麻雀の「槍槓(チャンカン)」とは?成立条件や複合する役を徹底解説

この記事を読んでいるあなたは

  • 槍槓とは何かを知りたい
  • 槍槓の成立条件が知りたい
  • どんな役と複合するのか知りたい

上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀役のひとつである「槍槓」についてお伝えしていきます。

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槍槓とは

「槓」が付いていてまるで鳴きの一種のようですが、槍槓は麻雀の役の一種です。
他のプレイヤーが加槓した牌がアガリ牌のときに、槍槓が成立します。
数ある麻雀役の中でも、捨て牌以外でアガれるのは槍槓のみです。

上記のように特殊な状況でしか発生しせず、覚える優先順位は低いので、麻雀初心者の中には知らない人もいるかもしれません。
しかし、槍槓を知らないことでフリテンになったり自身のカンが成立しなくなったりするので、覚えないわけにはいきません。

はじめに、詳しい成立条件や点数、出現率について解説していきます。

他家が加槓した牌でアガるとつく偶然役

槍槓は、他家が加槓した牌でアガることで成立します。

加槓とは、ポンして揃えた刻子と同じ牌をツモった場合にできる槓です。
通常の槓と同様「カン」と宣言し、すでに晒してある刻子にツモ牌を追加して晒します。

槍槓の成立に牌の種類や鳴きの制限はなく、4面子1雀頭の形になっていればOKです。槍槓のみでもアガれます。
槍槓が成立すると、加槓したプレイヤーが放銃した扱いとなります。

とはいえ、加槓の時点でテンパイしているかつ加槓牌がアガリ牌でなくてはならないため、難易度は非常に高いです。
説明からもわかるとおり、狙って揃えられる役ではありません。
一発や嶺上開花、河底撈魚などと同じ「偶然役」の一種です。

槍槓の点数

難易度の高い槍槓ですが、点数はなんと1翻
「偶然役はどれも1翻に設定されている」と言ってしまえばそれまでですが、それにしても低い点数です。
麻雀の勝敗に運を絡めすぎないための配慮と言えるでしょうね。

槍槓の出現率

槍槓の出現率は、0.05%です。

1翻役はもちろん、偶然役と比べても出現率が極端に低いことがわかりますね。一発ならリーチをかける、嶺上開花ならカンをする、というように自身のアクションで確率を高められますが、槍槓ではそうもいきませんから、この数値になってしまうのも納得です。

槍槓と同じ出現率を持つのは、役満の四暗刻が挙げられます。

槍槓を成立させる上での注意点

槍槓はそうそう出る役ではないので、成立条件の把握が曖昧になりがちです。
チャンスが巡ってきたときに正しく槍槓でアガれるように、注意点を理解しておきましょう。

大明槓や暗槓では成立しない

槍槓は、加槓に対しておこなえるロンアガリです。
大明槓や暗槓では成立しないため、注意しましょう。

大明槓手牌に同じ牌が3枚あるときに、他家から捨てられた牌をもらって宣言できる槓
暗槓手牌に同じ牌が4枚あるときに宣言できる槓

国士無双に限り、暗槓でも槍槓が可能というローカルルールがありますが、こちらも一般的なルールではありません。

誤って加槓以外にロン宣言をすると、チョンボになってしまいます。

単騎待ちや双碰待ちでは成立しない

これは成立条件とは異なるのですが、槍槓は性質上、単騎待ちと双碰待ちでは成立しません。アガリ牌を加槓されることがあり得ないからです。

単騎待ち雀頭のうち1枚が足りていない状態でのテンパイ
双碰待ち対子が2組ある状態でのテンパイ

どちらも相手の手牌に槓子ができないので、槍槓は成立不可能となります。

フリテンに注意する

槍槓はロンアガリという扱いですので、フリテンが適用されます。

自身が捨てた牌やその関連牌で槍槓宣言するとチョンボになってしまうので、注意しましょう。
特に、自身が捨てた牌に注意が必要です。

槍槓成立の手順としては

  1. 他家が捨てた牌がポンされる
  2. ポンした人が同じ牌をツモって来て加槓する

となります。
自身の捨てた牌でポンされているのを忘れ、槍槓宣言してしまうとフリテンです。チョンボになるので注意しましょう。
2人打ち麻雀における槍槓は必ずフリテンとなるため、原則的に成立しない役となっています。

