この記事を読んでいるあなたは
- 聴牌とは何か知りたい
- 聴牌にはどのような種類があるのか知りたい
- 聴牌時の待ちの形について知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、麻雀用語「聴牌」についてお伝えしていきます。
聴牌とは
聴牌とは、あと1枚揃えばアガリ形が完成する状態を指す言葉です。
ビンゴで言えばリーチのような状態ですね。
聴牌と書いて「テンパイ」と読みます。
日常会話で使われる「テンパる」という言葉は、麻雀の聴牌から生まれた言葉です。
麻雀的には準備が整った状態を指す言葉ですが、「アガる直前、ギリギリの状態」という部分的な意味を抜き取って、「テンパる=切羽詰まる、焦る」というイメージが浸透してしまいました。
聴牌の種類
聴牌はアガる直前の状態全般を指す言葉ですが、細かく分けると、聴牌時の行動や手牌構成によって呼び名が違います。
ここでは、聴牌の種類6つを紹介します。
ダマテン/ヤミテン
面前で聴牌しているにもかかわらずリーチをかけていない状態を、ダマテンもしくはヤミテンと言います。
漢字表記にすると黙聴・闇聴となり、会話で使用する場合にはダマ・ヤミと略されるケースが多いです。
ダマテンでは立直がつかないので、他に役が揃っていない場合はアガれず、立直分の1翻も加算されません。
しかし、リーチをかける場合と違って、聴牌であることを他家に悟られずにアガる機会を伺えるのがメリットです。
加えて、ダマテンの場合は手変わりが自由なので、聴牌後に得点を上げたり良い待ちに変えたりと柔軟な動きができます。
リーチ
面前で聴牌をした際に、リーチ宣言をすることです。
アガリの一歩手前をリーチというゲームが多いので勘違いしがちですが、麻雀におけるリーチは「立直」という役のひとつであり、聴牌とは別物です。
リーチをかけると1翻がプラスされるため、点数を上げたいときや役なしを回避したいときに役立ちます。
リーチ宣言は、面前で聴牌しているときに、場に1,000点棒を出すとおこなえます。
1回でも鳴いている場合や、持っている点数が1,000点以下のときは、リーチをかけられません。
また、リーチ宣言後は手牌の入れ替えができなくなり、アガるまではツモ切りのみになるため注意しましょう。
役なしテンパイ/形式テンパイ
4面子1雀頭のアガリ形一歩手前で聴牌しているものの、役がなくてアガれない状態を、役なしテンパイもしくは形式テンパイと言います。
麻雀では、1つ以上の役がつく手牌構成になっていないと、アガることができません。
しかし、アガリ形の一歩手前であることには変わりないため、聴牌の一種として捉えられています。
初心者のうちは、役の成立条件を勘違いしていて、役なしテンパイになってしまうことも多いです。
役なしであることに気づかずにアガリ宣言をしてしまうとチョンボとなり、罰則を取られてしまうので注意しましょう。
フリテン
自分のアガリ牌を捨てている、もしくはロン牌を見逃していることによって、ロンアガリができない聴牌をフリテンと言います。
フリテンに気づかずにロン宣言をしてしまうと、チョンボの対象です。
アガリ牌が複数ある場合、そのうちの1種類でも見逃してしまえばフリテンになります。
多面張で聴牌している場合はフリテンになりやすいため、注意しましょう。
なお、フリテン状態であってもツモならアガれます。
片アガリ
アガリ牌が複数ある聴牌で、特定の牌が来ればアガれるけれど、それ以外の牌だと役なしになってしまう、という状態を片アガリと言います。
片アガリの状態で、役なしのアガリ牌を先にツモった場合、フリテンになってしまいます。
役が確定していない状態で鳴くと片アガリになりやすいので、注意しましょう。
空テン
アガリ牌がすべて場に見えており、絶対にアガることができない聴牌を空テンと言います。
空テンを聴牌として認めるか、空テンリーチを可能とするかは、ルールによって異なります。
基本的には、空テンだと判明した時点で手牌を入れ替え、アガれる状態に持ち込むのが良いでしょう。
