のような具合です。
- ドラ0:守り重視
- ドラ1:やや攻め気味
- ドラ2:攻め重視
- ドラ3:強めに攻める
手の進みにもよりますが、4枚あれば、カンして他家に圧力をかけても良いですね。
競技麻雀において、表ドラは貴重な得点源。
自分が持っているときには最速でのアガリを、他家が持っている場合にはアガらせない工夫をします。
そして、ドラが何枚場に出ているかは常に把握しておいてください。
生牌のドラは他家に鳴かれる危険性が高いため、扱いに注意しましょう。
基本的にリーチはかけない
一発と裏ドラがないルールの場合、リーチのメリットが薄いです。
単体では1翻にしかならない上に、ツモ切りを余儀なくされるので守備力が下がります。
しかも、リーチ棒として1,000点を場に出さなくてはいけないので、アガれなかった場合は単純に1,000点を失ってしまいます。
特に、場にドラが見えていない状態でのリーチはやめておきましょう。
ドラを抱えた人のテンパイに振り込んでしまうと、相当の痛手となります。
防御重視の打ち方をする
競技麻雀は、いかに振り込まないかが大切。
大きな手を作りにくいため、1人だけ突き放されると挽回がしにくいです。
特に、親への放銃には気をつけましょう。
子から親への振り込みは1.5倍になるのが麻雀のルールです。
配牌やツモにもよるので一概には言えませんが、子のときは守り重視・親のときは攻め重視と、全体を通してやや防御寄りの戦法を取るのが安全です。
競技麻雀=ギャンブルではなく競技としておこなう麻雀
競技麻雀とは、賭け金なしで順位を競う、プロスポーツ麻雀のこと。
麻雀の持つ運要素を極力減らして、実力勝負になるよう工夫されたルールが特徴です。
「競技」というと、プロ雀士のみにしか許されていないような印象を受けますが、プロ団体がアマチュア参加可能な大会を開いていたり、競技麻雀ルールで遊べる雀荘があったりと、誰でも楽しめる対局形式となっています。
一発や裏ドラ、槓ドラがないため、はじめは戸惑うかもしれませんが、フリー麻雀とは違った戦略ゲームが楽しめますので、興味のある人は挑戦してみてくださいね。