この記事を読んでいるあなたは
- 麻雀の喰いタンとは何か知りたい
- 喰いタンのメリットが知りたい
- 喰いタンを狙うべき場面が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀用語「喰いタン」についてお伝えしていきます。
麻雀のルール説明で使われる「ありありルール」「なしなしルール」の意味や、後付けについても解説していきますので、参考にしてください。
喰いタンとは
はじめに、喰いタンという用語の意味、点数、出現率について解説していきます。
鳴いて作った断ヤオのこと
喰いタンは、鳴いて作った断ヤオを指す言葉です。
鳴きの別名として「喰う」が使われることから、喰って作った断ヤオ=喰いタンと呼ばれるようになりました。
喰いタンの点数
断ヤオは鳴いても食い下がりしない役なので、喰いタンも1翻で計算します。
喰いタンの点数としては、基本的に親1,500点、子1,000点と覚えておけば問題ないでしょう。
これは、1翻30符でアガったときの点数です。
喰いタンの場合、門前ロンによる10符加算がつくことがないため、20符もしくは30符でのアガリになるケースがほとんどです。
そして、麻雀の最低点は1,000点と決まっているため、20符アガリでも30符と同じ1,000点に繰り上がります。
これが、喰いタンのみでのアガリは1,000点の理由です。
ポン1回・暗刻2つ・カンチャン待ちテンパイでアガった場合、喰いタンのみで40符も可能ですが、喰いタンで刻子が3つというのはかなり稀なケースです。
喰いタンの出現率
断ヤオの出現率は、21%と言われています。
喰いタンのみの出現率は算出されていませんが、鳴いたほうがアガれないとは考えにくいので、ほぼ同程度の出現率と思って良いでしょう。
喰いタンが使えるかどうかはルールによる
麻雀の役は、それぞれ鳴き可・鳴き不可と条件が定まっていますが、断ヤオに関してはルールによって鳴きの可・不可が変わります。
喰いタンが認められていないルールで鳴いてしまうと断ヤオがつかず、他に役がなかった場合はチョンボになるため、注意しましょう。
ルール表記は、単純に「喰いタンあり」「喰いタンなし」といったように書かれている雀荘もありますが、一般的には「ありあり」「なしなし」といった表記を使用します。
喰いタンと後付けをセットで表記していて、ありありルールとは、その両方を認めているルールです。
ありあり | 喰いタン・後付けあり |
---|---|
なしなし | 喰いタン・後付けなし(完全先付け) |
ありなし | 喰いタンあり・後付けなし(完全先付け) |
なしあり | 喰いタンなし・後付けあり |
一応、先に来るのが喰いタンですが、「ありなし」「なしあり」を採用している雀荘はほとんどないので、覚えていなくても大丈夫です。
喰いタンのメリット
ここからは、喰いタンのメリット・デメリットを解説していきます。
まずはメリットからお伝えします。
スピードアップが望める
ひとつめのメリットは、スピードアップが望めることです。
断ヤオは、中張牌を使うことと、刻子と順子の選択が自由なことから、非常に牌効率が良い役です。
そこに鳴きが加わるので、高い手をじっくり作るタイプには到底追いつけないほどのスピード感が生まれます。
食い下がりがない役なので打点が落ちない
ふたつめのメリットは、打点が落ちないことです。
断ヤオは食い下がりのない役なので、スピードアップという恩恵だけを受けて、打点はキープできます。
ただし、これは断ヤオ単体で考えた場合であって、他の役との複合は考慮していません。
喰いタンのデメリット
つづいて、喰いタンのデメリットをお伝えします。
守備力が落ちる
ひとつめのデメリットは、守備力が落ちることです。
鳴いて作った面子は手牌から抜き、全員に公開します。
公開した面子に関して、手牌に戻す・捨てる・組み替えるといった行為はできません。
鳴きの回数が増えるほど自由に動かせる牌が少なくなるので、いざ降りようと思ったら安全牌がない、というケースもあるでしょう。
喰いタンはテンパイまでの速度を上げるには有効ですが、他家からリーチがかかると一気に形勢が不利になります。
ロンアガリが難しくなる
ふたつめのデメリットは、ロンアガリが難しくなることです。
前述したように、鳴いた面子は公開情報となります。
喰いタンなら、中張牌の順子もしくは刻子が晒されるわけです。
これに河の情報が加わると、麻雀慣れしている人には、断ヤオを揃えていることが透けてしまいます。
門前に比べてアガリ牌を抱え込まれる可能性が高いため、ロンアガリが難しくなります。
複合できる役が減る