反対に、槍槓でアガれる牌が加槓されたにも関わらず見逃してしまうのも、フリテンになります。

槍槓と複合する役・しない役

槍槓が成立しない条件をいくつか挙げましたが、役との複合でも、槍槓が成立するものとしないものがあります。

複合する役と複合しない役について解説していきますので、参考にしてください。

ほとんどの役と複合する

槍槓は、手牌の種類に制限がないため、ほとんどの役と複合します。

誤解されやすい部分ですが、実は一発とも複合します。
一発はリーチをかけてから1巡以内にアガると成立する役ですが、鳴きが入ってしまうと純粋な1巡以内とは言えなくなるため、不成立となります。

しかし、槍槓が成立した場合、加槓は不成立=鳴きは入っていないとみなされるため、槍槓と一発の複合は可能なのです。

26種類中9つの役とは複合しない

成立条件の緩さからほとんどの役と複合する槍槓ですが、中には複合が認められない役もあります。

役満を除くと、麻雀役の数は26種類。そのうち9つの役とは複合しません
いずれも、「不成立となる」というよりは「成立し得ない」ので、それほど敏感になる必要はありませんが、知識として覚えておきましょう。

対子・刻子縛りの役とは複合しない

槍槓は、七対子、対々和、混老頭とは複合しません
他家の手牌に槓子が揃うことがないためです。

槍槓は手牌内容に制限はありませんが、アガリ牌を含むメンツが「順子かつ他のメンツやアタマで1枚も使われていない牌」に限定されます。

ツモアガリが条件の役とは複合しない

槍槓はロンアガリとして数えられるので、ツモアガリを条件とする役とは複合しません
門前清自摸和はもちろん、嶺上開花や海底摸月とも複合しないので覚えておきましょう。

河底撈魚とは複合しない

河底撈魚は最後に河に置かれた牌でアガると成立する役です。
加槓された牌は、河に置かれたとはみなされないため、槍槓してアガっても河底撈魚は付きません

ダブル立直とは複合しない

槍槓を成立させるには、加槓の前に他家がポンしている必要があります。
ダブル立直を成立させるには、鳴きがない1巡目でリーチをかける必要があります。

ダブル立直の前にポンされるとダブル立直が成立せず、ダブル立直の後にポンされるならそのタイミングでロンしないとフリテンです。

よって、槍槓とダブル立直は複合しません

槍槓狙いで役を狭める必要はない

9種類の役とは複合しない槍槓。しかし、槍槓は狙ってつく役ではないので、「槍槓がつかなくなるから七対子は諦めよう」などと考える必要はありません。

役を狭めることなく、いつもどおりに手づくりを進めていきましょう。

槍槓に対するよくある質問

最後に、槍槓に関してよく挙げられる質問にお答えします。

槍槓でドラは増える?

槍槓によって、ドラは増えません

槍槓の成立は、他家の加槓の不成立を意味するためです。
槓が成立していないため、槓ドラをめくる権利も失われます。

リーチ後の槍槓はできる?

リーチ後の槍槓は可能、というよりは必須です。

リーチ後にアガリ牌が加槓された場合、槍槓でロン宣言をしなければフリテンになってしまいます。
そうなってしまえば、ツモアガリを狙うしかなくなります。

ただ、槍槓を見逃したということは、アガリ牌が4枚場にでてしまったということ。両面待ちテンパイなど複数の待ちがあるなら良いですが、待ち牌が1種類の場合、その局でのアガリが不可能ですので注意しましょう。

四開槓と槍槓はどちらが優先される?

四開槓と槍槓なら、槍槓が優先されます。

四開槓とは、1局の間に4回カンが成立すると流局になる、というルールです。
槍槓成立はカンの不成立を意味するので、槍槓と4回目のカンが同時に起こった場合、槍槓をした人のロンアガリで終了です。

槍槓優先というよりは、「槍槓成立時点で四開槓の条件を満たしていない」と言ったほうが正しいかもしれません。

槍槓は加槓に対するロンアガリで成立する1翻役

槍槓は、他家が加槓した牌でアガるとつく1翻役です。

狙ってできる役ではなく出現率も非常に低いため、忘れられがちな役でもあります。
しかし、槍槓の見逃しはフリテンになってしまいますので、いざというときに困らないよう、しっかりと覚えておきましょう。