この記事を読んでいるあなたは
- 麻雀の地獄待ちとはなにか知りたい
- 地獄待ちを活かす戦術が知りたい
- 地獄待ちはマナー違反になるのかどうか知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀用語「地獄待ち」についてお伝えしていきます。
地獄待ちとは
はじめに地獄待ちの意味について解説していきます。
場に2枚見えている牌での単騎待ち
地獄待ちとは、すでに場に2枚見えている状態での単騎待ちテンパイのことです。「地獄単騎」と呼ばれることもあります。
場に2枚+自分の手牌に1枚なので、残り枚数は1枚。加えて単騎待ちなので、その1枚を引いてこない限りアガれません。牌効率といった意味では非常にアガりにくい待ちです。
単騎待ちとは
単騎待ちとは、面子が4つ揃っていて、雀頭となる部分の対子が1枚足りていない状態のことです。
七対子形で最後の面子を待っている状態も単騎待ちと言われますが、国士無双については単騎待ちという表現は使わないケースが多いです。雀頭待ちの状態を13面待ち、雀頭が先に揃って欠けているヤオチュー牌があるときは「1萬待ち」のように待ち牌を直接言います。
待ち牌の種類は1種類で、すでに自分で1枚を使ってしまっているため、アガリ牌の残り枚数は最大で3枚。両面待ちや辺張待ち、間張待ち、双碰待ちといった基本の待ち形5種の中でもアガりにくい待ちです。
裸単騎とは
裸単騎は、面子部分を4つとも鳴いてしまって、手牌1枚で単騎待ちテンパイをしている状態を指す言葉です。
地獄単騎と直接は関係ありませんが、同じ単騎待ちの一種として覚えておきましょう。
もとは「西」に対してのみ使う言葉だった
地獄待ちとは、もともとは西の単騎待ちで、2枚とも場に出てしまっている状態限定の言葉でした。
西は死者への入り口であるという考えがあったため、縁起が悪い方角でアガリを待っている状態=地獄待ちというように名付けられたのです。
いつしか解釈が広がって、現在のような残り1枚を待つ単騎待ちは牌の種類にかかわらず地獄待ち、というスタイルになりました。
地獄待ちを使った戦術
地獄待ちは、確率的にはアガりにくい待ちですが、使い方次第では他家の打牌を誘発し、ロンアガリにたどり着けます。
ここでは、地獄待ちでロンアガリするための戦術を3つ紹介します。
字牌を待ち牌にする
字牌は、数牌と違って1枚で面子に組み込むことができません。地獄待ちでテンパイしているということは、他家にとっては孤立牌であると同時に、ワンチャンスの比較的安全な牌ということになります。
数牌での地獄待ちに比べると、意外とすんなり場に出てきてロンできる、というケースも珍しくありません。
スジ引っ掛けをする
地獄待ちをしているときは、スジ引っ掛けで他家の打牌を誘導するのも効果的です。
スジ引っ掛けとは、両面待ちテンパイに対する安全牌読みで使える「スジ」という考え方を応用したテクニックです。
スジとは、「1・4・7」「2・5・8」「3・6・9」の3本のラインのこと。麻雀では、自分の捨てた牌ではロンアガリできないというルールがあり、これは同種の牌だけではなく、その牌のスジまで有効です。
たとえば、「4萬」を場に捨てているプレイヤーは、「2萬・3萬」や「5萬・6萬」の両面塔子でテンパイしても、4のスジ牌である1萬や7萬をロンできません。
ただ、これはあくまで両面待ちテンパイに適用されるものであり、単騎待ちには関係ないので、あえてすでに自分の河にある牌のスジで地獄待ちを構えます。上記の例なら、1萬や7萬での地獄待ちですね。
中級者以上のプレイヤーで集まっているときには特に効果的ですので、やってみてください。
終盤で地獄待ちに切り替える
単騎待ちは、雀頭のうち片方しか持っていない、つまり孤立牌が1枚ある状態なので、リーチさえかけていなければ自由に待ち牌を変えることが可能です。
そこで、1~6巡目などの早い段階でテンパイしたら生牌での単騎待ちをして、終盤に差し掛かったら地獄待ちに切り替える、という手法をとります。
「なぜわざわざ待ち牌を少なくするのか?」と感じるかもしれませんが、ある程度のレベルで対局すると、終盤での生牌や1枚切れの牌は危険牌として場に出なくなります。
そこで、地獄待ちに切り替えて他家に「この牌は通るだろう」と思わせるのです。点数を上げたければ、地獄待ちに切り替えるタイミングでリーチをかけても良いでしょう。
ただ、くれぐれも自分が生牌で放銃しないように、他家の狙っている牌には検討をつけておきましょうね。
地獄待ちはマナー違反?
