この記事を読んでいるあなた
- シャンテンとはなにか知りたい
- シャンテンの数え方が知りたい
- シャンテン数ごとに取るべき戦略が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀の「シャンテン」についてお伝えしていきます。
シャンテンとは
麻雀をプレイしていると必ず聞く単語「シャンテン」。
アガリやリーチはなんとなくわかっても、シャンテンは日常では聞かない言葉なので、なかなかイメージができませんよね。
はじめに、シャンテンの意味と特徴について解説していきます。
テンパイまでに入れ替えが必要な牌の枚数
シャンテンとは、「あと何枚の牌を入れ替えれば、テンパイになるか」の枚数を表す数値です。
漢字で書くと「向聴」。聴牌に向かう、という意味を含んでいることが読み取れます。
シャンテン数が1であれば、あと1枚有効牌を引ければテンパイの状態です。
「アガリまでの枚数ではない」という点に注意しましょう。
揃っている手牌の枚数 | アガリまでの枚数 | 書き方 | 読み方 |
---|---|---|---|
14 | 0 | 和了 | アガリ/ホーラ |
13 | 1 | 聴牌 (0向聴) | テンパイ |
12 | 2 | 1向聴 | イーシャンテン |
11 | 3 | 2向聴 | リャンシャンテン |
10 | 4 | 3向聴 | サンシャンテン |
9 | 5 | 4向聴 | スーシャンテン |
8 | 6 | 5向聴 | ウーシャンテン |
7 | 7 | 6向聴 | ローシャンテン |
6 | 8 | 7向聴 | チーシャンテン |
5 | 9 | 8向聴 | パーシャンテン |
シャンテン数は13シャンテンまでありえますが、基本的に呼ばれるのは8シャンテンまでです。
4面子1雀頭の役を想定すると、どんなにバラバラな手牌でも8シャンテンが最大だからです。
ちなみに、2シャンテンから1シャンテンになることを、「シャンテン数が上がった」と言います。
数字が下がっているために混乱しますが、2位の人が1位になることを「順位が上がった」と表現すると考えると、至極まっとうな言い回しですよね。
ほかにも、シャンテン数を進める、戻すという表現も使います。
2→1はシャンテン数を進める行為、2→3はシャンテン数を戻す行為です。
シャンテン数は1ずつしか減らない
シャンテン数は、1ずつしか減りません。
麻雀では、「1枚ツモってきて1枚捨てる」を繰り返しますよね。
つまり、1ターンで入れ替わる枚数は1枚で固定。
どのような打牌をおこなっても、一気に2手進むことはあり得ません。
ただし、シャンテン数が増えるときは、1つずつとは限りません。
たとえば国士無双狙いのケースで、雀頭あり・残りひとつのヤオチュー牌が来ればアガリの状態から、ポンしてしまうと、0シャンテンから6シャンテンまで、一気に増えてしまいます。
どんな手牌でも最大は6シャンテン
狙っている役を考慮せず、単純にアガリまでの入れ替え数と考えるのであれば、配牌時の最大シャンテン数は「6」です。
これは、七対子を揃えることを考えればわかります。
具体例を上げて説明します。
まず、下記の手牌を見てください。
- 1萬・4萬・7萬・1索・4索・7索・1筒・4筒・7筒・北・南・白・中
文字通りバラバラの手牌ですね。1つも面子・雀頭ともに出来上がっていません。
多くの役で当てはまる4面子1雀頭型を揃えようとすると、8枚の入れ替えが必要です。
しかし、七対子を目指すとどうでしょうか。
持っている手牌のうち6種類を1枚ずつ引ければ、テンパイできます。
つまり、どんなにバラバラな配牌であっても、6枚入れ替えれば七対子テンパイが可能なのです。
七対子型のシャンテン数の数え方
七対子型のシャンテン数を数えるときには、対子の数を数えます。
「対子の数が0個で6シャンテン」を基準に、対子の数がひとつ増えるたびにシャンテン数を1つマイナスすればOKです。
対子の数 | シャンテン数 |
---|---|
0 | 6 |
1 | 5 |
2 | 4 |
3 | 3 |
4 | 2 |
5 | 1 |
ただし、槓子は対子2つではなく、対子1つとして数えます。
同一牌4枚は対子に数えず、七対子が成立しないからです。
国士無双型のシャンテン数の数え方
国士無双型のシャンテン数を数えるときには、雀頭があるかどうかで計算式が異なります。
つまり、ヤオチュー牌の対子が1つ以上あるかどうか、ですね。
- 雀頭ができているなら「12-ヤオチュー牌の種類」
- 雀頭ができていないなら「13-ヤオチュー牌の種類」
ポイントは、ヤオチュー牌の枚数ではなく種類で数えるところです。
枚数で数えると、同種のヤオチュー牌が1組以上あるケースでシャンテン数が狂ってしまいます。
