この記事を読んでいるあなたは、
- 雀荘を経営するための資金やビジネスモデルについて知りたい
- 雀荘を経営するのに必要な許可について知りたい
- 雀荘の経営は儲かる?厳しいのかについて知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに「雀荘を経営するための許可やビジネスモデル、資金や成功させるポイント」などを紹介します。
雀荘を経営するには許可が必要
雀荘を経営するには、「風俗営業許可(4号)」と「飲食店営業許可」といった2つの許可を取得する必要があります。
まず「風俗営業許可(4号)」は、麻雀を行うための雀荘が、風営法によって規制の対象となっているため、許可が必要となります。
風営法では、麻雀はパチンコ等と同様に射幸心をそそる恐れがある遊戯と位置付けられ、賭博行為につながる可能性があるため営業にはさまざまな規制がかけられています。
例えば、店舗の立地は保全地域といって学校や病院、児童施設などが近くにないことなどが条件となります。
また、犯罪歴がないことや未成年ではないことなど申請者自身にも条件が存在します。
風俗営業許可(4号)は、所轄の警察署で取得し、1年ごとの更新が必要です。
次に、「飲食店営業許可」は、雀荘でドリンクや軽食などを提供するために必要な許可です。
飲食店営業許可は、管轄の保健所で申請し、検査に合格することで取得できます。
検査の合格には、食品衛生管理者の設置と営業許可証の申請が条件として必要になります。
雀荘をオープンするまでの流れ
雀荘をオープンするまでの一般的な流れは、以下の通りです。
まず、雀荘を営業するうえでの売り上げ・利益などを含む資産計画を立てます。
次に店舗となる物件を探し、検討しながら調査を行います。
麻雀店として借りることが可能か、店舗が風俗営業規制外の許可の下りる場所かどうかはまず確認するべきポイントです。
そして、必要な許可の申請について、行政書士に依頼します。
申請手続きにはさまざまな準備が必要で、全て個人で行うには難しい場合も多いため、信頼できる行政書士に依頼するのがベターといえます。
店舗で使用する麻雀用具などを選び、予算に合わせて決定し準備をしていきます。
ここまで準備が整ったら、必要な許可を受けるため、管轄の各所に申請を行い、検査日の通知を待ちます。
検査日までに店舗の工事や申請した内容の麻雀用具などを準備しなくてはなりません。
また、ホームページや検索サイト、SNS等を活用して、オープンの宣伝やスタッフの人材を集めることも大切です。
雀荘のオープンまでは、このような流れで進めていきましょう。
雀荘のビジネスモデル
雀荘のビジネスモデルは、雀荘の経営形態によっても異なります。
雀荘の経営形態には主に以下の3つの形があり、それぞれの特徴と収益の発生について紹介します。
セット(貸し卓)
セット(貸し卓)は麻雀を行う客がメンバーを集めて来店し、麻雀卓を借りてプレイする形です。
時間当たりの料金に加え、ドリンク等の利益が発生します。
麻雀卓を貸すだけなため、基本的に接客も少なく利益を得ることが可能です。
フリー
フリーは、客が個人で来店し、店にいる他の客と一緒に麻雀を打つ形です。
一般的にはゲーム料が設定されており、ゲーム終了時にそれぞれのお客から回収することで利益が発生します。
麻雀は4名揃ってゲームが始まるため、お客の人数が揃わない場合は、店員がメンバーとなって打つことも多くなります。
麻雀教室
麻雀教室は、麻雀のプロが講師として客に教え、利益が発生します。
値段設定は講師や教室によってさまざまとなっています。
通常はフリーやセット(貸し卓)をメインとして営業し、イベント時や時間帯によって教室を開催する形の場合も多くあります。
雀荘の経営は儲かる?厳しいの?
雀荘の経営は、基本的には利益を大きくすることは難しく、経営自体は厳しい業界といえます。
雀荘は娯楽施設として、麻雀を行う場所や麻雀卓等の提供を行っており、麻雀自体は賭けをせずノーレートで楽しめる遊びです。
現実的に客同士が賭けを行いゲームすることが多いですが、麻雀でお金をかけて賭博行為を行うことは法律違反となってしまいます。
賭け麻雀の取り締まりは、レートの大きさなど警察の裁量に委ねられている面がありますが、店側としても注意は必要です。
また、フリー形態のように、店員がメンバーとして参加するゲーム代は、自己負担となっている場合がほとんどです。
そのため、手元に残るお金は少なく、簡単に儲かるとはいえません。
雀荘の開業資金
一般的に麻雀の開業資金は、資金に加えランニングコストが必要となります。
ランニングコストを維持できない場合は赤字になり経営が難しくなっていくため、少しでも多くの資金を準備しておくほうが安心といえます。
雀荘の開業資金の相場としては300万円程度、余裕をもって800~1,000万ほどの準備が必要となります。
雀荘の経営にかかる費用・ランニングコスト
麻雀の経営にかかる経費を紹介します。
家賃・内装工事費用
店舗となる物件や設備、開業前の内装工事、また家賃等にかかる費用のことです。
準備期間を含め発生する毎月の家賃だけでなく、店舗の物件契約に必要な保証金、仲介手数料などもあります。
物件の家賃や内装工事、設備に関しては、内容によってかなり違いがあるため、事前の調査や計画が重要となります。
麻雀用品・設備
麻雀用品として店舗に置く麻雀卓やテーブル、いす、電気設備、看板等にかかる費用です。
麻雀卓は、新品のもので1台あたり30~50万円が一般的な相場となっており、全て新品でそろえるとその分費用もかさみます。
中古品やレンタルの麻雀卓もあり、麻雀卓とテーブル、イスがセットで販売されているものもあります。