聴牌の待ちの形は5種類
聴牌をして、アガリ牌を待っているときの待ちの形にも、それぞれ呼び名があります。
ここでは、基本となる5つの聴牌形を紹介します。
タンキ待ち
タンキ待ちは、4面子が完成していて、単独の牌が1枚ある状態の聴牌です。
雀頭を待っている形ですね。
アガリ牌の種類は1種類で、枚数は最大3枚です。
5パターンある聴牌形の中で最も待ちの数が少なく、不利な待ちと言われています。
リャンメン待ち
リャンメン待ちは、3面子1雀頭が完成していて、最後の面子が「2・3」「3・4」のようになっている聴牌です。
数字の連続する中張牌を持っている状態で、両端どちらを引いてもアガれるので、非常に有利な聴牌形です。
アガリ牌の種類は2種類で、枚数は最大8枚。5パターンある聴牌形の中で最も待ちの数が多いです。
カンチャン待ち
カンチャン待ちは、3面子1雀頭が完成していて、最後の面子が「1・3」や「2・4」のようになっている聴牌です。
順子の間が抜けている状態ですね。
間が抜けているので愚形に感じがちですが、隣り合う牌を引けばリャンメン待ちに手変わりするため、リャンメンの次に有利な聴牌形です。
アガリ牌の種類は1種類で、枚数は最大4枚です。
ペンチャン待ち
ペンチャン待ちは、3面子1雀頭が完成していて、最後の面子が「1・2」もしくは「8・9」になっている聴牌です。
リャンメン待ち同様に連続した数牌を持っているものの、1・9牌が含まれるために、待ちが順子の片側しかありません。
アガリ牌の種類は1種類で、枚数は最大4枚です。
シャンポン待ち/シャボ待ち
シャンポン待ちは、3面子が完成していて、対子が2つあるという状態の聴牌です。
対子のうち一方が刻子になれば、4面子1雀頭が完成してアガれます。
アガリ牌の種類は2種類で、枚数は最大4枚です。
聴牌とノーテン罰符
聴牌していない状態は不聴(ノーテン)と呼ばれ、流局時にノーテンだったプレイヤーは、聴牌しているプレイヤーに1,000~3,000点を支払わなくてはいけません。
これを、ノーテン罰符と言います。
ノーテン罰符の負担額は、聴牌しているプレイヤーの人数によって異なり、全員が聴牌している場合は点数のやり取りなしで次の局に移ります。
聴牌している人数 | 点数移動 |
---|---|
1人 |
|
2人 |
|
3人 |
|
4人 | 点数移動なし |
ノーテン罰符が発生すると、最大で4,000点の差が生まれてしまうため、アガるのが難しい局でもなるべく聴牌に持ち込みたいところです。
形式テンパイありのルールならば、役なしでもノーテン罰符を免れるので、上手に活用していきましょう。
聴牌と関わりが深い麻雀用語
最後に、聴牌と関わりが深い麻雀用語を紹介します。
聴牌やめ
聴牌やめとは、オーラス流局で親がトップの場合に、親が聴牌していても連荘を放棄して対局を終了させることです。
聴牌やめが採用されているかどうかはルールによるので、対局前に確認しておきましょう。
聴牌効率
聴牌効率とは、聴牌する枚数が一番多くなるように打牌することを指す言葉です。
聴牌チャンスと呼ばれることもあります。
「どの牌を捨てれば受け入れ牌が最も多い1向聴になるか?」という考え方なので、聴牌効率を考えて打つのは2向聴のときです。
とはいえ、いくら受け入れ牌が多くても、待ち牌が愚形になればアガれる可能性が落ちるので、聴牌効率だけを重視する必要はありません。
聴牌とはアガリの一歩手前を指す言葉
聴牌とは、アガリの一歩手前、あと1枚有効牌が手に入ればアガれる状態のことです。
流局までに聴牌できなかった場合にはノーテン罰符の支払い義務が生じるため、アガるのが難しそうな局でも聴牌を目指して手作りをする必要があります。
また、一口に聴牌と言っても、黙って聴牌するケース、リーチをして聴牌を他家に知らせるケース、ノーテン罰符回避のために役なしで聴牌するケースなど、さまざまな選択肢があります。
状況に応じて柔軟な対応ができるよう、聴牌のルールをしっかりと把握しておきましょう。