4面子1雀頭型のシャンテン数の数え方
一番複雑なのが、4面子1雀頭型のシャンテン数の計算です。
複雑さ故に数え方にも個性が現れ、雀士によって答えにたどり着くまでの道筋が異なります。
主な計算方法を3つお伝えしますので、自分がわかりやすい方法で求めてみてください。
引き算方式
ひとつめが、引き算方式です。
「8ー{(メンツ数×2)+(対子または塔子×1)}」で計算します。
8を基準としているのは、4面子1雀頭型の最大シャンテン数が8だからですね。
七対子型に考え方が似ています。
下記3つを例に計算してみましょう。
- A.1萬・4萬・7萬・1索・4索・7索・1筒・4筒・7筒・北・南・白・中
- B.1萬・2萬・3萬・4索・4索・4索・1筒・3筒・北・北・南・白・中
- C.1萬・2萬・3萬・4索・4索・4索・1筒・3筒・北・北・南・南・中
Aは、対子も塔子も面子も出来上がっていません。
よって、「8ー{(0×2)+(0×1)}=8シャンテン」です。
Bは、面子が2つ、塔子が1つ、対子が1つ
よって、「8ー{(2×2)+(2×1)}=2シャンテン」です。
Cは、面子が2つ、塔子が1つ、対子が2つ
よって、「8ー{(2×2)+(3×1)}=1シャンテン」です。
足し算方式
ふたつめが、足し算方式です。
「(雀頭)+○+○+○+○」で、アガリまでの手数を計算します。
求められた数字から1を引いた数がシャンテン数です。
まず、面子になっているものを探します。
手牌の中にある面子の個数分、○の中に「0」を書いてください。
次に、(雀頭)の部分を埋めます。
面子として取り出していない手牌の中に対子があれば「0」、なければ「1」を書いてください。
このとき、対子が2つ以上ある場合は1つだけを抜き出しましょう。
最後に、面子としても雀頭としても取り出していない牌から、対子もしくは塔子を探します。
見つかった個数分だけ、○の中に「1」を書いてください。
上記3ステップを終えても、空欄の○が残っている場合は、「2」を書きます。
下記3つを例に計算してみましょう。
A.1萬・4萬・7萬・1索・4索・7索・1筒・4筒・7筒・北・南・白・中
- 面子がないので、○は埋めません。
- 対子がないので、(雀頭)部分に「1」と記入します。
- 塔子がないので、「(1)+○+○+○+○」のまま、○は埋めません。
- 残った○すべてに「2」を書き入れます。
「(1)+2+2+2+2」=9、これがアガリまでの枚数です。
よって、上記のシャンテン数は8です。
B.1萬・2萬・3萬・4索・4索・4索・1筒・3筒・北・北・南・白・中
- 面子が2つあるので、2個の○に「0」と書きます。「(雀頭)+0+0+○+○」
- 対子が1つあるので、(雀頭)部分に「0」と記入します。「(0)+0+0+○+○」
- 塔子が1つあるので、1個の○に「1」と書きます。「(0)+0+0+1+○」
- 残った○に「2」を書き入れます。
「(0)+0+0+1+2」=3、これがアガリまでの枚数です。
よって、上記のシャンテン数は2です。
C.1萬・2萬・3萬・4索・4索・4索・1筒・3筒・北・北・南・南・中
- 面子が2つあるので、2個の○に「0」と書きます。「(雀頭)+0+0+○+○」
- 対子が2つあるので、(雀頭)部分に「0」と記入します。「(0)+0+0+○+○」
- 塔子が1つと対子が1つあるので、2個の○に「1」と書きます。「(0)+0+0+1+1」
「(0)+0+0+1+1」=2、これがアガリまでの枚数です。
よって、上記のシャンテン数は1です。
任意有効牌当てはめ方式
みっつめが、任意有効牌当てはめ方式です。
どの牌を引けばテンパイに持っていけるかを想像します。
欲しい牌の枚数がシャンテン数です。
何パターンも考えられるので、一度使った牌は他の面子に組み込まないということだけ意識して、好きに想像して構いません。
上級者向けですが、狙える役や待ちの形も見えてくるので、アガリまでのイメージがしやすいです。
3つの方法の中で唯一、七対子型や国士無双型も合わせて考えられます。
下記3つを例に計算してみましょう。
A.1萬・4萬・7萬・1索・4索・7索・1筒・4筒・7筒・北・南・白・中
3萬、7萬、3索・5索、3筒・5筒、7筒・7筒を引ければテンパイなので、8シャンテンです。
想像通りの牌が来れば、両面待ちですね。
とはいえ、上記の引きはあくまで「4面子1雀頭型」を想定した場合です。
1萬・4萬・7萬・1索・4索・7索を引ければ、七対子型でテンパイできます。
9萬・9索・9筒・東・西・發を引ければ、国士無双型でテンパイできます。
七対子型と国士無双型なら、6シャンテンで済みますね。