地獄待ちは、他家にとっての不要牌で待つケースが多いことから、マナー違反と捉える人もいます。
では、実際にフリー雀荘ではマナーの欄に地獄単騎禁止と書かれているのでしょうか?
最後に、地獄待ちとマナーについて解説していきます。
雀鬼会では禁止事項
雀鬼会とは、「雀鬼」の異名を持つ桜井章一さんが立ち上げた麻雀競技団体です。
雀鬼会には「雀鬼流」と呼ばれる独自のルールが存在し、その中に「地獄待ちのリーチ禁止」というものがあります。理由としては、極端にロンを狙うような戦い方なので禁止、ということのようですね。
たとえオーラスで、リーチをかければ倍満ツモでアガれるような手だったとしても、リーチはできません。このような場面に出くわすのは自分の能力が伴っていないからだ、と考え、逆転のチャンスを逃してでも雀鬼流に従います。
雀鬼流の教えは非常に独特で、精神の歪みを直し人格を高めることを目的とし、全体を通してプラマイゼロになる打ち方をするのを良しとしているため、このようなルールが出来上がっていきました。
地獄待ちリーチだけではなく、モロ引っかけ禁止、明槓禁止、第一打での字牌切り禁止などさまざまな制限があります。
一般的にはマナー違反とはならない
さて、問題の雀鬼会以外でのマナーですが、一般的には競技麻雀でもフリー雀荘でもマナー違反にはなりません。
日本プロ麻雀連盟、日本プロ麻雀協会、最高位戦日本プロ麻雀協会、Mリーグといった代表的な競技麻雀団体のルールブックを見ても、地獄待ちを禁止する旨の記載はないです。
実際にMリーグでは、南の地獄待ちでリーチをかけ、立直一発ツモ七対子ウラウラでアガるというシーンが放送されたこともあります。実況も褒め称えている雰囲気で、視聴者から観てマナー違反に感じるようなシーンではありませんでした。
また、フリー雀荘においても、基本的には禁止されていません。正確に言えば、マナー・ルール表に記載されていないことがほとんどです。
地獄待ちは残り1枚の確率の低い待ち、といった相応のリスクを負っていますから、あくまでテクニックの範疇に収まるでしょう。
ただ、同卓した人と口論になるなどトラブルが起きた場合には、そのメンツで打つときだけ地獄待ちを封印するか、スタッフを呼んで正式なルールを定めてもらったほうが良いですね。
地獄待ちは牌効率的にはアガりにくいテンパイ形
地獄待ちは単騎待ちの一種で、場に2枚見えていて残り枚数が1枚しかない牌で待つことをいいます。
ただでさえアガりづらいと言われている単騎待ちを、さらに難しくしたものなので、確率論ではアガりにくいテンパイ形です。
しかし、字牌やオタ風牌など他家が不要になる牌での地獄待ちや、スジ読みを利用した引っ掛けなどを駆使すれば、ロンアガリの確率を高めることも可能です。
他の待ちを選択できるシーンで敢えて地獄待ちにしてアガる、というのも一つの戦術ですので、機会があれば使ってみてください。