この記事を読んでいるあなたは
- 麻雀用語の「燕返し」とは何かを知りたい
- 人によって燕返しの認識が違うのはなぜか知りたい
- イカサマ麻雀のやり方が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
実は、麻雀の燕返しには異なる2つの意味があります。
ひとつはローカル役燕返し、もうひとつはイカサマ技燕返しです。
この記事では、それぞれの意味を解説した後、イカサマ技燕返しのやり方やコツを解説していきます。
燕返しとは
「燕返し」とは、すばやく体を返す動作を指す言葉です。
さまざまな術技において燕返しという技名が使用されており、剣術では刃先を翻して斬る技を、柔道では技をかけられた足で技をかけ返すことを燕返しと呼びます。
いずれも「返す」というのが共通しているのがわかりますね。
そして、麻雀用語にも燕返しは存在します。
ただ、通常燕返しと呼ばれる技は分野ごとにひとつなのですが、なぜか麻雀界では2つの意味を持つ用語となっています。
ここでは、麻雀用語として使われる2つの燕返しについて、概要を解説します。
ローカル役「燕返し」
ひとつめが、ローカル役の一種として使われる燕返しです。
他家のリーチ牌でロンアガリすると付く1翻役です。
他のローカルルールと同じく定義の揺れがあり、下記のようなさまざまなルールが存在します。
- 「リーチ牌なら何でもOK」 or 「追っかけリーチにのみ有効」
- 「他に役がなくてもアガれる」 or 「他に1翻以上の役ができていないとアガれない」
- 「鳴きあり、どの役との組み合わせでもOK」 or 「門前でないとアガれない」
もとは中国麻雀で採用されていたとされる古い役で、今はあまり見られることはありませんが、友人間などで採用する場合には共通ルールを定めてからおこなうと良いでしょう。
イカサマ技「燕返し」
ふたつめが、イカサマ技の一種として使われる燕返しです。
燕返しは積み込み系のイカサマ技で、自分の手牌として欲しい14枚の牌を1列に積み込んでおき、隙を突いて自分の手牌と入れ替える大技です。
燕返しには、下記のようなメリットがあります。
- 運でしかアガることのできない天和が人為的に起こせる
- コンビ打ちの必要がない
- 一度覚えてしまえば比較的かんたんにできる
自動麻雀卓の普及とともに燕返しは使用できなくなってしまいましたが、入れ替えの動きが美しいことも相まって、現在も認知度が衰えない技です。
現在「麻雀の燕返し」とだけ言われた場合には、イカサマ技の燕返しを指すのが一般的です。
燕返しのやり方
ローカル役燕返しの解説は終わっているため、ここからはイカサマ技燕返しのやり方について、詳しく解説していきます。
ただし、イカサマである以上フリー雀荘での使用は禁止です。
最悪の場合は出禁になります。
やり方を覚えたとしても、一発芸としての披露や、イカサマありで麻雀を楽しむ場面でのみ使用するようにしましょう。
前提条件は手積み麻雀であること
前提条件として、燕返しは全自動卓ではおこなえません。
自分の前にある牌山にアガリ形14枚を仕込む必要があるため、手積み麻雀でしか成立し得ないのです。
盲牌は必須技術
燕返しに限った話ではありませんが、積み込み系のイカサマである以上、盲牌の技術は必須です。
盲牌とは、裏向きになった麻雀牌を指でなぞり、触感だけでどの牌か見分ける技術のことです。
欲しい牌を積み込むときに、いちいち表面にして確認するわけにはいきませんから、実践で使いたい場合には盲牌を覚えましょう。
燕返しの手順
では、燕返しの詳しい手順について、解説していきます。
欲しいアガリ形を積み込む
まずは、積み込みです。
自分の手牌として欲しい14枚を、自分の前にある牌山の下段に仕込みます。
牌山は17枚が2段重なってできますから、残りの3枚は余分な牌です。
14枚の牌を左右どちらかに寄せ、適当な牌3枚を横にくっつけて、17枚の山にしてください。
左右どちらに寄せても構いませんが、毎回同じ方向に寄せるほうが失敗がありません。
やりやすい方に定めて、練習を繰り返しましょう。
3枚の余分牌とおなじく、上段の17枚にも適当な牌を入れ込んでおきます。
