この記事を読んでいるあなたは
- 麻雀用語の「ションパイ」とは何か知りたい
- ションパイをどのように扱ったら良いか知りたい
- ションパイと責任払いの関係性について知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、ションパイの意味や扱い方についてお伝えしていきます。
攻撃面でも防御面でも重要な単語ですので、しっかりと覚えておきましょう。
ションパイとは
ションパイは麻雀用語の一種です。漢字では「生牌」と表記します。
はじめに、ションパイという言葉の意味と、混同しがちな麻雀用語について解説していきます。
場に1枚も見えていない牌のこと
ションパイとは、麻雀用語で場に1枚も見えていない牌のことを指す言葉です。
狭義的な意味では、場に1枚も見えていない”字牌のみ”を指してションパイとする考え方もあります。
自分の手牌は含みません。プレイヤー全員の目線で、場に見えていない牌がションパイです。
河ではなく場なので、ドラ表示牌も含まれます。
巡目に関係なく見えていない牌はすべてションパイですので、1巡目はほとんどがションパイです。
同じ意味を持つ言葉に、初牌(ショハイ)があります。
ションパイの対義語は「シュウパイ」
場に1枚以上出ている牌のことをシュウパイと言います。
漢字では熟牌と書き、生牌や初牌とは対義語とも言える位置関係の言葉です。
場に1枚以上出ている牌は、見えている枚数が2枚でも3枚でも、すべてシュウパイです。
ションパイとショウハイを混同しないように注意
ションパイと似ている言葉に、ショウハイがあります。
漢字で書くと少牌で、「打牌後の手牌枚数が12枚以下になってしまうこと」を指す言葉です。
カタカナ表記だとションパイとショウハイが似ていて、漢字表記だと少牌をショハイと読み間違える危険性があるため、注意しましょう。
ションパイ・ショハイ・シュウパイとは関連性がない用語です。
終盤になるほど放銃の危険度が増す
当然ながら、局の終盤ではションパイは少なくなってきます。
中盤~終盤になってもションパイということは、誰かが対子もしくは刻子で持っている可能性が高いです。
手が揃い出せば孤立牌は捨てられることを考えると、自ずと導き出される考えですね。
序盤ならば残り3枚がすべて山に入っているとも考えられますが、終盤に入ってそれは考えにくいです。
加えて、牌を待つ側からすれば、1枚切れや2枚切れで待つよりも、ションパイで待つほうが、アガリ牌をつかめる可能性が高いです。
よって、ションパイは終盤に近づけば近づくほど放銃の危険性が増す牌と言えます。
ションパイと責任払い
終盤のションパイ捨ては危険というお話をしましたが、中でも責任払いになる可能性がある場合、絶対に捨ててはいけません。
責任払いとは、鳴きによって特定の役を確定させてしまった場合、確定牌を捨てたプレイヤーが点数を支払うというルールです。
具体例を挙げて説明します。
箇条書きの番号は、打牌の順番です。
- Bさんが「発」を捨てたら、Aさんにポンされた
- Cさんが「白」を捨てたら、Aさんにポンされた
- Dさんが「中」を捨てたら、Aさんにポンされた
上記のケースでは、Dさんの「中」によってAさんの大三元が確定したため、Aさんがアガった場合はDさんが点数を払わなくてはいけません。
Aさんがツモアガリの場合はDさんの全額支払い、AさんがBさんの放銃でアガった場合はBさんDさんの2人で半額ずつ支払いです。
責任払いは、大三元・大四喜・四槓子・嶺上開花の4つの役でのみ発生するので、成立条件をよく覚えておきましょう。
ちなみに、1枚切れの場合でもポンの可能性が捨てきれないため、捨てないほうが良いですね。
鳴きで役が透けた場合、該当牌をツモった時点でベタオリでしょう。
ションパイの扱い方
ションパイの危険性はわかっても、実際にションパイが手元に来た場合、どのように扱ったら良いか悩む人もいるでしょう。
特に孤立牌がションパイの場合、いつ捨てるかは悩むところです。
序盤から終盤まで、巡目ごとの扱い方を解説しますので、参考にしてください。
序盤