みっつめのデメリットは、複合できる役が減ることです。
断ヤオと相性の良い、平和や立直、一盃口はすべて門前限定の役です。
喰いタンを選択した時点で上記役の複合が消えてしまうのは、結構な痛手です。
点数を稼ぎたいときには、喰いタンではなく、門前で断ヤオを狙うほうが良いでしょう。
喰いタンを狙うべき場面
喰いタンは、テンパイスピードと引き換えに守備力や得点力を落とします。
使いどころを誤るとせっかくアガっても順位が上がらない…ということになりかねません。
門前での断ヤオではなく、喰いタンを狙うべき場面を4つ紹介するので、参考にしてください。
連荘狙い
ひとつめは、連荘を狙いたいときです。
麻雀では、親がアガった場合は親を続行できるというルールがあります。
このルールによって、東南戦でも対局数は4試合とは限らず、長ければ半荘戦と変わらない試合数になることもあります。
試合数が増えるということは、それだけ点数を稼ぐ機会が増えるということ。
加えて親はもらえる得点が1.5倍なので、誰もが連荘を目指して対局に臨みます。
喰いタンは、テンパイまでが非常に早くなるので、親の連荘を狙いたいときにぴったりです。
配牌時に高い手が無理そうだと感じたら、喰いタンにシフトしてさっさとアガってしまうのがおすすめです。
連荘阻止
ふたつめは、他家の連荘を阻止したいときです。
1人のプレイヤーが2回3回と連荘している場合、そのまま波に乗らせてしまうのは得策ではありません。
親のアガリとして支払う点数も馬鹿にならないですし、あまりに点数が離れてしまえば挽回が難しくなります。
そんなときは、喰いタンのみでも良いのでアガってしまいましょう。
点数や守備力よりも、いかに早くアガるかに全力を注ぎます。
ドラが絡んで高得点が目指せる
みっつめは、ドラが絡んでいて高得点を目指せるときです。
喰いタンは、平和や立直と複合できない分、得点力はイマイチです。
しかし、ドラが含まれているなら、そのマイナス分を十分に補えます。
ドラが2以上手元にあるときは、喰いタンのみでアガリを目指しても良いでしょう。
オーラスで逃げ切りたいとき
よっつめは、オーラスで逃げ切りたいときです。
最後の対局で自分がトップなら、点数を稼ぐことよりも2位にアガられないことのほうが重要です。
喰いタンを活用して、先制テンパイを目指しましょう。
喰いタンの注意点
最後に、喰いタンをする上での注意点をお伝えします。
1・9牌が絡むリャンメン待ちテンパイに注意
喰いタンの場合、1・9牌が絡むリャンメン待ちテンパイに注意しましょう。
断ヤオは、中張牌のみで手牌を構成したときに成立する役です。
しかし、すべての手牌を中張牌で揃えていても、最後の面子が「2・3」や「7・8」のリャンメン塔子になっている場合、1・9牌もアガリ牌としてカウントされてしまいます。
上記のケースで、4・6牌よりも先に1・9牌を引くと、
- 断ヤオ以外に役がついていれば、断ヤオ1翻を除く計算でのアガリ
- 1・9牌を捨てるとフリテンとなって、ロンアガリできなくなる
- 断ヤオ以外に役がないのに、1・9牌を使用してアガリ宣言をするとチョンボ
という結果になります。
点数が下がったりアガりに支障をきたしたりするので、できれば、このような待ちにならないよう手作りを進めたいところです。
喰いタンを嫌がる人もいるので注意
中には喰いタンを嫌がる人もいるので、フリーで打つときには注意が必要です。
主な理由としては、
- 鳴きを多用する麻雀は麻雀じゃない
- 断ヤオは門前でも揃えやすいのに、他人の牌を使って揃えるのはずるい
- 喰いタンのみの安手アガリはゲーム的につまらない
といったもので、高い手をじっくり作りたいタイプから敬遠されている印象があります。
とはいえ、喰いタンは競技麻雀でも認められている立派な戦術です。
上記のような、麻雀観の違いによるクレームであれば、あまり気にする必要はありません。
ただ、他のプレイヤーがトップ争いをしているときに、3位・4位のプレイヤーが喰いタンのみでアガるのは、マナー的に良くないとされています。
そのアガリによって、順位が変わる可能性を消してしまうためですね。
あくまでマナーなので罰金等はありませんが、全員で楽しく麻雀をするためにも覚えておきたいところです。
喰いタンは鳴いて作った断ヤオのこと
喰いタンとは、鳴いて作った断ヤオのことを指す麻雀用語です。
喰いタンは、もともと牌効率が良い断ヤオをさらに早く揃えることができる技。連荘や逃げ切り、他家の連荘阻止など、対局のあらゆる場面で使えます。
適切な場面で使えば、一気に状況を有利にできるので、ぜひ喰いタンの使い方をマスターしてみてください。