この記事を読んでいるあなたは
- 雀荘のアウトとは何か知りたい
- アウトオーバーとアウトは別物なのか知りたい
- アウトしてしまうとどうなるのか知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、雀荘で使われる言葉「アウト」について、お伝えしていきます。
雀荘の隠語「アウト」とは
雀荘で聞くことがある「アウト」という単語は、一体何を意味するのでしょうか。
はじめに、アウトの意味とアウトに似た用語の両方について、解説します。
アウト
麻雀のアウトとは、雀荘相手にする借金のことです。
レートのある雀荘に行くと、負けが続いて所持金が無くなってしまうことがあります。
その場合、雀荘側は一時的に、客の負け分を立て替えるのです。
その際の貸金・借金をいずれも「アウト」と呼び、客がアウトしたことを「アウトを切る」と表現します。
また、似た言葉に「アウト帰り」がありますが、こちらは必ずしも借金を指すわけではありません。
ブー麻雀(※)において、ほかのプレイヤーにAトップを取られてしまうこと、つまり返金額がないことを指して「アウト帰り」と表現します。
※対局前に受付でAトップ相当の金額を払い、負ければ減った金額を補填、勝てば場代を引いた差額を返金というシステムの雀荘。関西に多い
アウトオーバー
アウトオーバーとは、雀荘で働くメンバー(従業員)が雀荘に借金することです。
フリー雀荘では、お客さんを4人揃えられない場合、メンバーが卓に着きます。
当然メンバーが負けてしまうこともあり、その際は給与から前借り、というのが一般的です。
そして1ヶ月分の給与を超えて負けてしまう(給与よりも借金がオーバーしてしまう)ことを、「アウトオーバー」と呼ぶのです。
客の借金に対して使う言葉ではないので、混同しないようにしましょう。
雀荘にアウトというシステムがある理由
店にとって、一見不利益とも思えるアウトという制度。そのシステムが一般化しているのには理由があります。
雀荘にアウトというシステムがある理由を2つ、お伝えします。
客同士のトラブルを避けるため
ひとつめの理由は、客同士の余計なトラブルを避けるためです。
フリー雀荘で卓を囲むのは、基本的には日常で関わりのない、赤の他人です。
誰か一人の所持金が足りないときに、同じ卓についた誰かが立て替えるといった個人間のやり取りは、思わぬトラブルを招くことがあります。
客同士で金銭トラブルが生じるのを防ぐために、店が間に入って貸し借りをするのです。
店の売上を確保するため
ふたつめの理由は、店の売上を確保するためです。
フリー雀荘では当然、4人揃わないと勝負が始められません。
代わりに入る人が居ないときに卓を抜けられてしまうと、ほか3人からも場代を徴収できなくなってしまいます。
そうなっては売上が下がってしまうので、店側が立て替えてでも、勝負を続けてもらいます。
客として雀荘に行く場合の注意点
予想以上の出費を避けるために客側がするべきことは、
- 初心者はフリー雀荘に行かないこと
- レートの低い店を選ぶこと
- アウトをあてにしないこと
- アウトをばっくれないこと
です。
それぞれ詳しく説明していきます。
初心者はフリー雀荘に行かない
まず、初心者はフリー雀荘に行くのをやめておきましょう。
麻雀慣れしていない人が雀荘に行って勝つ、というのは非常に難しいです。
掛け金なしで麻雀を楽しむ程度に留めておいて、腕に自信がついたらフリー雀荘デビューを考えましょう。
セット雀荘であれば、かかる費用は事前にわかっています。
場代以上の出費はなく、心理的にも金銭的にも負担が少ないので、初心者でも問題ありません。
どうしても知らない人と麻雀を打ちたいのであれば、オンライン麻雀という手もあります。
レートが低い店を選ぶ
フリー雀荘に行くときには、店選びも重要です。
レートが高い雀荘は、それだけ負けたときの額が大きくなるため、できるだけレートが低い店を選びましょう。
また、基本的に賭博行為は違法です。
低レート帯の店は黙認されていますが、1,000点500円、1,000円といった高レート帯の雀荘には摘発の危険性も伴います。
テンイチ~テンゴが妥当
負けたときの金額を考えると、テンゴ以下の雀荘に通うのが無難です。
テンゴは、1,000点50円のレートを意味します。