序盤は、基本的にションパイを残していきます。
特に字牌の場合は切りません。
序盤でションパイを切らないのには、理由が3つあるため、ひとつずつ解説していきます。
ただし、中盤以降のションパイは、一転して捨てにくい牌になるのも事実です。
3つの理由を考慮しながら、どこまで温存するかをよく考えましょう。
自分の手牌に組み込める可能性を追う
序盤のションパイは、3枚山に残っている可能性が高い牌という見方ができるため、数巡様子を見ます。
ツモで対子になれば、雀頭として使ったり鳴いて面子にしたりと、自分の手を進められます。
相手に鳴かせるのを防ぐ
役牌のションパイを切らないほうが良い理由がこれです。
役牌は1回鳴くだけで役が確定するため、他家に鳴かれては大きくリードを許す結果に繋がります。
自分の手が進んでいない序盤で、他家に勢いをつけてしまうのはいただけません。
安牌として抱える
序盤のションパイは、本当の意味でのションパイではありません。
他家が切ってくる可能性は十分に残されていますので、字牌のションパイを取っておけば、後半で安牌として使用できます。
ただし、中盤になってもションパイのままという字牌は、他家に鳴かれる可能性が高いので注意しましょう。
中盤
6巡目以降になってもションパイの場合、他家が対子が暗刻で持っている可能性が高いです。
特に字牌のションパイは危険です。1枚で使用することができないため、捨てれば高確率で鳴かれてしまうでしょう。
自分の手の進み具合を考えて、テンパイを目指すのであれば孤立牌のションパイは捨てる、降りるのであれば最後まで捨てない、と方向性を定めます。
終盤
10巡目以降になったら、ションパイ=危険牌と考えて問題ありません。
字牌だけでなく数牌も危険です。
この巡目になると、リーチしていない人もテンパイしている可能性が高く、誰に放銃してしまうかの予測も立てられません。
序盤から持ち続けている孤立牌はもちろん、新しくツモった牌がションパイだった場合も、捨てるのは避けたほうが良いでしょう。
基本的には、自分が高めの手でテンパイしている場合を除きベタオリです。
ションパイを生かした戦術
前項で解説したションパイの扱い方は受動的な考え方だったため、ここでは能動的にションパイを使う戦術を紹介します。
やや矛盾もありますが、麻雀の戦術はケースバイケースです。
真逆の教えでも、「こういう考え方がある」と知っておくことで戦い方の幅が広がるので、参考にしてください。
ションパイが絡む牌を残して面子を作る
面子を作る際には、なるべくションパイが絡むように、不要牌を捨てていきましょう。
これは、受け入れ枚数を増やす考え方ですね。
手牌内にションパイがない場合でも、「どの塔子を育てれば待ち牌がションパイになるか」を考えて打牌していきます。
この考え方は、ションパイ以外でも通用します。
山に残っている可能性が高い牌で手牌作りをするのは、麻雀戦術の基本です。
ションパイを早めに切って他家の鳴きを防ぐ
孤立したションパイを持っている場合、あえて早めに切ってしまうのも戦術です。
これは、他家の鳴きを防ぐために有効です。
「他家の持っている孤立牌が対子に育つ前に捨ててしまう」という考えですね。
ションパイの種類で扱いを分ける
場に出ているかどうかだけではなく、牌の種類にも注目してみましょう。
慎重に扱うべきなのは、数牌よりも字牌です。
もっと言えば、役牌ですね。
一般的に麻雀では、序盤に1・9・字牌が切られることが多いです。
しかし、その中でも捨てられない字牌がある場合、他家が抱え込んでいる可能性があります。
孤立牌が対子に育つのを狙っているかもしれませんし、対子を持っていてポンできるタイミングを伺っているかもしれません。
何も考えずに捨てて、他家の手を進めてしまうのは避けたいです。
特に、自分の手が遅い場面。他家の欲している牌を自分が抱え込むことで、他家をアガらせないようにするのも戦術です。
ションパイを活用した戦術Q&A
最後に、ションパイを生かした戦術でよくある質問をまとめました。
Q&A形式でお答えしていくので、参考にしてください。
アガリ牌がションパイの場合リーチをかけるべき?
