この記事を読んでいるあなたは
- 麻雀の門前とは何か知りたい
- 門前ツモと門前ロンの違いについて知りたい
- 門前のメリットとデメリットが知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀用語「門前(メンゼン)」についてお伝えしていきます。
門前で手作りするか、鳴いて手作りするかの判断基準についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
門前(メンゼン)とは
門前とは、鳴き(副露)によって他家の捨て牌をもらうことなく、ツモのみで手牌を揃えることを言います。
ポン・チー・カンのうち、暗槓に関しては門前を崩しません。
暗槓は4枚とも自身のツモで集めた牌なので、門前の条件を阻害しないという考え方です。
ただし、門前限定の役の中には、暗槓を含む鳴きすべてがNGのものもあるため、注意が必要です。
門前ツモと門前ロン
門前でアガった場合、ツモでもロンでも、鳴いた場合に比べて点数が高くなるようなルールになっています。
ここでは、門前ツモと門前ロンそれぞれの加算について解説します。
門前でツモアガリすると門前清自摸和という役がつく
門前でテンパイし、そのままツモアガリした場合、門前清自摸和という役がつきます。
正式名称は「メンゼンチンツモホー」ですが、略して「メンゼンツモ」もしくは「ツモ」と呼ぶケースが多いです。
門前清自摸和は1翻役で、ロンアガリが条件の3役(槍槓・河底・人和)を除くすべての役と複合します。
門前でロンアガリすると門前加符10符がつく
門前でテンパイし、ロンアガリした場合には、符計算の際に門前加符10符が加算されます。
ツモアガリの場合は門前ツモでも副露ツモでも2符ですが、ロンアガリの場合は門前に限り10符加算で、副露ロンの場合は0符というように差があるのが特徴です。
門前ツモ | 2符(+門前清自摸和1翻) |
---|---|
副露ツモ | 2符 |
門前ロン | 10符 |
副露ロン | 0符 |
このルールによって、ツモでもロンでも、門前でアガったほうが点数が高くなります。
門前のメリット
ここからは、門前のメリットとデメリットについて解説していきます。
まずはメリットからです。
リーチがかけられる
ひとつめのメリットは、リーチをかけられることです。
リーチをかけるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 立直という1翻役がつくので、他に役がなくてもアガれる
- リーチ後1巡以内にアガれれば、一発という役がつく
- 和了後裏ドラをめくる権利が得られるので、得点アップの可能性が残る
- リーチ宣言によって、他家が降りてくれる可能性がある
- アガリ牌の内容によっては、放銃を誘発できる
一度でも鳴いてしまうと、リーチをかける権利がなくなってしまうため、上記の恩恵が得られません。
門前でテンパイしておけば、リーチをかけるかダマテンでいくか自由に選択できるので、状況に応じて柔軟な対応が可能です。
狙っている役がバレにくい
ふたつめのメリットは、鳴いた場合と比べて、狙っている役がバレにくいことです。
麻雀では、鳴いて揃えた面子は場に晒さないといけない、というルールがあります。
1回鳴くごとに4面子中の1面子を他家にバラすことになるので、狙っている役とおおよその点数が透けやすいです。
門前の場合、自分から出る情報は捨て牌のみなので、よほど特徴的な役を狙っていない限りは、何を揃えているかが透けません。
門前限定の役が狙える
みっつめのメリットは、門前限定の役を狙えることです。
麻雀の役は、門前でも鳴いても成立するもの・門前でのみ成立するもの・鳴いた場合に翻数が下がるものに分けられます。
鳴きが必須条件になっている役はありません。
麻雀の役は、役満を含んで全部で42個。
そのうち、門前のみで成立する役が13個、鳴いた場合に翻数が下がる役が6個あります。
約半数が鳴きで不利になるものと考えると、門前の優位性がよくわかります。
手変わりが自由