「0.5」「風速0.5」などと記載されていたら、テンゴレートの雀荘です。
テンゴなら、3万点の負けをとっても素点で1,500円の出費で済むため、そこまで負債が膨れ上がることはありません。
ただ、レートについては公式サイトを見てもわからないケースが多いです。
口コミサイトで調べるか、雀荘に電話で問い合わせてみましょう。
ノーレート麻雀を選ぶのも手
健康麻雀と呼ばれることもある「ノーレートフリー雀荘」。以前は珍しい営業形態でしたが、最近では店舗数も増え、選択肢のひとつとして十分成り立つようになっています。
ノーレート店であれば、支払うのはゲーム代のみです。事前に出費額がわかるので、所持金がなくなる心配はありません。
雀荘によっては順位によって支払うゲーム代が違うというシステムが取り入れられていることもあり、適度な緊張感も楽しめます。
禁煙のノーレート雀荘も多いので、タバコが苦手な人にもおすすめです。
基本的にアウトは使わない
リボ地獄などにも共通することですが、手元にない金銭のやりとりは感覚をマヒさせます。
最初は問題なく支払える額だったはずが、1ヶ月の給与をまるまる使っても返せないほど膨れ上がるケースは珍しくありません。
一度アウトを使ってしまうと、客側も雀荘側も「今回もアウトで」という流れになりやすいです。
「麻雀はしても、アウトはしない」と自分の中で誓いを立てておくことをおすすめします。
また、アウトはすべての雀荘でおこなっているわけではないので、そういった意味でもアウトを当てにするのはやめましょう。
アウトをばっくれない
雀荘でアウトが嵩むと、返済が厳しくなりばっくれてしまうケースも存在します。
しかし、ばっくれてしまったことがきっかけで強行な取り立てが行われることもあるため、アウトはきちんと返済するようにしましょう。
アウトが積み重なるとどうなるか
最後に、アウトが積み重なるとどうなるのかについて、法律上の話と現実問題、2つの観点からお伝えします。
法律上は支払い義務はない
法律上の話をすると、雀荘に借りた金銭を支払う義務はありません。
そもそも賭け麻雀は違法とされているため、たとえ借用書を書かされていたとしても、支払いの義務は発生しないのです。
ただし、すでに支払いを済ませた分の返金を求めることはできません。
本来、違法に支払った金銭については返還請求ができますが、賭博行為の場合、請求が認められていません。これは、不法原因給付という民法上の規定で決まっています。
不法原因給付
賭博(とばく)での支払いのように、不法な原因に基づいてなされる給付。
民法は、不法の原因が一方的に受益者の側にあるときを除いて、返還請求を認めていない。引用:https://kotobank.jp/word/98-125737
金融機関での借金には返済義務が生じる
雀荘とのやり取りではないケースには注意が必要です。
たとえば、アウト分を支払うために金融機関でお金を借りた場合ですね。
こちらは合法な金銭の貸し借りですので、使いみちがアウトの返済であっても、金融機関への返済義務が発生します。
借金の理由が賭博行為の場合は、自己破産が認められないケースもあるので注意しましょう。
アウトによる現実問題
法律上支払い義務がなくても、借金は借金です。
客側もかけ麻雀であることをわかった上で雀荘を訪れているわけですので、「負けたけど、実際支払い義務はないし、払いません」は通じないでしょう。
弁護士等を立てない限り、雀荘との話し合いは難航すると考えておくべきです。
また、どこまでが本当の話かはわかりませんが、ネット上には怖い噂もあります。
- アウトした雀荘から、「卓に着く人が足りないから来い」と都合よく使われるようになり、さらにアウトが増えた
- 「社長の紹介で仕事をはじめました」と話していた、アウトオーバー続きの雀荘メンバーの消息がわからない
- 雀荘に紹介された闇金業者からお金を借りてしまい、毎日脅されている
兎にも角にも、借金はしないほうが身のためですね。
アウトとは雀荘用語で「借金」のこと
雀荘で使うアウトとは、客が店側にする借金のことです。
雀荘側にも得があるため、アウト禁止の雀荘でない限りは特に問題なく貸してもらえるでしょう。
しかし、麻雀はハマってしまうと依存性も高いですし、負けの金額は天井知らずです。
慣習として存在していても、できれば一生、アウトはしないほうが良いですね。