対戦相手がある程度麻雀慣れしている場合、リーチはかけないほうが良いです。
知識がある相手は、リーチがかかっている盤面でションパイを捨てるのは危険だと理解しているからです。
ロンアガリの可能性を、自ら捨てに行くことはありません。
ただし、牌山にアガリ牌が残っていて、それをツモできる可能性もあるわけです。
ツモアガリできるのならば、1翻アップするリーチをかけるのは理にかなっていますね。
このあたりは、自分のツキ具合やカンと相談して判断する他ありません。
他家がリーチした後にションパイを捨てるのはNG?
他家のリーチ後にションパイを切るのは良くないです。
巡目は関係なく、序盤から中盤であっても、ションパイを切るのは避けたいところですね。
自分がリーチをかける場面を想定してほしいのですが、受け入れ枚数を増やすことを考えて、なるべく場に見えている枚数が少ない牌を待ち牌にしますよね。
ションパイであれば、自分がツモアガリできる可能性も高いため、待ち牌にもってこいです。
リーチ相手には、ベタオリなら現物、ツッパるとしても安全牌から切るようにして、ションパイ切りは控えましょう。
ただし、自分が良い手でテンパイできる盤面であれば、選択の余地はあります。
放銃のリスクとアガれるリターンを比較して、自分が納得できる方を選びましょう。
ドラがションパイの場合は早々に手放すべき?
攻撃重視なら終盤まで持ち、守備重視なら早々に捨てます。
まず攻撃型の考え方ですが、ドラが付けば翻数が増えるので、持っておきたい牌ですよね。
運良く雀頭や面子に育てば1~3翻アップですし、双碰待ちで構えられる可能性もあります。
ションパイを抱えてしまうリスクよりも、ションパイが面子になった場合のリターンを追う戦術です。
つぎに守備重視の考えですが、危険牌になる可能性がある牌は、とにかく早く切る戦術です。
ドラは他家が欲しがる牌ですので、対子で持たれる前に捨てて、他家の手が進むのを防ぎます。
仮に鳴かれてしまったとしても、後々まで抱えていて放銃するよりも、マイナスが少なく済みますよね。
ションパイの単騎待ちはNG?
巡目にもよりますが、ションパイの単騎待ちはあまり良くありません。
特に字牌ションパイの単騎待ちは、避けたほうが無難ですね。
というのも、終盤までションパイになっている字牌というのは、誰かが暗刻または対子で持っている可能性が非常に高いです。
単騎待ちは1種類しかアガリ牌がない待ちです。
麻雀牌は1種類につき4枚ですから、暗刻で持たれていると「詰み」ですね。
対子のケースだと、残りの1枚をツモできる可能性がありますが、果たしてションパイを待ち牌にする理由になるでしょうか。
ションパイで待つのは、1枚切れや2枚切れに比べて、待ち牌を引く確率が高いからですよね。
しかし、上記のケースでは、3枚切れ・4枚切れで待つことと同義になっています。
この説明で、メリットの少ない待ちであることがわかるでしょう。
ションパイの扱い方を覚えるとワンランク上の麻雀が打てるようになる
ションパイは、場に1枚も見えていない牌を指す麻雀用語です。
ションパイをどう扱うかで戦況が大きく変わってきますので、意味だけではなく扱い方も覚えておきましょう。
特に字牌の場合は、慎重に取り扱う必要があります。
終盤のションパイは他家が抱え込んでいる可能性が高く、放銃の危険性がつきまといます。
かといって早い段階で捨てると、受け入れ牌を広く持てるチャンスを潰してしまうことにもなりかねません。
雀士の知識とセンスが光るのが、ションパイの取り扱い方なのです。
ションパイの活用を覚えると雀力が大きく向上しますから、学習と実践を繰り返し、自分流の戦術を確立していってください。