よっつめのメリットは、手変わりが自由なことです。
鳴きによって場に晒した面子は、それ以降捨てることも入れ替えることもできなくなります。
巡目が進み、別の役が揃いそうだと感じても、鳴いた面子が条件を阻害していれば、路線変更ができません。
門前の場合、リーチをかけない限りは自由に牌を捨てられるので、柔軟に手作りを進められます。
守備力が高い
いつつめのメリットは、守備力を高く保てることです。
前述したように、鳴いて作った面子は動かせません。
1回鳴くと11枚の中から、2回鳴くと8枚の中から、捨てる牌を選ぶことになります。
選択肢が狭まる分、安全牌を確保するのが難しいです。
門前であれば常に14枚のストックがあるので、合わせ打ちもしやすく、放銃の危険性を減らせます。
門前のデメリット
つづいて、門前のデメリットについて解説します。
手の進みが遅くなる
ひとつめのデメリットは、手の進みが遅くなることです。
鳴きありの場合、順子狙いなら毎巡1回、刻子狙いなら毎巡3回もチャンスが増えます。
しかし、門前の場合は配牌とツモの引きだけで手作りを進めるので、運が悪ければいつまで経っても手が進みません。
アガるどころかテンパイすら難しい局が、当然のように出てきます。
待ち牌の把握が難しい
ふたつめのデメリットは、待ち牌の把握が難しくなることです。
鳴いた面子が1つでもあると、そこを基準に他の面子や雀頭を作っていくので、待ち牌のパターンが少なくなり、把握が容易です。
しかし、門前の場合は固定される面子がないので、牌の構成によっては待ち牌の数が非常に多くなります。
同じ種類の数牌が多いと、雀頭の位置をどこにするかで面子構成と待ち牌の種類が変わるため、初心者にはやや難解です。
裏を返せば、門前のほうが待ち牌の数が多い=手が進む確率が高いということなのですが、見逃しはフリテンになってしまうため注意が必要です。
門前か鳴くかの判断基準
前述したように、門前にも鳴きにも、それぞれメリットとデメリットがあります。
どちらが優れているということはなく、鳴き可の役だからといって毎回鳴いて揃えればいいというわけでもありません。
自分の配牌やツモ、他家の動き、順位と点数差などを見て、総合的に判断する必要があります。
そして、門前か鳴きかを判断するために重要となるのが、速度・打点・守備力という3つの視点です。
それぞれ詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。
速度
速度に関しては、門前よりも鳴きに軍配が上がります。
鳴くことによって守備力が下がると言われますが、他家がテンパイするまでは放銃の恐れはないので、攻めて大丈夫です。
序盤での先制テンパイが可能なら、積極的に鳴いて良いでしょう。
反対に、先制テンパイの可能性が低い中盤以降や、鳴いてもテンパイが遠い場合は、速度をいう武器を活かしきれません。
打点
打点という面では、基本的に門前のほうが優れています。
門前でツモアガリ出来れば1翻役の門前清自摸和がつきますし、立直をかけて一発や裏ドラの可能性を残せるのも大きいです。
安い手でも上記の役が複合すれば満貫以上が狙えるため、とりあえずアガリ形にさえなれば切り抜けられます。
ただ、鳴いても役がつき、3翻以上が稼げるのであれば、門前のメリットは薄くなります。
特に、4翻以降は食い下がったところで実際の点数は変わらない、といったケースが出てくるため、さっさと鳴いてテンパイまでの速度を上げるほうが良いでしょう。
守備力
守備力が高いのは、門前です。
基本的に、鳴きの回数が増えるほど守備力は低下していきます。
他家から先制リーチが入ったときや、高い手を狙っている気配がするときは、鳴かずに守備力を保持したほうが賢明です。
門前とは鳴いていない状態のこと
門前とは、鳴きを入れずに、ツモのみで手牌を揃えることを指します。
門前でしか成立しない役がある他、役が透けにくい、放銃を回避しやすいなど、メリットも多くあります。
とはいえデメリットがないわけではなく、手の進みという面では鳴きに劣るため、状況に応じて面前と鳴きを使い分けることが大切です。