B.1萬・2萬・3萬・4索・4索・4索・1筒・3筒・北・北・南・白・中
北、南を引ければテンパイなので、2シャンテン。
想像通りの牌が来れば、間張待ちです。
C.1萬・2萬・3萬・4索・4索・4索・1筒・3筒・北・北・南・南・中
2筒を引ければテンパイなので、1シャンテン。
想像通りの牌が来れば、双碰待ちです。
シャンテン数による押し引きの判断
七対子型・国士無双型・4面子1雀頭型の3パターンに分けて、シャンテン数の計算方法をお伝えしました。
実践で使う場合には、3パターンすべてを計算した上で、狙う形を決めていきます。
そして、シャンテン数を常に意識しながら手を進めていきましょう。
ここでは、シャンテン数から判断する押し引きの基準をお伝えします。
配牌時5シャンテンなら守備重視
配牌時に5シャンテンだった場合、手牌の組み合わせにもよりますが、守備重視で戦略を練ったほうが良いです。
というのも、配牌時のシャンテン数を確立順に並べると、「3向聴>4向聴>2向聴>5向聴>1向聴>6向聴」となるのです。
しかも、一番多い3向聴の確率は、約44%。次ぐ4向聴が約28%です。
3つの型のうち、どのパターンで計算しても5シャンテンというのは、かなり分が悪いと思ってください。
自然に手を進めながら、いつでも降りられるように準備しておきましょう。
完成している面子や対子を崩す必要はないですが、できるだけ中張牌から切り、字牌を溜め込む方向で進めると良いですね。
また、親のリーチに振り込んでしまうと失点が大きいので、親の現物を優先的に残すのも有効です。
手が進まないうちからの鳴きは厳禁です。他家のリーチ時に切る牌が少なくなってしまいます。
他家のリーチ時1シャンテンなら降り
他家のリーチ時にテンパイしていないなら、攻めるのは止めましょう。
不要牌=安全牌のときは、手を進めてテンパイに持っていっても良いですが、危険牌を切ってまで勝負する場面ではありません。
倍満以上の手が作れる、降りても順位が変わらない、など、場合によっては1シャンテンから攻めていくケースもありますが、基本は降りです。
シャンテン数を上げるときのポイント
アガリを目指す以上、シャンテン数を1に近づけていくのは当然のことです。
しかし、「シャンテン数を上げることだけ」を目的にしてしまうと、ある一定のラインからシャンテン数が上がりづらくなったり、アガリの点数が低くなったり、さまざまな不具合が起きてしまいます。
ここで紹介する3つのポイントを参考に、シャンテン数の上げ方をマスターしましょう。
受け入れ牌を広く持つことが大切
牌を切るときには、「受け入れ牌を広く持てるかどうか」を考えましょう。
受け入れ牌とは、シャンテン数を下げるのに必要な牌のことです。
特に意識するべきなのは、2シャンテン→1シャンテンに移行するときですね。
同じ1シャンテンであっても、受け入れ牌が多い並びと、そうでない並びでは、テンパイできる確率に差が出ます。
受け入れ牌をツモってきても、それを組み込むことで次の受け入れ牌が狭まるようなら、あえて見逃すことも必要です。
あえてシャンテン数を戻すこともある
- テンパイ時に待ちの形が悪くなる
- 安手になる
- 受け入れ牌の残り枚数が少ない
上記のような不具合が起きる場合には、あえてシャンテン数を変えなかったり、戻したりするケースもあります。
たとえば、ドラが2索で、自分の手牌が下記の1シャンテン。ツモ牌が3索だった場合、どうするでしょうか。
- 1萬・2萬・7萬・8萬/5索・6索・7索/3筒・4筒・5筒・6筒・9筒・9筒
- 3萬を引ければ、6萬・9萬の両面待ちテンパイ
- 6萬か9萬を引くと、3萬の辺張待ち
シャンテン数だけを考えるのであれば、3索もしくは3筒切りで1シャンテン維持の場面です。
しかし、待ちの形や点数を考えると、あえて「1萬・2萬」切りも有効なことがわかります。
索子が伸びればドラを含めることも視野に入れられますね。
親番ではシャンテン戻ししない
「あえてシャンテン数を戻すケースもある」とお伝えしましたが、シャンテン戻しを避けるべき場面があります。
それが自身が親番のときです。
親の番にアガると、もらえる点数が1.5倍かつ次の試合でも親を続けられるという特典があります。
親番はなんとしてでもアガリたいわけです。
高い手にこだわって手を戻すよりも、アガリの確率を高める道を選びましょう。
シャンテン数読みは雀士の必須技能
シャンテンとは、テンパイまでに必要な牌の枚数のことです。
「最短であと何巡必要なのか」「一番早く揃う手はなにか」を考えるために、シャンテン数を数えます。
戦略を練る上で、シャンテン数の把握は必須。説明を聞くと複雑に感じますが、慣れてしまえば直感的に計算できるようになるので、練習しておきましょう。