そのほかに、店の休憩スペースや、フード・ドリンク提供のために必要な設備にも費用がかかります。
人件費
経営者が一人で雀荘の営業を行うことは難しいため、スタッフを雇用するための費用が人件費となります。
店の規模に合わせて、雇用する人数や1人当たりの人件費を計画しなくてはなりません。
広告宣伝費
雀荘をオープンし、お客を集めるために重要な広告宣伝費用です。
口コミ等でお客を呼ぶことも大切ですが、まずは多くの人に認知され、新規のお客を獲得していかなければ、経営が厳しくなります。
一般的な広告だけでなく、SNSや、麻雀関係のポータルサイト掲載といった方法も活用することで、効果的にかつ費用も抑えることもできます。
水道光熱費
固定費としてかかってくるのが水道光熱費です。
店舗の大きさや設備、営業時間帯によっても変わります。
ドリンク・軽食代
ドリンクや軽食は、多くの雀荘で提供されていますが、経営方針によって変わってくる項目となります。
例えば、ドリンク、フードの種類が多く店舗で作っている店、フリードリンクのみの店、軽食は近隣店舗からのデリバリーといった形を取っている店もあります。
雀荘の経営を成功させるポイント
雀荘の経営を成功させるためのポイントについて紹介します。
認知度を向上させる広告の宣伝を行う
雀荘の経営を成功させるには、認知度を向上させるため広告宣伝を行うことが大切です。
お店の経営スタイルにもよりますが、口コミだけではお客は集まりません。
雀荘の存在を地域の内外の人に知ってもらい、新規のお客を継続的に獲得していかなければ、経営は難しくなってしまいます。
麻雀店や雀荘専門の検索サイトなどを活用することで、情報を求めている麻雀好きの新規のお客や、PCやスマートフォン利用者に効果的に働きかけることも可能です。
客が来やすい物件選びを行う
雀荘の経営を成功させるには、客が来やすい物件を店舗に選ぶことが大切です。
まず雀荘の物件は、風俗営業法においての許可が必要となるため、学校や病院などの保全施設が付近にないことが前提条件となります。
そのうえで、立地や物件の外装、内装も客が入りやすい物件か物件かどうか吟味する必要があります。
駅から近いといったアクセスの良さや駐車場の有無もポイントです。
また、簡単に見つけやすいことや、ビル等の場合1階・低層階であることも客の入りやすさにつながります。
雀荘はその特性から不健全なマイナスイメージを持ってしまう人も少なくありません。
付近の治安の良さや、性風俗店等が無いことも、気軽に利用できる雀荘の雰囲気に影響するといえます。
他店との差別化を図る
雀荘の経営を成功させるには、他店との差別化を図ることが大切です。
地域によって差はありますが、全国には麻雀店や雀荘がかなりの数が存在しています。
当然のことながら、客に選んでもらえる雀荘にするためには、他店との差別化が必要です。
差別化といっても簡単なことではありませんが、SNSツールを利用した集客方法をとる店や、魅力的な講師・ゲストを招く店、接客対応を強化する店、さまざまなイベントを開催する店など、それぞれ工夫がされています。
雀荘の経営に関するよくある質問
雀荘の経営に関してよくある質問に答えていきます。
雀荘の経営は田舎でできる?
雀荘の経営は田舎でも可能です。
田舎といわれる人口が少ない地方の場合では、競合する他の雀荘が少なかったり、他の娯楽施設が少なかったりする点はメリットといえるでしょう。
また、店舗物件の家賃等の必要経費が、都市部などと比べれば安く抑えられる点は経営面でも助かります。
しかし、人が少ない分、雀荘に訪れる新規客、固定客を確保し続けることが難しい場合もあり、その点はデメリットといえます。
雀荘の経営の失敗パターンは?
雀荘経営の失敗パターンとしては、客が集まらない、利益が少なく赤字に傾き悪循環に陥るといった場合が多いです。
まず、雀荘経営の中で利益が発生するのは、基本的にゲーム代だけになってしまいます。
基本のゲーム代をただ値上げしたり、回転数を上げるため時間を制限したりするだけでは、客は不満が溜まり、固定客になってもらうことは難しいでしょう。
他店の差別化を図るといった点で、サービスやイベント等を充実させたとしても、諸経費や人件費がかさむ場合も多くなります。
費用対効果や損益を常に考慮しながら、新しい戦略を練っていくような努力は必要となります。
雀荘経営者の年収は?
雀荘経営者の年収は、差が大きく一概にどれくらいとはいえません。
成功している経営者では年収数千万の方もいれば、サラリーマンの平均年収を下回るといった厳しい方もいます。
バイトスタッフとして雇われている場合も、時給換算すれば最低賃金を下回っているといったこともあります。
スタッフが客とともにメンバーの一員としてゲームをすることが多いですが、ゲーム代は自腹となるのがほとんどです。
そのため、その分の費用が給与からマイナスになってしまうことになります。
雀荘は風営法で営業時間が決まっている?
雀荘の営業時間は風営法により定められています。
雀荘は風営法4号の対象となっており、その中に営業時間に対する規制があります。
雀荘は原則深夜12時~朝6時までの営業が禁止されています。
例外的に都道府県条例によって深夜1時までの営業が認められている都市もあります。
雀荘の経営の許可や資金まとめ
この記事では、雀荘の経営の許可や資金のまとめなどについて紹介してきました。
雀荘の経営には、風俗営業法の許可が必要で、細かな規制があるため確認が必要であると分かりました。
雀荘経営のために必要な資金の項目や、経営を成功させるためのポイントを知り、経営計画を立てることが重要です。
麻雀が好きで雀荘経営に興味がある方は、この記事を参考に、ぜひ一歩踏み出してみてください。