自分の手牌を牌山に混ぜ込む
配牌を取り終えたら、手牌を寝かせて、牌山に混ぜ込みます。
具体的には、以下の4ステップです。
- 14枚すべての配牌を裏向きにして寝かせる
- 目の前に積んだ牌山の余分牌の部分(上段17枚+下段3枚)を両手で掴む
- 2を1の上に重ねる
- あらかじめ仕込んだ14枚の牌をまたぐようにして、もとの配牌+余分牌を、牌山としてセットする
あらかじめ仕込んでおいた14枚の牌を手牌にする
最後は、あらかじめ仕込んだ14枚を配牌として自分の前に立て、手牌とするだけです。
天和を起こすのであれば、驚く演技も磨いておきましょう。
燕返しを成功させるコツ
燕返しのやり方がわかっても、相手にバレてしまうようでは、イカサマとして成立しません。
燕返しを成立させるための3つのコツをお伝えしますので、参考にしてください。
音を立てない
第一に、なるべく音を立てないように気をつけましょう。
多少の音は仕方ありませんが、あまりに大きな音や、牌山がバラバラに落ちた時に鳴る「ガチャガチャガチャ」という複数音はかなり違和感を覚えます。
- 牌山を動かすときに、すべての牌が同時に着地するように持つ
- 牌と牌を打ち付けないように、そっと置く
- 入れ替えた後、必要以上に牌山をいじらない
といったことを意識して、なるべく音を立てずにできるまで練習しましょう。
素早くおこなう
牌山まで手を伸ばすのは、配牌時には必要のない動作です。
入れ替えに時間をかけすぎると、手の動きの違和感から、イカサマがバレてしまいます。
はじめは早くできないと思いますが、何度も練習して、徐々にスピードアップしていきましょう。
最終的には、手牌と牌山の入れ替えを1秒以内でおこなえると良いですね。
相手の隙を突く
燕返しをおこなうのは、配牌直後です。
他のプレイヤーが理牌(※)している隙に、ササッとおこないましょう。
理牌の間に済ませられれば、牌山を動かすときの音もごまかせるため、一石二鳥です。
燕返しは、いくら上手にやっても、入れ替える場面を見られてしまえば一発でバレるイカサマ技です。
手品師になったつもりで、相手が他のことに集中している隙を突くことを意識しましょう。
※理牌とは、配牌時に手牌をわかりやすく並び替えること
燕返しの解説動画
最後に、燕返しのやり方を解説したYouTube動画を3つ紹介します。
つばめ返し【麻雀】0.5秒に挑戦!【イカサマ】
出典:https://youtu.be/vWPq2u0DuOw
燕返しのやり方を説明した後、0.1秒間隔で、スピード別に燕返しを実演してくれる動画です。
どの程度のスピードでやればバレにくいかが体感できるのが、この動画のポイントです。
字幕付きなので、音声オフで見てもわかりやすいですよ。
麻雀 つばめ返しの簡単な説明 方法やり方とコツ
出典:https://youtu.be/V95eh_d8zmg
手順をかなり細分化して、丁寧に解説している動画です。
コツの解説も具体的なので、練習に行き詰まったら見てみると良いでしょう。
動画スピードがゆっくりなので、流しながら実践するのもおすすめです。
小島武夫のイカサマ つばめ返し
出典:https://youtu.be/j0JBvkJu1_U
配牌を取る場面から、一連の流れが見られる動画です。
4人全員の動きが見られる俯瞰の状態で撮影されているのが、珍しい構図ですね。
燕返しをおこなうときに、他3人のプレイヤーがどのような動きをしているかが見られるため、実践するにあたって非常に参考になります。
燕返しは2つの意味を持つ麻雀用語
麻雀用語の燕返しには、下記2つの意味があります。
- リーチ牌でロンアガリしたときに付くローカル役
- あらかじめ積んでおいた14枚の牌と手牌を入れ替えるイカサマ技
認知度が高いのは、イカサマ技の燕返しのほうです。
ただし、イカサマ技は基本的に使用禁止で、雀荘でおこなうと出禁などの罰則がつきます。
友人同士の卓だったとしても信頼関係の崩壊につながりますから、使用は控えましょう。
どうしても実戦で使いたい場合には、前もって「イカサマあり・指摘されたらチョンボやアガリ放棄にする」などのルールを定めておくと、わだかまりが残りません。